ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

きょうの十勝岳連峰は春の濃霧にどっぷり真っ白けっけ

2023年03月11日 | バックカントリーとパウダースノー
きょうのツアーは標高1000m付近の原生林
 
天気 晴れ
気温 0℃
風速 ほぼ無風
視界 15mくらい

真っ白けっけ。
ここどこ?状態。

とりあえず、行く!
五感フル稼働で。
 
3月に入った途端、
雪どけが始まった十勝岳連峰。
 
気温が上昇したことで
きょう午後の十勝連峰は中腹に水蒸気が滞留
まもなく原生林全体がすっかり濃い霧に包まれました。
 
雪は固く締まり、ザクザクで、
スキーのステップソールがビシッと食いつき、ぐいぐい登ることができました。
 
春の気配に誘われたか
ウサギなど野生動物の足跡がたくさん見られます。
 
雰囲気はGW初日みたい。
まだ3月なのに。
 
今年の冬は
気温そこそこ低くて
積雪も結構なボリュームで
なかなかドスコイな冬でしたが
3月に入ると、いきなり春が到来
来週以降も
すごい勢いで雪がとけていきそうだと思いました。
 
ツアー最終盤
下山目前の2時46分、
全員で心ひとつに南の方角へ、黙祷。
 
あの日、私は冬のお客様たちに寄付、物資集積の協力を呼びかけた。
あっという間にたくさんの支援物資、そしてお金が集まり、
私はそれらをツアー用ハイエースに満載して
東北に駆けつけることができた。
心はひとつ、
良きお客にめぐまれて、ワタシは本当に幸せ者だ。
 
まもなく冬ツアー最終盤。
過ぎ去りし愛しき日々、なんだか名残り惜しい…。
 
きょうからホームページを夏バージョンに
衣替えしました。
よろしければ覗いてみてください。
 
 

難破船

2023年02月26日 | バックカントリーとパウダースノー
きょうは荒れ模様の天気かと予測。
 
まあいいや。
とりあえず登っていく。
 
そこそこ登って雪洞に転がり込んで、
洞のなかで天候回復待ちという名目の
昼飯&おしゃべり大会。
 
昼過ぎに、ひょいと表に顔を出してみたら、
意外と良い雪で、さらっさら。
綿毛が積もったみたいに、しゅわしゅわ。
 
深いけど、ほとんど無重力?くらい軽い。
羽毛かよ。
 
シーズン最後の羽毛パウダーかも。
 

しかし、よく降った。
下山したらクルマが難破船みたいなことに。
もちろん帰路はホワイトアウト。
 
それなのに下界に戻ってきたら
美瑛の丘は晴れてました。
 
終わってみたら
最高に楽しい1日でした。
 
やっぱ北海道の冬が好き。
 

冬山にも春の兆し

2023年02月22日 | バックカントリーとパウダースノー
風景は冬山ですが、
厳冬期のような尖った空気感が薄くなり、
何やら穏やかな肌触りを感じます。
 
一歩一歩、踏みしめて歩くと、
足の裏に雪の反響※を感じるのですが、
確かな「踏む感覚」があって、その下にある大地の存在をわずかに感じます。
(2mくらい下ですけどね)
 
厳冬期にはなかった感覚。
春の兆しです。


※長くこの仕事をしていると「きょうはおかしい」「いつもと違う」という、わずかな違いを感じ取れるようになります。
こういう動物的な感覚は、
「危機回避」に役立っていると確かな実感があり、
まったく科学的ではない「アウトドアマンの勘」ですが大切にしたいと思っています。

きょうは十勝岳へ

2023年02月19日 | バックカントリーとパウダースノー
毎週水曜日と木曜日、土曜日と日曜日、
十勝岳連峰の各地で初級バックカントリーツアーをやってます。

気がつけばシーズン折り返して
冬もあと僅か。
きょうは春を思わせるような暖かい1日でした。
冬が名残惜しい…

山で食べるおにぎり、最高!

積極的には宣伝を行わず、こっそりwebだけでお知らせしていましたが、
意外や意外、
参加者なし不成立の日はほとんどなく、3月までびっしり日程が詰まっていますが、
定員は5名に絞っていますのでプライベートツアーのように楽な気持ちで出かけることが出来て毎日楽しい!
古いお客さんもみんな戻ってきて、学生時代の友人との再会みたいで楽しい!

こんな感じで来年も続けて行けたらいいなと思っています。

ebikeのレンタル予約が入り始めました。
いつまでも冬の気分でもいられなくなってきました。
春からは忙しくなりそうです。



天然の雪洞

2023年02月12日 | バックカントリーとパウダースノー
きょうはヤマでは雪がやや激しく降るような気がしたので、
「天候急変!ビバーク決定!」
という想定でバックカントリースキーツアー。

原生林の奥深くにあるヒミツの天然雪洞を
目指しました。

今シーズン2回目の利用。
10年くらい前に偶然見つけた天然雪洞です。
原生林のなかにあるので、自分でもなかなか見つけるのが大変だったりします。
 
外から見ても地下空間の存在はわかりません。
 
地形とエゾマツと積雪が偶然作り出した半地下構造の雪洞の中は思いのほか広くて、
ほぼ円形。
3〜4人用のテントが張れるくらいの広さがあり、ドーム状の天井なので竪穴式住居かイグルーのような雰囲気。
詰めて座れば10人程度収容可能かと思います。
緊急時には本当にビバークが可能な天然の雪洞です。
 
ただ、本日の山小屋天気予測はハズレ。
 
曇り空ながら視界も良く雪も上々、
後半はビバークどころか大きく遠回りして森歩きをでっかく楽しむこととなりました。
 
ただ、ヤマからの帰り道は予想通りのボタ雪吹雪になってしまいましたが、下界に降りてきたら嘘のように美瑛は晴れていました。
 
まあ、よくあることですね。