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世界の中の日本

「ああ無念」憎い日本のスパコン富岳、春に続き秋も世界最速「コリアは製作不可能」

2020-11-18 17:53:04 | 日記
勝又壽良のワールドビュー
@oGxbAl74XtEQ0Fw
好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

「ああ無念」憎い日本のスパコン富岳、春に続き秋も世界最速「コリアは製作不可能」

2020年11月18日

  

日本が開発したスーパーコンピューター「富岳」が、再び世界最速の性能を認められた。

国際スーパーコンピューター学会(ISC)が発表した「世界上位500台ランキング」で1位となった。

ISCは毎年6月と11月に計算能力を基準に上位500台のスーパーコンピューターのランキングを発表している。

日本は今年6月、9年ぶりに1位の座を奪還したのに続き、王座を守った。

富岳は6月の発表時点で1秒当たり41京5000回だった計算速度が今回は44京2000兆回に向上した。

最近の韓国は、頻りと「親日」を演出しているが、それは米国にバイデン政権が生まれることを意識した結果だ。

バイデン氏がオバマ政権で副大統領時代、日韓融和の象徴として慰安婦問題の解決に奔走し、合意に達した経緯がある。

文大統領は、その慰安婦合意を一方的に破棄したのだ。

バイデン氏に合せる顔がないだけに、何とか「日韓友好」を繕ってつくり笑いをしているに過ぎない。

そういう心境の韓国へ、日本の「富岳」が春に続いて秋も連続して世界一の記録を打ち立てると、心が穏やかなはずがない。

だが、韓国には自作のスパコンもないのだ。

韓国は、この日韓に見られる歴然とした技術格差を冷静に受け止め、「反日」の無益を知るべきだろう。

『朝鮮日報』(11月18日付)は、「日本のスパコンが再び世界トップ、韓国は製作中のスパコンなし」と題する記事を掲載した。

(1)「日本が開発したスーパーコンピューター「富岳」が再び世界最速の性能を認められた。

 2~4位はサミット(米国、14京8600兆回)、シエラ(米国、9京4640兆回)、神威・太湖之光(中国、9京3014兆回)の順だった。

上位500台のうち国別では中国が212台で最多。以下、米国(113台)、日本(34台)、ドイツ(19台)、フランス(18台)が続いた

コンピューターの歴史を振り返ると、日本の富士通が独自開発を始めると、米国から猛烈な圧力がかかった。

英国ですら断念したコンピューター製造を、日本がやれるはずがないという理由であった。

日米経済摩擦の始まった初期の話だ。

通産省(経済産業省)が、これを突っぱねて独自開発を支援した。

そういう歴史のある日本が、最速のスパコンを開発したのは当然のことである。

(2)「韓国は今回のISCによる調査で3台がランキングに入ったが、全て外国から購入したものだ。ランキング入りした台数は2018年の7台、19年の5台から減少している。

韓国政府は22年までに独自技術によるスーパーコンピューターを製作することを目標に掲げるが、その段階では主要国のスーパーコンピューターとの性能格差が1000倍以上に広がるとみられる」

韓国経済は、日本の技術と資本で不死身のように蘇った。

それは、自立でなく「日本の支援」という支えがあってこそ可能であったのだ。

日本経済の「コピー」である韓国経済が、その生い立ちを忘れて、「母親役」の日本へ刃向かっている。

それが、偽らざる姿である。

となれば、日本へ対抗するのでなく「協調」こそが生きる道のはず。冷静さを取り戻す時期である。

(3)「日本をはじめ、米国、中国、欧州など主要先進国は4~5年前から毎年数千億ウォンをスーパーコンピューターの開発につぎ込んでいる。

スーパーコンピューターがAI、新薬開発など未来産業の勝敗を左右するインフラとして定着したためだ。

日本経済新聞によると、米国は来年にも「エクサ」級(1秒当たり100京回の計算能力)を備えた「オーロラ」を稼働する予定で、中国もそれに匹敵するエクサ級のスーパーコンピューターを稼働する計画だという」

