先日、やってしまったんです。
たぶん、開業以来初めてだと思うようなミスを。
電動クロスバイクの返却に戻ってこられたお客さん、
「あの、後のブレーキが…」
見ると、ブレーキパッドが緩んでいるではないですか。
グラグラになったので手締めして戻ってきたと言う伊藤健太郎似のお客さん。
ご、
ごめんなさい!
それは完全に自分の整備ミスでした。
おい俺!
現役の旅チャリダーじゃなかったのかよ!
何やってんだ!
そのブレーキパッドは新品だったので、
たぶん先日の交換作業の際、仮止メ(ボルトを軽く締めただけ。固く固定していない状態)のままだったと思われます。
整備作業の最中に接客や電話などに出たりするとやりがちです。
作業に戻ってきたときに仮止メだったことをすっかり忘れてフィニッシュした可能性大。
しかし、ブレーキだけに重大インシデント。
俺としたことが。
何やってんだよ俺!
「整備は念入りに。特にブレーキ」がモットーだったのに、なんてこった。
自分的には極めて重大な、ショックな出来事でした。
伊藤健太郎さんには申し訳ないことをしてしまいました。
でも、
ボクが動揺してオロオロしている間に、
十分な詫びも言えないまま、爽やかに帰られてしまった。
本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ぬーん。
いまだショックが抜けません。
美瑛の丘サイクリングを支えるガイドの山小屋の電動自転車は、大容量バッテリー搭載はもちろんですが、
「曲がる、止まる、走る」
美瑛で一番安心して利用できる整備を目指しています。
文字通り手を機械油で真っ黒にしながら整備に励んできました。
目には見えないところですが、
これは、すごく大事。
あるんですよ。割とよくあるんです本当に。
「美瑛の丘、下り坂で止まれなかった」件。
「自転車のひとが転んで怪我してるよ、おたくでしょ?」
そんな電話がしばしば掛かってきます。
何はともあれ駆けつけてみたらそれはウチのお客さんではなく、自転車は他店のもので、そのブレーキがスカスカだった。
怖すぎます。
見た目はきれいだけど十分に整備していない自転車は、割とあるかもしれません。
「でも自分は大丈夫」
先日は、そういう過信が完膚なきまで打ちのめされた出来事でしたので、
これからは初心に帰って、今まで以上に慎重を期すことを決心しました。
さて。
これは、ママチャリ型、スタンダードな電動自転車のブレーキです。
工具はこれ一本。
8ミリと10ミリの両口スパナ。
まずは8ミリを使ってワイヤーを緩めます。
それから10ミリを使って
ブレーキパッドを取り外します。
上が外したブレーキパッド、
下は新品のブレーキパッドです。
外見のパッと見、まだまだ使える、という印象でしたが実際にはこんな状態です。
かなり擦り減っていることがわかります。
よく見ると、まもなく金属の下地が剥き出しになるところでした。
金属の下地が出ると急にブレーキが効かなくなります。
新しいブレーキパッドに交換が終了。
これだけで、一気に新車時のクオリティが戻ってきました。
よく走り、よく止まる。
当たり前のことですが、
気持ちいいサイクリングには欠かせません。
整備は日の当たらない地味な作業ではありますが、
現役旅チャリダーのプライドをかけて、
より一層頑張ろうと思っています。