一般社団法人日本経営士会はSDGsの基礎にもなる「環境CSR経営」の普及支援を行っています。環境経営士が支援を行います。

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「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑲

2023-03-03 15:46:18 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑲

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

環境経営士Ⓡのホームページは「環境経営士」で検索をお願いします。

又はhttps://www.compact-eco.com/ で検索をお願いします。 

 

コーポレートガバナンス・コード改訂(唐突にこのPPが出ましたが?)

⚫ 我が国のコーポレートガバナンス・コードは2015年に公表され、上場企業は原則として遵守を

 求められている(Comply or Explain)(有価証券上場規程、同施行規則)。

⚫ 2021年6月に改定され、2022年4月に開始されたプライム市場上場企業に対してはTCFDに基づく

 気候変動に係る開示が求められている。

【第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働】

【考え方】

(略)

また、「持続可能な開発目標」(SDGs)が国連サミットで採択され、気候変動財務情報開示タスク

フォース(TCFD)への賛同機関数が増加するなど、中長期的な企業価値の向上に向け、サステナビ

リティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)が重要な経営課題であるとの意識が高まっている。

こうした中、我が国企業においては、サステナビリティ課題への積極的・能動的な対応を一層進めていく

ことが重要である。

【原則2-3.社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題】

補充原則2-3①

取締役会は、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・

適切な処遇、取引先との公正・

適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず

収益機会にもつながる重要な経営課

題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討を

深めるべきである。

【第3章 適切な情報開示と透明性の確保】

【原則3-1.情報開示の充実】

補充原則3-1③

上場会社は、経営戦略の開示に当たって、サステナビリティについての取組みを適切に開示すべきである。また、

人的資本や知的財産等への投資についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に

情報を開示・提供すべきである。

特に、プライム市場上場会社は、気候変動に係るリスク及び集積機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、

必要なデータの収集と分析を行い、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく

開示の質と量の充実を進めるべきである。

 

 


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑱

2023-02-26 15:43:12 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑱

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

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1.ガバナンス

⚫ 企業の気候変動対応の組織体制の確認に加えて、それが実質的に機能し、実効性を有しているかを

 確認すること。

 ✓ 取締役会に加え、組織体制及び機能を把握し、取締役会の監視が実効的に行われていること

✓ 当該委員会による取締役会への報告を通じて、取締役会による直接的な監視と同等の実効性が担保

 されていること

✓ ガバナンスに関連する組織体制に加えて、構成する組織・経営者の具体的役割、審議内容が経営に反映

 されるプロセリーン投資ガイダンス2.0の概要(2)

 

2.戦略とビジネスモデル

⚫ 企業が示すシナリオのデータや分析結果の正確性よりも、戦略に至った意思決定プロセスとシナリオとの

 整合性、業種に照らした妥当性及び策定された戦略に沿った対応を確認、評価すること。

✓ 当該シナリオを選択または策定した背景、当該シナリオの前提条件、その前提となる将来像と企業のビジネス

 モデルとの整合性

✓ どのシナリオを用いたかよりも、「ストーリー」となっているか、また、これらのストーリーに対して企業が

  必要な対応策をとっているか

✓ 開示される気候関連情報は全体像ではなく、また必然的に不確実性が含まれること等に留意

✓ 企業がカーボンニュートラルを目指す場合においてはトランジションに関する情報開示を促し、理解を深める

 ことも重要グリーン投資ガイダンス2.0の概要(2)

 

3.リスクと機会

⚫ 企業のリスク対応の取組について理解するとともに、気候変動対応を通じた機会獲得の可能性についても積極的な

 評価を行い、リスクと機会のバランスをとった企業評価を行うこと。

⚫ イノベーションの重要性を認識し、企業の長期戦略との関係や企業内の体制等について積極的な評価を行うこと。

✓ 企業の長期戦略やその背景にある事業環境認識とイノベーションの取組の整合性

✓ イノベーションを生み出す企業のマネジメント・システムについて、経営者のコミットメント、組織設計、プロセス、

 組織文化等

 

4.成果と重要な成果指標(KPI)

⚫ 企業が管理・開示するKPIの設定根拠を把握し、戦略との整合性を確認すること(水準だけでなく改善度合いについても

 確認)。

⚫ KPIを比較評価する上では、業種特性を考慮すること。

⚫ 事業のバリューチェーン全体を通じたGHG排出量に加え、製品やサービスの利用時における削減貢献量を考慮した評価を

 行うこと。

✓ 海外も含めた事業のバリューチェーン全体を通じた排出量(Scope 3排出量)と併せて、製品やサービスの利用時における

 削減貢献量

も加味した総合的な評価を行う

✓ Scope 3排出量をリスクと機会の把握に役立てる上では、算定の背景や前提が重要な意味を持つ

✓ 使用段階での削減貢献をもたらすような中間製品にも着目

 


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑰

2023-02-13 15:40:00 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑰

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

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グリーン投資ガイダンス2.0の概要(1)