技術は、日進月歩の世界である。

油断していれば途端に追い抜かれる。

それが宿命であるなかで、日本がトップの座を維持することはどれだけ困難であるか。

コンピューターは、むろん半導体技術の世界だが、中国が日米に対抗するとは、不思議な気持ちがする。

中国の半導体は、「幼少期」であるからだ。


危機的状況でも崩壊しない中国共産党政権のカラクリ=何清漣、程暁農

2020-11-18 17:22:11 | 日記
中国政経分析

危機的状況でも崩壊しない中国共産党政権のカラクリ=何清漣、程暁農

2017年12月19日 12時46分

 何氏と在米中国人学者の程暁農氏は15日、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の時事番組に出演し、中国政治・経済の今後の見通しについて話した。

両氏が共同執筆した新書『中国:潰而不崩』(邦訳:中国-とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国”のカラクリ ワニ・プラス』は5月、日本と香港で発売された。

世界各国の専門家は、第2の世界経済体となった中国について、「中国脅威論」を支持する派と、「強い」中国経済が世界経済成長に有利だと捉えて「中国強国論」を支持する派に分かれる。

しかし、両氏の研究では、中国政治・経済は将来世界的な脅威にならない上、「強国」になることもなく、むしろ衰退していくと結論付けた。

中国が崩壊しない理由

何氏は、「すでに危機的な状況にある中国当局は、政権を崩壊させないために、2つのことを行っている。

一つ目は、政権の合法性を確立させるために、経済の発展に力を入れていること。

2つ目は、経済拡大と同時に、統治集団に富と利益の独占を認めること」と話した。

「中国当局が経済を発展させたと同時に、各種の社会問題も山積した。経済が拡大する各分野に、国民の生存権が奪われている状況がみられる。

たとえば、当局が不動産産業を繁栄させるために、農村部では強制土地徴用、都市部では強制立ち退きを実施する

「1億人以上の農民と数百万人の都市部住民に、(収入源の)農用地と住み家を失わせた。

汚染化学物質を排出する企業と地元政府が癒着することで、地方政府の財政収入が増え、官僚の懐に賄賂の金品が入るのに対して、土壌の汚染が深刻化し、全国の至る所に『がん村』が現れるようになった」

何氏によると、近年中国国民による大規模な集団抗議事件の直接的な原因は、強制立ち退きと環境汚染問題だ。

一方、軍と警察当局を投入して抗議事件を鎮圧するため、中国当局がこの8年間に使った「国家安全費」は、国防費とほぼ同水準になっている

程暁農氏は、「国家安全費」の拡大によって現在中国各地方政府の財政が圧迫されていると話した。

過去4年間、中国31の主要省・市のうち、上海市、広東省、北京市、浙江省、江蘇省、福建省が財政的に黒字だが、残りはすべて赤字だった各地の地方政府は中央政府の資金援助に頼っているという。

