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系譜に見る素堂

2024年07月15日 05時49分37秒 | 俳諧 山口素堂 松尾芭蕉

系譜に見る素堂

 

  • 歴代滑稽傳 許六著 正徳 五年(1715)

素堂七十四才。 江戸 山素堂は隠士也。江戸三吟の時は信章と

云。幽山八百韵は来雪と云。芭蕉翁桃青と友トシ善シ。後正風の

体を専とす。

 

  • 綾錦 沾凉編 享保十七年(1732)

祖 北村季吟----素堂 山口今日庵。始ハ云信章又来雪トモ云。

享保二申八月十五日卒。齡七十五 住本所 有墳谷中感応寺

 

  • 誹諧家譜拾遺集 丈石編 明和八年(1771)

祖 松尾芭蕉----素堂 山口氏稱 今日菴トモ  名信章

號来雪 住東府 享保二丁酉年八月十五日歿。齡七十五。

 

  • 連俳睦百韻 寺町百庵著 安永八年(1779)

山口太郎兵衛  信章 来雪    来雨 素仙堂―仙=素堂。

 

  • 甲斐国志 松平定能編 文化十一年(1814)(別記)

祖 北村季吟----素道(堂)山口氏。

信章  来雪 字、小晋・公商

 

 

  • 蕉門諸生全傳 曰人編 文政中期(1818~30)

甲斐酒折産也 神職ノ人也 葛飾隠士 信章斎来雪

號山素堂 性巧俳句及詩歌而 名品其矣。

享保元年八月十五日歿。法名廣山院秋厳素堂居士   

碑面 本所中ノ郷原町東聖寺松浦ヒゼン守隣ナリ

 

  • 俳家大系図 春明編 天保九年(1839)

祖 北村季吟----素堂 山口氏名信章 

字、子達・来雪・復白蓮 享保元年八月十五日谷中感応寺

 

  • 葛飾蕉門文脈系図 錦江編 嘉永期(1848~5)   

祖、山口素堂

 

  • 葛飾正統系図 錦江編 嘉永三年(1850) 

祖、山口素堂

 

 

 

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山口素堂 三十三回忌 摩訶十五夜 山口黒露 撰

2024年07月15日 05時26分39秒 | 俳諧 山口素堂 松尾芭蕉

山口素堂 三十三回忌 摩訶十五夜 山口黒露 撰

 

かつしかの素堂三十三回正当八月十五日、

こゝに三夜の月下に懐旧の微志を年内奉る

 

十四夜 黒露

 

此の暮の翌にも似たり月の顔       黒露

    しら樫の葉の露のとく/\       馬光

西瓜ひとり冬の隣にはらはふて      寥和

      裸も紺の奴なりけり                   露

たった今掃た所を足駄かけ                光

    茶湯になれは椴か高過         和

六月の露もツ物は貝わか菜        露

    鴻立てゆく跡の羅僧寺         光

直もせすに踏ちらしたる竹筏          和

    婿とよふ名もことし一はい       露

酒はちと気に入らねとも二町まち     光

 まり子の宿もそこにはり有       和

三捨て鐘はすとんとくれ六ツ       露

 爺と嚊(いびき)とて柴木たはねる   光

あの笠はどこへ役者のしのぶ摺      和

 さて/\色の黒いまんちう(饅頭)   露

結構な花の月夜を下り舟         光

 はやほとゝきす春はくれ行       和

蝶々の尻も小まめにいま参り       々

 箸のころんだ事にさへ灸        光

二石めはとこへもたらぬ比丘尼寺     露

 南嵯峨ても踊る宵/\         和

もろこしの葉も人なミに秋の風      光

 暮るけハなし蜩(ひぐらし)の月    露

袷て百社まいりハ皆うは気        和

 若衆くるひも貞享のころ        光

仙台の芭蕉か辻の呉服みせ        露

 継さほそうき旅の三弦         和

汁の実も取らせす雪の降かゝり      光

 帰京の事は夢しやないかと       露

かんきんも長し雪隠も又長し       露

 死ぬな/\宵御意は忘れぬ       光

三崎もけふは比目の花さかり       和

 古道具屋の桃の投入れ         露

出替りの洗濯をして居たりけり      光

 三人なから笑ふ不拍子         和

 

   十五夜 祥忌

 

名月や茶杓も流れなみた川       黒露

    みのむしの音をあか素堂尊

松茸の松葉に京の恋しくて

    おもしろ気なき廿畳敷

比比独吟をつづり置しか、ことの葉のふり行秋の夜の長/\しさをと、

こゝに出さす

 

   十六夜

 

