唐突に、気付いた。
じつはここには何も無かったのだ
そして今も何も無い
これからも何も無いのだ
生きる事、生きようとする事、生きている事は
これらに刃向かう
牙を剥く
僕は波打ち際に立っている。
虚無は真空の引力で僕を引っ張る
そこに死神の魅力がある
君がそこにいて僕の側に居ないように
僕もまた、ここに立っている。
その事に気付いていなかった
ただ、それだけの事
死に対する憧れは本来的に無意味な性質を持っている
生に対する拘りは本質的に意味や価値を求める
喪失と動機はどのようにあるだろうか
また、死は現象としての性質を持つだろうか
あるいは、生はうまれえるべき祝福を保つだろうか
問い掛けは さざ波のように
小さく穏やかに軽やかに
始まりの可能性
終わりの可能性
そして好奇心
海が母なら
父は誰なのか。