また何氏は、一つの政権が崩壊するには4つの条件があると話した

1つ目は、統治集団の内部にし烈な闘争が起き、最高権力者がそれをコントロールできなくなった時である。

2つ目は、国民と政府との対立が深まり、政府が国民の不満を弱めることができなくなった時である。

3つ目は、政府の財政が枯渇し、膨大な国家安定費を支払えなくなる時である。

4つ目は、外敵が進攻してきた時だ」

1から3までの条件について、現在の中国共産党政権はその兆候がすでに現れているが、その状況はコントロールできているため、まだ政権崩壊には至らなかったという。

さらに何氏は、中国共産党が崩壊しない理由の外的要因として、中国社会で大きな混乱が起きることを、中国の民主化に唯一圧力をかけられる米政府が好まないことを挙げた

程暁農氏:道徳の崩壊は最大の問題


何清漣氏と程暁農氏は同著書において、中国の現状を打開する糸口は「地方政府の自治」だ、と提案した。

清王朝の末期に辛亥革命が起き、その後アジア初の民主共和制国家「中華民国」が誕生した。

両氏の研究では、この革命の後、中国社会に大きな混乱はなく、順調に中華民国に移り変わったことがわかった。

「背景には、清王朝が1905年に実施した『地方自治章程』との新政策と関係する。

政権の崩壊を予測した清王朝は、社会安定を図るために地方自治を導入し、地方の名士に一定の自治権を与えた」

両氏は、地方自治の前提は私有財産権を尊重することだと示したうえで、

当局が地元の住民に選挙権、報道の自由、教育機関設立の自由を与えることも重要だと強調した。

地方自治の下で、中国各地の地方政府は各地の経済・資源の状況に応じ、各自の発展方針を模索できる。

何氏らは、現政権も清王朝と同様に、「中国共産党政権後の中国」のために、地方自治を導入するべきだとした。

しかし、程暁農氏は楽観的ではないようだ。

最大の原因は、現在の中国人の道徳水準の低さだという。

「中国共産党は、中国伝統文化と中国人の固有の道徳観を破壊した。

今、人々は金もうけばかりを追求し、利益のために平然と人を傷つける。

人との間に信頼関係を全く築けない。将来中国が民主化を実現しても、依然多くの困難が立ちはだかるだろう」と懸念する。

 


何清漣 職業・肩書経済学者

2020-11-18 16:59:52 | 日記

何清漣何清漣経済評論 | 大紀元時報何清漣経済評論 | 大紀元時報

職業・肩書経済学者

生年月日1956年

出身地中国・湖南省

専門中国経済

学歴湖南師範大学卒,復旦大学大学院(経済学)修了

経歴中国出身の女性経済学者。

深圳市で中国共産党委員会の宣伝部に勤務。

のち「深圳法制日報」の記者、編集者となる。

1998年「現代化の陥穽」を刊行

共産党一党独裁下の市場経済化がもたらす貧富格差失業国有財産流出など固有の諸問題について分析してベストセラーとなり、経済学者として中国内外で知られるようになった。

2000年3月「中国現代社会の構造の総合分析」という論文当局から迫害を受け、2001年1月事実上の亡命の形で渡米

2002年同論文の日本語版「中国現代化の落とし穴」を出版し、来日も果たす。他の著書に「中国の嘘」「中国の闇」「中国高度成長の構造分析」。


★韓国映画「国家が破産する日」 — 中国の偉い人は見るべきです  2019年1月6日

2020-11-18 16:37:23 | 日記

 

  • ★韓国映画「国家が破産する日」 — 中国の偉い人は見るべきです  2019年1月6日

    by  • January 6, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

    日中両文収録「何清漣 2017中国」Amazonで発売しました;20152016Amazon改訳版を電子ブックで。Kindle Unlimited なら無料です
    何清漣氏の2015~2017までのエッセイ改訳版

      この1月4日、中国中央銀行は、またしても預金準備率を下げることによって、新たに8千億人民元を生み出しました。これは、去年から5回目の、信用拡大策です。中央銀行は既に4度、銀行の預金準備率を下げ、数千万米ドルを銀行の借款としました。中国国内の実体経済は、とっくに悲鳴を上げているので、この新たな信用は、必然的に実業ではなく、昔ながらの虚業、つまり不動産市場、株式市場に流れ込むでしょう。

     「リーマン・ショック」の話を指摘しても、中国人は、あれは西側で起きた話だと思っていて、あまりよく知られていません。しかし、韓国では、1997年のアジア通貨危機から20周年を記念して、「国家が破産する日」(以下「破産の日」)という映画を作り、破産直前の一週間の光景を映し出しました。これなら、中国人が見れば、なんだか似たような光景を知ってるような気がするでしょう。中国の指導者たちの参考にすると、あるいは大変現実的な意義があるかもしれません。

     ★「国家が破産する日」は中国の現実の簡易版

     「破産の日」の最初のシーンは、韓国が「4匹の竜」として成功し、国民が「漢江の奇跡」の繁栄、経済協力開発機構(OECD)加盟、冬期平昌オリンピック誘致成功、国民所得の1万ドル超えを祝っているところから始まります。この一切が、韓国が歴史上始まって以来の豊かで満ち足りた状態にある象徴的な出来事でした。人々は誇りに満ちて、未来を信じて、懐のお金は全て債券など各種の金融派生商品につぎ込んでいました。これは、この10年の中国の情勢と変わりません。ただ韓国の「4匹の竜」の繁栄期間は、はるかに中国の繁栄の年月より短いものでした。

