12月20日は霧笛記念日です!
1879(明治12)年の今日(12月10日)、津軽海峡の本州側東海岸にあるレンガ造りの白亜の尻屋崎灯台(青森県下北郡東通村)に日本で初めて蒸気式の霧笛が設置されましたが、このことを記念して、12月20日は「霧笛記念日」となりました。
霧笛とは、霧、もや、吹雪などで視界が悪い時に、船舶に対し音で陸の位置や方向を知らせるもので、航路標識の一種である音波標識です。多くは霧が出やすく灯台の明かりが見えにくくなる灯台に併設され、その鳴り方(周期:音を鳴らす時間と止めている時間の組み合わせ)が信号所ごとに異なるため、どこから発せられているものか識別できるようになっています。 しかし、音を使うために風向きや付近騒音の影響をうけやすいという弱点があります。
近年は、船舶用レーダーやGPS(人工衛星による位置測定システム)などの航路計器の普及により、視界不良時においても測位が可能となったことから、海上保安庁は2007(平成19)年8月から霧笛を設置している霧信号場を順次廃止していき、2010(平成22)年3月31日に北海道小樽市にある日和山灯台が廃止されたことにより、海上保安庁所管の霧信号場は全て廃止されました。
ちなみに、日本で最初に霧笛が設置された尻屋崎灯台は、1998(平成10)年11月1日の第50回灯台記念日の行事として海上保安庁が募集し一般の投票によって選ばれた「あなたが選ぶ日本の灯台50選」に選出され、文化資産として重要な建造物とされています。
また、国際航路標識協会が選出した世界灯台100選に、日本からは5つの灯台が選ばれています(姫埼灯台、犬吠埼灯台、神子元島灯台、美保関灯台、出雲日御碕灯台)。