蘇る思い出-奈良県生駒市：生駒山上遊園地

Ikoma Sanjo Amusement Park, Ikoma City, Nara Pref.

さてさて、生駒山上遊園地を訪れたワタクシは、昭和レトロな園内を歩いていました。


昨今、遊園地というのは入園料が要ると思うのですが、ここの遊園地は入園料がいらないんです。
一つ一つの乗り物に乗るのにチケットを買ってもいいし、乗り放題チケットを買ってもいいようですが、中に入るだけなら無料なんです。
ワタクシのように、特に何も乗ることがない者にとってはありがたいですな。


展望台があったので、そこから大阪平野を見下ろしました。遠くに少し霞んでいますが、神戸の町まで見ることが出来ます。
ワタクシはこの場所に立った瞬間、間違いなく50年以上前にこの場所にいたことをハッキリと思い出しました。


ワタクシの両親はワタクシが子どもの頃、いつも働いていました。両親と一緒にどこかに遊びに行った記憶があまりありません。
その代わり、祖父と一緒に動物園に行ったり、大阪万博に行ったりしたことをよく覚えているのですが、
ここ生駒山上遊園地にも祖父と来たことを、この場所から大阪平野を見下ろしたことを覚えています。


祖父が亡くなったのはワタクシが小学校4年生の時ですから、ここに来たのは3年生の時だったのでしょうか。
今でも覚えているのは、この日の写真とは違い大阪平野は分厚いスモッグに覆われていました。
「おじいちゃん、大阪城も通天閣も全然見えへんなぁ」とワタクシは言い、大阪の空の汚さに驚いたんですよ。


祖父は明治生まれの厳格な人でした。曲がったことが嫌い、贅沢なことが嫌い、謹厳実直という言葉が相応しい人でした。
ワタクシはそんな祖父が大好きで、多くのことを祖父から教わったような気がします。


もうすぐワタクシは、祖父が亡くなった時の年齢になります。祖父はそんなワタクシを遠くから見てくれているんじゃないか、
今でもそんなことを思う時があるんですよ。亡くなった父にはそんなことを思わないのに、我ながら不思議です。


今、祖父に出会うことが出来たら、ちょっとは褒めてくれるかな。少なくとも祖父に恥ずかしくて逢えないような生き方だけは、
してこなかったかな。あの節くれだったゴツい手で、子どもの時のように頭を撫でてくれるかな。そんなことを思います。


祖父とこの遊園地に来た時に、この食堂もあったんじゃないかなぁ。祖父はワタクシと外出する時は、
食事の後に必ずお酒を少々飲むのを楽しみにしていました。「お酒なんか美味しいの？」と言っていたワタクシは、
すっかり酒飲みになってしまいましたわ。

使用したカメラ：FUJIFILM X-Pro2


祖父のお酒の飲み方は決まっていました。ワンカップ大関を一本だけ飲む、これが祖父の流儀でした。
祖父から多くのことを学んだはずの私ですが、お酒に関しては私はグビグビ、ダラダラと飲んでしまいますので、
お酒の飲み方は学ぶことが出来なかったようですな。


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