     繁栄の頭上に黒雲が集まって来たのは、タイ国から始まったアジア通貨危機が韓国にまで及んだからでした。まず、外資が撤退し、韓国銀行の外貨準備高が急速に減少し、米ドルと韓国通貨ウォンの交換レートが1;800を突破しました。政府は外資とドル交換延期措置を交渉しましたが失敗。為替レートが維持出来なくなり、金融恐慌が拡大、銀行の資金ショートが起こり、まず、中小企業が破綻し、のちに大企業にまで及びました。中小企業のサプライヤーの資本がぶっ飛び、企業の門前には、群衆が押し掛け説明を要求しました。中小企業経営者は資金繰りがつかず、工場を倒産させまいと、次々に自宅を売りに出しましたが、誰も買おうとはしませんでした。こうしたことは中国では、この数年常態となっています。

     唯一の違いといえば、両国の外国為替管理体制の違いで、韓国の外為市場は開放型で、為替レートが市場によって決定され、政府が外貨流出を心配しても為替決済を停止出来ないのに対して、中国は政府管理下の為替管理フロート制度をとっており、各種の強制的、半強制的なやり方で、外貨流出をコントロールし、外貨不足の事態にはならない点です。

     同じアジアの国同士という点でも、韓国と中国は大変似たような社会現象があります。政府が人民に不利な情報を隠蔽し、民衆が政府には危機に対応力があって、国家破産などさせないと盲目的に信じています。今、中国人は、皆、政府を恨んでいますが、それでも、政府には危機をコントロールする能力があると信じています。

     ★韓国政府はどうやって政府破綻を免れた?

    「破産の日」は主に四つの層から、韓国金融危機の1週間を描きます。

     第一のレベルは、名女優のキム・ヘス演じる韓国銀行通貨政策担当グループの長である韓詩賢を代表とする金融官僚です。映画の中で、彼女は、国家を破産させ、債務を延期させ、日本などと通貨を互換させて中小企業を救おうと提案します。願望は麗しい理想なのですが、事実上、根底的に不可能です。というのは、国家が破産したら、韓国経済を支えている大企業の輸出は失われます。消費者相手の中小企業に韓国経済を支える役割は期待出来ません。映画でこうした状況を入れたのは、韓国人の反米民族主義的な気分を表明させたかっただけでしょう。

     第二のレベルは、政府の中の財閥の利益を代表する官僚で、彼らは今回の危機を、冷たくかつ現実的に見つめています。冷たくという意味は、危機爆発の原因を広大な国民の過度の消費だと見なし、、危機を口実に社会経済構造の再編成をたくらんでいるからです。

     映画は大量のシーンを使って生き生きと、この金融官僚内部の力と力の対決を描きます。芸術作品という角度から見れば、韓詩賢は一種の弱い民衆の精神を体現しています。しかし、この人物とその主張は、虚構でしょう。というのは韓詩賢の主張は、根本的に危機の対応策になっていないのです。そして、中国にこれは絶対にないと確信します。中国の体制の下では、国家を破産させるなどいう構想は不可能ですし、そんなことになるとすれば、もう国中が破産した後の話でしょう。

     危機が露わになって以後、韓国政府は、中小企業の犠牲の上に、大企業保護を選択し、平民を危機の深淵に陥るままにします。映画の第三のレベルは、社会の情景を描きます。つまり、中小企業経営者の甲秀が代表する金融危機の被害者です。他にも、命を軽んじ、海に身を投げたり、自宅で首吊り自殺する鄭社長ら民衆の被害者が登場します。統計によれば、1997年の韓国の自殺率は、前年より42%増加しました。ここ数年、中国の中小企業の社長が資金繰りに困って破産し、P2P金融の100万人近い中小投資家が、元手を無くし金融難民になりましたが、その中に、きっと自殺者がいることでしょう。

