少し古く、半年ほど前の話になりますが・・・・・・
台湾の蔡英文(さい えいぶん)の年金改革案に対し、元の軍人・教員・公務員たちがデモならぬ「暴力行為」に走ったようです。この裏には、中国があるとの見方です。
蔡政権が進める年金改革を妨害する中台統一派 黄 文雄(文明史家)・・・・・・
以下、産経新聞の記事を一部引用しましょう。
<蔡政権が3月末、中国国民党政権下で手厚い待遇を受けてきた「軍公教(軍人、公務員、教員)」退職者の年金受給額削減法案を決定して以降、蔡氏の訪問先での抗議活動が激化。6月末には蔡氏の車列がデモ隊に取り囲まれ、靴やペットボトルが投げつけられた。総統府が毎夕発表する報道機関向けの翌日の総統日程が空白になる日も続いたが、抗議団体は先回りして妨害。警備の警察から抗議団体の退職警察官に情報が漏れている可能性が指摘されている。
一方、台湾紙、自由時報は「情報当局が抗議団体の背後に中国当局の介入があるとみている」と報じた。同紙は、年金制度改革に関する流言飛語が中国の無料通信アプリ「微信(WeChat)」や中国人が海外に設置したウェブサイトを通じて発信されており、抗議活動に中国当局との関係が疑われている中台統一派の政治団体「中華統一促進党」の所属員が動員されて人数不足を補っていると報道。総統府の林鶴明報道官は「論評しない」と否定しなかった。>
ここでも先週のメルマガでも出てきた「中華統一促進党」の登場です。この政党についても本メルマガで何度か紹介しましたが、総裁である張安楽は「白狼」という異名で知られ、台湾のマフィア「竹聯幇」の元幹部でした。
1985年、ヘロイン密売でアメリカで逮捕、10年間の服役後に台湾に戻ったものの、恐喝や有価証券偽造容疑で逮捕されそうになったことで1996年に中国へ逃亡。その間に中国共産党やチャイナマフィアとの深い繋がりをもったとされています。
そして2005年に中華統一促進党を結成し、同年、台湾に戻り、逮捕されたものの後に保釈されました。その後、「ひまわり学生運動」の阻止行動や民進党批判を展開し、過激な反日行動を繰り返してきました。八田與一の銅像の首を切り取ったのも、この党の一員が犯人でした。言うまでもなく、バリバリの統一派です。:愛知李登輝友の会 2018年5月9日
ヤクザを使っての暴力行為(ここでは台湾ヤクザでしょうか)は、中国・ロシアが得意とするところですね。
私は、台湾は朝鮮半島よりは相当いいと判断しておりますが、中国がからんでいるとはいえ、未だ民度に問題がありそうです。
優遇され続けた年金を改革しようと真剣に取り組んでいる改革派・維持派に関係なく、中国がヤクザを使って「台湾社会を混乱させている」ようです。
もちろん中国は例によって、プーチン(ロシア)のように、どんなに明らかな証拠を突きつけられても、疑惑を否定しなければいけません。それが独裁国家たるゆえんなのです。
中国は、戦後の長い期間、および馬英九2008-2016の時代以外を、国民党により間接的に台湾を支配しており、稼げどもどんどん高すぎる年金によって台湾を壊滅状態にしてきたようで、台湾を大切に思っていた人にとって「年金改革が最重要事項」だったのです。
台湾の年金改革が決着=蔡政権の最重要課題
【台北時事】台湾で職業軍人を対象とする年金制度改革法が20日深夜の立法院(国会)で、賛成多数で可決、成立した。年金財政の破綻を回避するため、支給額を段階的に減らすことなどが柱。公務員と教職員の年金改革法は昨年6月に成立済みで、蔡英文政権が最重要課題として推進した一連の年金改革は2年越しで決着した。
蔡総統は21日、改革法成立を受けて総統府で記者会見し、「台湾の歴史上重要な瞬間だ。年金破綻という言葉はこれで過去のものになった」と述べた。:時事 2018/06/21
年金改革施行 蔡総統、国民の理解に感謝/台湾:2018/07/02
かえって
中国による威嚇は増えることでしょう。中国の西部を支配したと錯覚している中国ですが、今度は沖縄と台湾を狙う中国の野望に、最大の注意を払わねばなりません。
とにかく、中国派としては反対し続けました。
そして沖縄でも
故翁長から玉城知事まで、中国に一切触れずに米軍基地反対(普天間基地返還は当然と考えています)しているのが、不気味なところです。たとえ米軍を追い出したところで、こんな程度の中国に支配されるのがオチでしょうか。それとも、利用できるものは見境なく、すべて利用したいのでしょうか。
こんな中ゆえに
中国の圧力は強まり、台湾と国交断絶した国がふえてきたとのこと(台湾承認国家は18ヶ国になったらしい)。
さらに悪い事に、台湾の若い人たちが蔡総統を見放しはじめたらしいのです。国家の成り立ちである年金改革案が成功したとしても、最初に比べてやや後退したらしいのと、自分たちと関係がないところで取引したのが、若い世代には不満だったのかも知れません
中国、来月の台湾・統一地方選に介入「事実」=頼行政院長:2018/10/23
メディアの報道を認めた形です。
中国は、武力でアメリカに負けるとみて、武器を提供した台湾に対してインターネット攻撃をしたようです。
自分の国「中国」では総選挙(国政選挙)が存在しないので干渉されることがなく、安心して「当時の来月(2018/11/24)の統一選挙」へ干渉できます。
便利なインターネットを逆用するいつもの手段ですね。
一方、攻撃された中国は、まるでロシアのように「関与を否定」して「完全なでたらめ」としています。
さて2018/11/24の統一地方選挙ですが・・・・・・
台湾、選挙で与党敗北 習近平指導部は圧力路線に自信:産経新聞 2018.11.24
民進党“聖地"で敗北 蔡氏「支持者を失望させた」:毎日新聞 2018年11月24日
民進党の「中国の介入」主張に対して
「何の具体的な証拠もない」(環球時報)と否定しますが、もし具体的な根拠を示すと「信用できない」として、信用のなさを示しております。
要するに、疑惑を指摘しても、すべて「否定」するだけなのでした。これが中国・ロシアというものです。
しかし、中国はアメリカには直接反発せずに
- 台湾(アメリカが武器を販売した)
- カナダ(アメリカが孟逮捕を要請した)
- 韓国(アメリカ製のTHAADミサイルを韓国に配備した)
へと陰湿に反発しています。
間接的に反発するところが中国のいやらしいところですが、分る人には既にバレています。誰も分っていないと思っているのでしょうか(笑)。
さてさて、皆様はどう思われますか。