TCFD提言に基づく開示は質量ともに進展しつつある。今後さらにグリーン投資を促進していくため、

初版公表以降の重要な進展を反映し、投資家等が開示情報を読み解く際の視点について解説。また

重要なトピックを新たに「補論」として解説。

投資家等の視点に対する企業側の理解が深まり、更なる開示につながることも期待。

基本的な考え方

企業価値向上につながる建設的な対話(エンゲージメント)の促進

気候変動に関するリスクと機会の把握及び評価

脱炭素化に向けたイノベーションの促進と適切な資金循環の仕組み

の構築

ガイダンスの構成

本論 開示情報の評価・利活用について、4つの観点から解説。改訂にあたり、初版公表以降の重要な

進展を反映。

補論

投資家が開示情報を理解するにあたり重要と思われるトピック、イニシアティブについて解説。

「環境と成長の好循環」の実現を目指す

・社会的課題の進展

カーボンニュートラルの達成が多くの国、企業の目標となりつつあり、その達成には、大規模な移行

(トランジション)、大幅な技術進歩(イノベーション)が必要となることを受けて、エンゲージメントの

重要性が一層高まっている。

・金融行動の進展

間接金融を含む投資家等の投融資ポートフォリオの排出削減を掲げる動きが活発化する中で、長期にわたる

エンゲージメントを通じて、投融資先の気候変動対応を促すことが求められる。

・開示の進展

コーポレートガバナンス・コードの改訂などによる開示企業の急増や、インターナル・カーボンプライシングの

活用、Scope3の重要性の高まりなどを通じた開示内容の進展に伴い、投資家等は企業活動に対する重要性

(マテリアリティ)の考慮も求められる。


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑯

2023-02-03 15:37:30 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑯

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

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第3章(業種別ガイダンス)

・自動車 ⾛行時の排出削減に繋がる車種の技術開発、具体的な技術開発の取組内容、将来目標の

 設定(台数、シェア)

・鉄鋼 製造プロセスの効率(エネルギー原単位)向上に向けた取組、先端技術開発に関する進捗と

 見通し

・化学 環境貢献製品を通じた削減貢献量や研究開発の取組、サプライチェーンマネジメントの取組

 (原料調達方針等)

・電機・電子 排出削減に繋がるIoTソリューションや省エネ化に向けた技術開発(エネルギーマネジ

 メント等)

・エネルギー 再エネや発電設備の高効率化・次世代化に向けた技術開発、当該技術に関する考え方、

 効率改善効果

・食品 原料及び水資源の供給リスク及び対策、食品ロス対策を含む排出削減の取組や製品開発、事業機会

 の特定

・銀行 シナリオ分析(与信関係費用)、ガバナンス・リスク管理体制、サステナブルファイナンスの目標

 設定と実績

・生命保険 ESG投融資等への取組方針、気候変動に伴うリスク把握の取組、投融資基準、投融資先へのエン

 ゲージメント

・損害保険 損害保険におけるリスク管理、防災・減災にかかる取組、気候変動や新技術に対応する保険・

 サービスの提供

・国際海運 省エネ型・代替燃料船舶の活用、カーボンニュートラル化へ向けた荷動きの変化、状況を反映する

 ガバナンス体制

  • TCFDガイダンス2.0の解説を補完するため、TCFD提言に沿った具体的な情報開示の事例を収集・整理
  • 多くの企業の参考になるよう、本事例は主に投資家(特に「GIG Supporters」(※))からの意見を基に、                   TCFD提言及び

TCFDガイダンス2.0に関連する事例を幅広く取り扱っている

  • 国内でのTCFD開示も質・量ともに充実化していることを踏まえ、日本企業の事例を中心に選定                       (国内47件、海外28件)

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑮

2023-01-26 15:35:32 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑮

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

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TCFDガイダンス2.0の概要

「環境と成長の好循環」の実現に向けて、気候変動対策に積極的に取り組む企業に資金が

供給されることが重要。

企業のTCFD提言に基づいた開示を促進するため、2018年12月に経済産業省が「TCFDガイダンス」を

策定。

世界的にTCFD開示とその活用が進む中、民間主導で設立されたTCFDコンソーシアムにおいて、

最新の国内外の知見・動向を踏まえた解説、業種別ガイダンス、及び事例集を拡充する改訂を行い

「TCFDガイダンス2.0」を策定

第1章(はじめに)

  • 背景、ガイダンス作成及び改訂の趣旨について、直近の動向を踏まえ解説
  • ガイダンスの位置付けとして、TCFD提言との関係について説明
  • 関連が深い事項についてはコラムにて解説

第2章(TCFD提言に沿った開示に向けた解説)

TCFD提言の4項目を中心に、気候関連情報の開示に関する疑問点について解説。開示事例も本編及び

 事例集に記載。

  • 情報開示の媒体について

→重要事項は有価証券報告書だが、それ以外は統合報告書等での開示も可

→複数媒体での開示事例、開示媒体についてのアンケート結果等で解説

  • TCFD提言の4テーマに関する解説

→国内外の関連文献も踏まえ、各テーマについて解説

[解説例]

- 戦略:研究開発とイノベーションの開示のあり方、IEAの既存シナリオ等について紹介

- 指標と目標:企業価値創造へのストーリー性のある開示、削減貢献量等を紹介

  • 異なるビジネスモデルを持つ企業の開示の方法

→各ビジネスの気候変動インパクトに応じて開示

  • 中堅・中小企業におけるTCFD対応の進め方

→世界の温暖化対策に貢献する企業は、ビジネスチャンスの積極的な開示を推奨