     第四のレベルのシーンは、この危機を利用して儲けようという投資家(投機家)で、国家破産の臭いを嗅ぎつけた尹正学です。危機到来のまさにその時、鋭くもこの運命の転機を逃さず、階層を上がるチャンスと捉え、証券会社を辞めて独立して投資家になります。その結果、まさに予想通り、政府は国際通貨基金(IMF)に救援を求め、大財閥の利益はいささかも損なわれることはなく、かつ本当に大財閥が韓国経済を独占する経済モデルとなり、この危機を安全に乗り切っります。逆境を大胆な賭けによって、尹正学は富豪になります。中国の体制ではこの尹正学のような「国難を利用してのし上る」存在は許されません。株式市場で問題が起きれば、プライベートファンドのスターだった徐翔は牢屋入りさせられます。外貨が流出したら、資本の大ワニだった蕭建華や呉小暉も牢屋入り。海外の資産も残らず売り払って、銀行の借金を返済させられています。

     P2Pで騙し取った金を持って逃げらおおせたのは、ほんの少数に過ぎません。金は集めたものの、逃げ損なった連中は、しっかり政府に監視されています。P2P爆弾が破裂した後、深圳や上海など、かつてネット金融の幹部だった連中は、裁判所や検察によって「教育」を受けさせられ、監獄を見学させられているといいます。しかし、こうした状況は、金融難民に被害金を取り戻す交渉の余地を与えはしても、災難自体を軽くすることは、全く出来ません。

     ★中国にそっくり、韓国危機前の銀行体制

     中国と韓国の政治体制は異なりますが、しかし、経済体制のコントロールという面では多くの共通点があります。

     1960年代、韓国政府は、商業銀行に対して、大規模な国有化を行いました。あらゆる銀行のトップは政府が任命し、政府と企業間の水面下の協議で、銀行貸し付け規模と方向性を決めました。1970年代から、韓国政府は、大量の政策的な借款を重化学工業を主とする大型企業集団に投入し援助。30社規模の巨大な企業グループに、韓国の8割の国内市場を独占させました。

     こうした国有銀行の重要な任務は、国有企業に低コストの融資を行い、低利で大型企業集団に政策的な借款を与えることでした。政策的な借款の占有率が占める韓国銀行の借款における比重は、1970年の47.5%から、1978年の59.1%になっています。こうした低利率政策と政策的借款は、商業銀行へのインセンティブとルールを捻じ曲げてしまいました。政府の保護政策の下で、韓国企業は高負債経営の道を選びました。彼らは、まず銀行からの借金で資産を買って、その資産を抵当にいれて、もっと大きな借金をして、「あべこべ」の与信管理構造を広げて行ったのでした。

     上述のような特徴は、中国にもまず大半が当てはまります。商業銀行は、ほとんどが全て国有ですし、少数の国有ではない銀行の株主も国有銀行か国有企業です。国有銀行の任務は、主に国有企業に有利なように政策的借款を与えることです。(中国財科院の報告では、国営銀行の貸金利率は民間企業のそれより1.5%も低い)。

     こうした低利の資金を得られるからこそ、中国の国有企業は全て、高負債経営、低利子で得た借金で、日頃から民営企業に貸し出して株や不動産バブルに転用しているのです。特に2008年のリーマンショック後の世界的な経済危機に際して、中国政府が4兆ドルのマーケット救援資金を出してから、国有企業に甘く緩い貸し出しを行うことによって、中国経済の繁栄を推進する借款の緩さときたら、全く止め度がありません。

     国際決済銀行(BIS)のデータによると、2008〜2016年の間、非金融会社への信用供与は、国内総生産(GDP)の95%から150%にまでなりました。長期にわたる健全な発展と金融の健康を保つためには、本来ならば国内企業の債務を減らし、とりわけ、債務の膨大な国営企業の債務を減らさなければならなかったのですが、中国政府はその逆の道を歩み、基準をどんどん下げて、バブルをますます膨らませ、韓国より更に劣悪な、あべこべの信用拡張構造を強制してしまったのでした。

