12月15日は観光バス記念日です。
1925(大正14)年の今日(12月15日)、東京遊覧乗合自動車により日本初の定期観光バスである「ユーランバス」の運行が開始されました。
この「ユーランバス」は、上野を起点として銀座・皇居前までの短い距離でしたが、当時はまだ娯楽の少なかった時代でしたので、大いに賑わったそうです。
しかし、国内の戦時色が段々と濃くなってきたため、やむなく1940(昭和15)年9月18日に運行を終了しました。
観光バスとは、観光を主目的としたバスの総称で、一般的に路線バスや高速バスと違う車体の車輌を用い、日数・時間・距離などに応じて1台ごとに貸切料金を得る方式で顧客や主催者の依頼に応じた行程で運行するものをいい、道路運送法では「一般貸切旅客自動車運送事業」に該当します。
この観光バスは従来は免許制で、多くは路線バス事業も展開している日本国有鉄道→JRバスか私鉄か大手専業系バス会社が貸切バス事業も行っていましたが、2000(平成12)年5月26日に道路運送法が改正され、バス事業自体が免許制から許可制に変わったことにより、貸切バスを中心に異業種や新規事業者の参入が相次ぎました。 そのため、競争が激化し、事業者の経営が不安定となり、乗務員は少ない人員による長時間勤務を強いられ、過労や賃金の低下など労働条件の悪化が指摘されています。
貸切バスの勤務時間は国土交通省の勤務時間等基準告示に定められており、1日の拘束時間は原則13時間以内、運転時間は2日を平均して1日当たり9時間以内でかつ連続運転時間は4時間以内と定められています。
また、貸切バスの高速道路走行を伴う運行では上記の「1日あたり9時間」に相当する乗務距離の上限は670kmと定められており、670kmを超えて運行する場合は、別の運転者を用意、つまり「二人乗務」としなければなりません。