角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

圧倒的なリアル&シリアス路線!! マニア向け「007スカイフォール」

2012-12-03 16:26:29 | 映画
いやいや、観てまいりました007最新作「スカイフォール」!!
凄いのなんのって、今回はストーリーで魅せます。


まず、往年の荒唐無稽なアクションを基調とした007を期待して見に行くと、この映画はがっかりすると思うんですね。
近年のリアルなスパイ映画の影響を受けたのか、本当にシリアスな人間ドラマを見ているような気がしてきます。

映画冒頭はど派手な列車アクションから始まり(任務失敗)、さすがは007というオープニング。なんかね、ここが唯一の007らしいシーンと言えるかも。

(Mの判断ミス?により)NATO工作員の名簿は盗まれ、負傷した007は死んだと思われ酒びたりの生活。

 M(ジュディ・ディンチ)もこの任務失敗により引退を勧告させるどころか、MI6(情報部)そのもの存在意義まで問われることに。
Mとしてのジュディ・ディンチはこれで7作目
M:J・ディンチ

復活を決意するジェームズ・ボンド(ダニエル・グレイグ)なんですが、不摂生な生活がたたってか、肉体的にはもうボロボロ。

ハイテク世代の新Q(ベン・ウイショー)にまで小馬鹿にされ、中年男の悲哀を味わうことに。
新Q:B・ウイショー

 そう、この映画において007/ジェームズ・ボンドはヒーローでも何でもないんですね。
 むしろ、古巣MI6(情報部)とともに、時代遅れの遺物みたいな感じで扱われます。

 んで、今回の敵は、なんと過去のミッションでMに見捨てられた、英国情報員で、Mに恨みを晴らすためだけにサイバーテロを繰り返す、元00(ダブルオー)エージェントのシルヴァ(ハビエル・バルデム)。あの「ノー・カントリー」で凶器の殺人鬼を演じた怪優です。

これが、もう妙にリアル。敵ももう世界征服をたくらむなんて威勢のいい大ボラふきなんか登場しません。時代も小さくなったものです。
ハビエル・バルデム(右)

 でね、要はMにより見捨てられた、この元00(ダブルオー)と007が、Mをめぐって争うわけ。つまり、命を狙う者と守る者に別れて。
 なんか、子供のころのボンドの親のことにもドラマは触れており、この映画の脚本はMを疑似母親に見立て、二人のバカ息子の戦いを描く構図になっているんですね。ここがこの映画の肝と言えるでしょう。

 そして、ボンドはロンドンでの敵との攻防の直後Mを連れて生まれ故郷のスコットランドはスカイフォールへ向かいます。
地の利を生かして敵と決着をつけようというわけ。

ここで、ボンドカーのシンボルと言える「アストンマーチンDB5」が登場するんですが、もうカッコイイ。
もちろん、「アストンマーチンDB5」も大活躍。 「ゴールドフィンガー」へのオマージュでしょう。
007とアストンマーチン

 オマージュいえば、マカオの賭博場(大王製紙の社長が100億円摩ったところ?)で、ワニをめぐっての攻防は「死ぬのは奴らだ」を思い起こさせ覚ます。


さて、日本人にとってうれしい(?)ネタが二つ。

 一つは長崎県の「軍艦島」が登場するシーン。外観だけなんですが、ドラマではテロリストたちの本拠地として描かれ非常に重要な場所として描かれています。しかも、クレジットでもデカデカと日本語で紹介されています。

 二つ目はMI6(ブリティッシュサービス)を支えるハイテクマシーンは、サムスンでも、アップルでもありません。そうSONYなんですね。
 今や斜陽のSONYですが、映画はコロンビア(ソニーピクチャー)のため、登場するPCはすべてVAIO。そしてボンドが使う携帯もバッチリXperiaです。ボンドワールドにはギャラクシーもi-pohneも登場する余地などありません007映画=SONYマンセー!!の構図になってるんですな(笑)。
 まぁ映画ではMI6(ブリティッシュサービス)そのものが時代遅れの遺物として査問委員会で相当たたかれるんですが・・・・・。

長崎県軍艦島

 さて、ここからちょっとネタバレになっちゃうかもしれませんが、映画の終盤原作により近い新M(マロリー卿)や意外な新(?)マニーペニーが登場し、007ファンをニヤッとさせます。
(このブログ冒頭のスカイフォールポスターに全員登場しています)

  歴戦の勇士のジェントルマンM、ハイテク青年のQ、ダブルオー課の秘書マニーペニーなどのお馴染みの登場人物に加え、ワルサーPPK、アストンマーチンDB5などの兵器、ギャンブル、ボンドガールなど地味なアクションながら、ドラマでじっくり魅せる007ワールドを是非劇場でご覧下さい。

 なんだか、SONYとTOHOの宣伝マン観たいですが・・・・



最新の画像もっと見る

コメントを投稿