     ★IMFは韓国を救えたが、中国は救えない

     「破産の日」は、こんな光景を描き出します。

     1997年、アジア金融通貨危機は、韓国経済を深刻な危機に陥れ、当時、韓国の外貨準備高はたった39億ドルぽっちになってしまいました。この難関を乗り切るために、政府はやむを得ずその年の11月にIMFに対して、550億ドルの緊急援助借款を申し込み、その代償として、韓国の経済政策は、IMFの関与と厳しい監督下に置かれることになりました。以来、韓国は「IMF時代」に突入し、通貨のインフレ、企業の破産、企業のリストラ、失業者が130万人に増え、自殺率が42%増えるといったことになりました。これら全てを、韓国人はIMF体制のせいにしています。

     1998年始め、金大中が大統領となってから、ずっと、うまずたゆまず金融、企業、公共機関と労使関係の4大改革を行い、経済の全面的な復興の鍵となる働きを推進しました。2001年8月23日午前、韓国中央銀行総裁の全哲焕が特別な文書に署名し、IMFに対する最後の1.4億ドルの返済を終えたと宣言し、韓国はようやく「IMF時代」に別れを告げたのでした。IMFはそれ以後、韓国への経済政策に干渉することが出来なくなったのです。

     韓国人は、IMF体制は、韓国に経済自主権を喪失させ、金融業の開放を迫ったと考え、国の恥だと思っています。韓国国民はかつて「義援金で銀行を助けよう」という運動を行い、22億ドルを集めました。こうした、難関を共に歩もうという精神は世界を感動させましたが、こうしたことは、中国政府には望むべくもありません。

     2018年に米・中貿易戦争が始まり、中国の官製メディアは、「全国民がこの困難、雨にも風にも負けないで避け難い挑戦に耐えよう」と呼びかけましたが、ネットでは様々な罵声と嘲弄を浴び、中共の惨敗を期待する声までありました。

    こう言うのは、別に中国人に愛国心がないと責めるつもりではなく、中共という盗賊型略奪政権が、国民の人権をすべて剥奪しておいて、「国民が共に国難に耐えよう」などというのは笑い話だからです。

     IMFの救援には大変厳しい拘束条件が付きます。被援助国は、これに対しては大いに不満があります。しかし、IMFに助けられるなら、まだ幸運なのです。1994年12月、メキシコ通貨危機に際しては、クリントン米大統領が政府から大統領基金の全財産をはたいて200億ドル、IMFが177億ドルなど、総計500億ドル以上を出して共同で救済に当たり、やっとメキシコの地獄と、世界の金融市場を救ったのでした。1997年のアジア通貨危機では、IMFは、韓国分を除いて、フィリピン、タイ、インドネシアに、それぞれ11億、172億、400億ドルの緊急援助借款を与えました。

     中国でもし通貨危機が起きたら、どこかの国際組織が助けてくれるでしょうか? 答えはノーです。2016年11月に、2008年のノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンはワシントンでの研究会で、米政府系海外向け放送VOAの記者の「中国経済が更に厳しい状態になったら、世界のその他の経済体は、マーケットを救えるか?」との質問に「出来ない。あれほど大規模だからといって、潰れないとは言えない。しかし、規模が大き過ぎてとても助けられない」と答えました。実はこの答えは分かりきったことで、中国の現有外貨備蓄総額は3兆ドルで、それでも危機が救えないなら、世界のどの国が、どの機関が、中国政府より多くの巨額資金能力があるはずもありません。

     「破産の日」の最後は、20年を経て、韓国が再び不動産バブルの苦境に落ち込んだことを描いています。これに比べて、中国の不動産は、世界で空前絶後のスーパーバブルです。「破産の日」は韓国のお話ですが、至る所に中国経済の影を見ることが出来ます。中国政府は、決して映画界に病的な経済をテーマにした映画など作ることを許しません。しかし、この「破産の日」は、中国の政策決定レベルの役に立つでしょう。分かりやすい内容で、映画に簡単に引き込まれます。

    大事なことは、この映画の英語名は「Default」です。つまり、直訳すると債務不履行、中国語では「結構鎖定」(構造的固着)です。(終わり)

     原文は;《国家破产之日》:中国决策层应看的参考片 http://www.epochtimes.com/gb/19/1/5/n10955832.htm

     原文は;《国家破产之日》:中国决策层应看的参考片 

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★経済衰退へ — 中国にカードなし  2020年5月26日