比くれのきのふに似たり月の顔        黒露

   三十三年色かえぬ松          大梅

鳴子引猪追ふ人と咄して            々

   酒にあふては田も畦もやろ        露

あかろふと思ふて雨かぬける程         露

   今白いなら南天の花           梅

医者よひに遣り戸ひらりと押開き        々

   とけて結へは又解て帯          露

山鳥の長く寝て居て地蔵経           梅

   瓦灯へあてる入日淋しき         露

木からしの出物店を吹て行           梅

   鬢(びん)も羽織も肥後のつき兀     露

三弦を猿に合せて出来しぶり          梅

   浅草川の浅ましの世や          露

衝立の花といふ字に墨五升           梅

   干鱈の雪にかき鯛の雪          露

とろ作の旦那を肩に睦み月           梅

   沖も静にくれる牛町           露

仕舞た屋こくらに高き木を植て         々

   秋舟のやうな検校の耳          梅

神にせい十五童子はおもしろい       露

   さんざめかして加賀の米船        梅

色も香もかまはぬ縞の木綿夜着       露

   是か大夫か哀れなりけり         梅

竿にゐて盥(Tらい)をのそく鷦鷯       露

   江湖の間/\しん(森)/\       梅

棚つるとすくに大工はうつ走る         露

   あふき立たる鰯てんかく         梅

橋ひとつ越せは常住月夜にて          露

   壁にふらりとかゝる鹿笛         同

隠居して遊ひの岡の芋はたけ          梅

   坊主たたみを掃ちきるらむ        同

ほち/\と穴の明たる灰ふるひ         露

   何ンの事にもたゝ暦好き         同

桜ちる草の庵の草の餅             梅

   その古池も夏を隣に           同

    諸君雪月花秋草の句々を乞てここに祠堂の手向草とす

名月や光りに足らぬ艸の庵         馬光

名月や暮るゝとすくに朝日山        京 竿秋

ちと休めけふの月又翌の月         寥和

ほか/\と貝も月見るここかしこ      京 移艸

極楽をうしろに寺の月見かな        大梅

名月や三日月細ききのふけふ        故一

名月や昼より乾く魚の店          散木

明月や雲にけ高き額際           花屋

晩鐘や月のこよひの山かつら     甲陽 多方

三日月や一二の橋の聞より      豆州 露新

ちる花も揚言も憂し今日の月        訥子

明月や天のあたへの捨小ふね        蓮谷

名月や大名通る夜半の音          竹郎

    ゆき

今朝の雪鳥の動す羽化けり         故一

しら雪の道をひらくや初しくれ       散木

初雪や浪のとどかぬ岩の上      摂陽 淡々

    はな

鋤に肘川の向ひは花さかり         淡々

あそこへは行ぬ所か花盛り         訥子 

花咲や炬燵の山は兀るころ      豆州 羅竹

門たてに出てけふの日も散桜        馬光

花に行しるへつたひや村山家        笠秋

四方から花に咲るゝくぬ木哉     甲陽 呑舟

友達に花を咲せて柳かな          大梅

花の山坐頭を使者にやりにけり       竹郎

    ほとゝきす

杜鵑通夜のまくらは扇かな         青峨

薮原はまたやふさがそ郭公         雨洗

橙の庵も匂へりほとゝきす      甲陽 麦鳥

ほとゝきす集て百はなかりけり       故一

来年のいつか又けふ郭公          訥子

山里や啼ぬ日も耳に時鳥       駿州 風耳

月雪の魂飛ふやほとゝきす         大梅

子規はけしき雨をやり過し         馬光

孝行の鍬は田螺(たにし)か花の雪     柳居

宿とする一木定よ時鳥           宗端

船頭の艪を横たへて月見哉         珪林

 

   右三章は三十三周のころ?やらむを、

去り給衿ひし故見て来し句々を書記

 

   其のころの秋かた、三吟両吟相催せし雅主ははな我を一人捨て遠く行給ふに、

猶遠く近く知音の方々より供し物とて贈り給りしも、其の花句ひ残て非人なし、

其の人をしたひ其の句其の世を思ひ歎に絶たり、其の比にこと成へきを、

彼貧しさに故障のあらましさへ打添てやゝ今こゝに呈す

    所思

須磨寺は寂しき花の盛かな           賀明

雷に落花みちんやすまの花           黒露

名月や物思ふ目にわきかへり       遠州 奈桐

聲はかり洲崎を飛や月の鷺        豆州 里杏

明月や猿下りて来るみねの松          半宵

名月や逆さに投る猿おかせ        館林 腹這

よくみれは雲ゐの底にけふの月         泉川

名月やあらはに葛のうら表           卯雲

数ふれは月は車のくるまかな       摂陽 富天

こよひ又名にもあふむの桂かな       京 楚嵐

初雪や掃除して待木々の枝        甲陽 明太  

はつ雪や桃にとまれはもゝの花         魚道

煤けたる行灯出して雪見哉           黒露

名月や田の面の水に底はあれと         買明

貧になる野を引立たけふの月       駿河 鴈州

三十日より三日そことし花さかり     尾陽 鉄叟

うくひすや桜にうつる梅の宿          里杏

灸すえし其山の端やほとゝぎす         素桐

うくひすハ月星や闇に郭公           菊友

岩くらの雲ハ旨いかほとゝきす         文尺

聞ぬ聞は歎きの森そ時鳥            坊芹

けふの月案山子も影に問れけり         明太

月ほとに朔日二日ほとゝぎす          文尺

木曽賂のや有明月に咲さくら          帯雨

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