「ロシア大統領プーチンのシリア空爆決意が、ロシア国民などの224人全員死亡につながった」、と思わせる事件が起こりました。
- 2015/09/30 ロシアがシリア空爆を開始
- 2015/10/31 ロシア機がエジプトで墜落、224人全員死亡〔エジプトのシャルム・エル・シェイク空港発、ロシアのサンクトペテルブルク行き〕
- エジプトのISが2回も犯行声明。ただしこれは未確認情報。
私は、残虐なISを正当化できませんが
- ロシアがシリアへ、一部「巡航ミサイル」なども使って空爆を開始してちょうど1ヶ月後にロシア機が墜落して、エジプト国内のISが犯行声明。
- ロシアのプーチンが見るに見かねてシリアのアサド政権を助けるべく反政府勢力〔ISなど複数あり〕を空爆し始めたとのことですが、「ロシアのIS空爆は見せかけ」であり、「実際の狙いはアサド政権に対抗する別の反政府勢力の空爆だった」、とアメリカ有志連合が唱えています。
- 結果的に、プーチン政権によるIS空爆が1ヶ月後のロシア国民224人の殺害につながった可能性があります。これからロシア国内では、一層の言論弾圧の強化と共に、必死で国民をなだめるプーチンの発言が見られるはずです。プーチンとしては、自分の決断を正当化しなければなりませんが、それが原因でプーチンの賤しい素性がばれてしまう可能性があります。
各国が、緊急の対策をしています。こちらによれば
- ドイツのルフトハンザ航空
- アラブ首長国連邦のエミレーツ航空
- フランスのエールフランス
の各社が、原因判明までシナイ半島上空の通過を中止し、その他の航空会社が、同地域の上空を避けて運航しているとのこと。
これは
シナイ半島の地上から発射されたミサイルによる撃墜の可能性を考慮してとった措置だと思われます。
ただし機内に持ち込まれた爆発物に原因があるとするならば、
「シナイ半島を回避」したのでは、心理的忌避感はわかるとしても、解決策とは言えません。
もっと航空機内へ持ち込む荷物の検査を厳しくしなければならないでしょう。
エジプトの検査態勢の不備を突いた
ロシア機攻撃テロだったのでしょうか、詳細は今調査中です。
ロシアのプーチンは、原因が究明されるまで「自分が爆撃を開始した相手の一つであるISが起こしたテロだ、とは率直には認めたくない」と思われます。なぜならば、
- 「ロシアのIS空爆は見せかけに過ぎず、実際は別の反政府勢力を空爆している」とする、アメリカ有志連合の指摘がありますが、そのISが起こしたとされるロシア機攻撃から自国民を守れなかったのであり、ロシアの言う「見せかけIS空爆」が仇(あだ)となってロシア機が攻撃されたこと。
- 一方でロシアは、ISによる犯行だとすれば、アメリカ有志連合に対しては「IS空爆はウソではなく事実だった」と、言えたことになりますが、そうすると、空爆したISから自国民を守れなかったことになり、大統領の立場が不利になります。
- まとめるならばロシアはシリア空爆に関して、アメリカ有志連合の攻撃をかわせたが、ISの攻撃をかわせなかった、ということになります。泥沼に足をつっこみ始めたロシア、というところでしょうか。
- 内戦の複雑さのあまり「中途半端」な空爆になってしまっているアメリカ有志連合と、ロシア単独(独裁政権はこうなり勝ち)による空爆の、どちらがいいのか。それとも誰もなにもしないほうがよかったのか。
- シリアのアサドが、国内問題を自力で解決できず外国に援助をもとめると、こうなってしまうという見本で、アサド独裁政権がプーチン独裁政権を引き込んだというところでしょう。
- もしもロシアに都合のいい結論が出たら、これを根拠にして、アメリカ有志連合の非を唱え
- もしもロシアに不都合な結論が出たら、アメリカ有志連合による介入だと唱え
どちらにしても
- ロシアの都合のいいように受け取る表明がなされるはずです。
- そしてそこに、プーチン没落の危機があります。中国同様に、あまりにもひどい言論弾圧をしていると、末はみじめな運命になること間違いないでしょう。ぼちぼちロシアも変わらねばなりませんが、それは無理なのでしょうか。
この事故の前、今〔2015/11/08〕から1ヶ月ほど前2015/10/08のことですが
カスピ海上のロシア艦からシリアへ向けて発射された巡航ミサイルが、イラン領内に着弾したらしいというニュースがありました。どのくらいの割合でイランへ着弾したのかなどは分っていません。
なお白地図はこちらから、ミサイルのイラストはこちらから、それぞれ得ました。ありがとうございました。
時々刻々
軍事行動を監視している国が、何らかの証拠を見つけたので「イラン領への着弾」を発表したと思われます。
巡航ミサイルは、レーダーには捕捉・感知されないほど低空を飛行するようですが、砂漠地帯を飛んでいることだし、衛星からの監視に対して丸裸なのでしょう。
ただしロシアとイランの関係は比較的良好のようですから、イラン領着弾のことは外交上の大きなトラブルには発展せず、公表さえしないでしょう。よって監視国家は、これを発表することにしたのだと考えました。
さてロシア機墜落の原因は
- 手荷物の爆発か
- 地上からのミサイル攻撃か
- プーチンが出す次の声明は何か
見守ることにしましょう。