2020-11-18 16:00:43 | 日記
  • ★経済衰退へ — 中国にカードなし  2020年5月26日

    by  • June 10, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     中国では政府も民間もずっと「信念こそ生産力」を信奉してきました。  経済の苦境も、  天災も人災も、  国家の統計部門と宣伝部門が「夜明けの前は一番暗い」という宣伝で幻想を営々と作り上げてきたのです。 

     しかし、  今年は違います。  1994年以降毎年のように数値的なGDP成長目標を盛り込んできた政府の報告書で、  成長目標すら設定されていません。  この異例の出来事だけでも、  今年、  第1四半期のゼロ成長は継続するでしょうし、  中国政府は経済成長を押し上げる力に窮していることを表しています。 

     ★中国政府得意の景気刺激策が失敗している

     中国政府は、  27年間で初めてGDP成長率の目標を設定していません。  ウォールストリート・ジャーナル紙は、  「中国が40年間で最悪の経済収縮を経験した後、  中国の指導者たちが大規模な景気刺激策を打ち出すことを急いでいないので、  成長目標が設定されなかった」と主張しています。 

     これはいささか中国の指導者の忍耐力を過大評価してると思います。  今年の2月、  新型コロナウイルス流行の大変深刻な時期に、  習近平は仕事の再開を要求しました。  最終的には地方自治体が仕事の再開目標を設定したり、  工場が機械の空回しを余儀なくされたりしたのです。 

     私は、  大規模な刺激政策を採用しても、  もう元に戻れはしないと思います。  最近、  取材を受けた時、  何人もの記者から、  中国政府にはどんなカードが残されているか?と聞かれましたが、  私は「カードはない」と答えました。 

     中国経済について最も議論されているのは、  「4兆ドル規模の景気刺激策」(リーマンショック時の刺激政策)をもう一度やるべきかという問題です。  この議論は、  実際には無駄なのです。 

     約3年間、  中国は量的緩和政策、  通貨発行を行ってきました。  2018年には、  180兆元以上の中国の広範な通貨供給量(M2)残高を記録しています。  前年比8.4%アップ。  2019年には、  12月だけで、  1.14兆元の新元ローンは、  経済を刺激することはほとんどできませんでした。 

     中国政府の景気刺激政策は、  主に鉄道、  高速道路、  公共施設などのインフラ建設や不動産への巨額投資です。  しかし現在では、  鉄道、  都市地下鉄、  不動産ともに、  長らく過剰投資となっており、  地方政府や関連企業は巨額の借金を背負い、  投資しても過剰投資が増え、  政府や企業の借金を増やし続けるだけです。 

     中国の高額債務は、  国際投資界の大きな関心事であり、  ほぼ毎年のように問題となっています。  米・中貿易戦争の圧力で中国の年間成長率6.3%が2019年に「27年ぶりの低水準」を記録した後、  303%の債務が再び米英日の金融メディアの紙面を賑わしました。  識者らも中国の債務が極めて大きな危機の存在に同意しています。 

     こうした状況では、  さらに刺激を加えたところで「喉が渇いたから毒を飲む。  が、  渇きは止まらない」なのです。 


     ★「保六」から「六保」へ 世界のエンジンは生存にやっき

     今年、  中国の李克強首相は昨年のGDPの「保六」(成長率6%の確保)を「六保」(雇用、  基礎生活、  市場の主力、  食料・エネルギー安全保障、  産業チェーンのサプライチェーンの安定、  草の根活動を守る)と「六稳」(雇用、  金融、  対外貿易、  対外投資、  投資、  期待を安定させる)に変えました。 

     いわゆる「六稳」とは、  2018年に提案された経済ガバナンス政策ですが、  結果は満足のいくものではなく、  雇用、  対外貿易、  対外投資も安定していないため、  「六保」が追加されました。  しかし、  GDP成長率の目標が設定されなくなったため、  「安定的な期待値」が意味をなさなくなりました。 

    「六保」については、  政府の統治に関わる草の根レベルの運用を除いて、  いずれも国民の基本的な生活状況に関わるものです。  基本的生存条件の保全を国家の大政策として扱うということは、  実は基本条件保全が危機に直面しているということです。 

     中国共産党で3人の主席に仕えた「理論的指導者」である鄭碧眼が米国の外交政策について「中国の平和的台頭」という記事を書いて米国に対抗しようとしたのは2005年でした。  それから15年も経った今、  基本的な生存を守ることしかできないとはどういうことなのでしょうか? これに関しては長文が書けるでしょうが、  ここではあらましをみて、  原題にもどりましょう。 

     今回の新型コロナウイルスの流行は、  経済を高度に国外に依存しなければならないという中国の弱点をすべて暴露してしまいました。  「就業を維持する」は、  いったん海外からの発注を失えば、  中国企業の効率はがた落ちで、  失業がたちまち増えるということです。 

     「基本民生を保つ」は、  石油、  天然ガスなどの主要エネルギーの68%を国債市場に依存し、  小麦、  トウモロコシ、  大豆などの三大食料の絵画依存度は極めて高いということです。  2018年の政府発表データでは、  中国の食料自給率は、  82.3%前後で、  世界の安全基準90%をしたmわ割っています。  穀物自給率が95%前後に下がると、  国際関係が緊張し、  外貨準備高が減ります。  食料とエネルギーの安全保障が必須となります。 
     
     いわゆる「産業連鎖と供給連鎖の安定の温存」ですが、  産業連鎖とは中国製造業の国際需要、  供給連鎖とは、  原材料、  穀物、  エネルギーの国際的な供給連鎖を指します。  食糧、  電気、  ガス、  交通(ガソリン)などは、  人々の生活に関わるものであり、  「市場体を守る」(保市场主体)とは企業を守ることであり、  企業を守るとは雇用を守ることです。 

     中国は世界第2位の経済大国ですが、  外界への依存度が高いため、  泥ゴーレムのようなもので、  国際情勢が変われば非常に脆弱になるのです。 

      疫病が流行する前、  中国は経済グローバル化の旗手となろうとしました。  疫病が流行している間、  中国は疫病との戦いで世界をリードしのです。  しかし、  今、  各国からの外交的孤立に遭遇し、  中国は基本的な生存を維持するだけのところまで落ちてしまいました。 

     ★中国は海外市場を失いつつあり、  国内市場では内需不足が深刻

     中国の内需14億人を押し上げることができるとネット上ではいわれています。  これは、  中国の消費率が何年も一貫して低いということを理解していない全くの無知から来ます。 

     長年、  中国の投資、  外商、  内需を支える「3頭立ての馬車」の中で、  いわゆる内需が最も弱いのです。  内需が弱ければ、  消費は奮いませんから、  国内の最終消費率も低くなります。  2019年の消費率は高く、  関係機関は喜びましたが、  それでも57.8%です。  米国などの先進国の70%前後に比べて大きく下回っています。  なぜでしょうか? 中国の住宅支出が高すぎて、  他の消費を圧迫しているからです。 

     ここに中国の公式数字があります:2018年末、  中国の住民の負債は45.92兆元に達し、  2014年から154.1%増加し、  年平均増加率は20.51%で、  これは驚異的と言えるでしょう。 

     しかし、  同期間に、  総可処分所得は42.5%(年平均7.3%)しか伸びず、  GDPは41.4%(年平均7.2%未満)しか伸びませんでした。  過去5年間で、  中国の総住民負債は、  GDPや可処分所得の3倍の速度で拡大しているのです。 

     中国銀行監督管理委員会の郭樹清委員長は、  新たな貯蓄資源の約半分が不動産に投資されており、  多くの世帯が持続不可能なレベルの負債を抱えていると公言しています。 

     2018年、  住宅ローンは居住者の負債の56.1%以上を占めていいます。  住宅関連の債務が70%を超える 異常に高い家計負債は、  大きな金融システムのリスクを隠しているだけでなく、  中国人の消費力を著しく圧迫しているのです。 

     企業の操業率の悪さは、  中小企業を破産に直面させています。  中国の失業率は、  さらに深刻化し、  中国民衆の消費力は低下し、  内需を押し上げることが一層難しくなるのです。  (終わり)