一般社団法人日本経営士会はSDGsの基礎にもなる「環境CSR経営」の普及支援を行っています。環境経営士が支援を行います。

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「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑭

2023-01-13 15:33:40 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑭

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

環境経営士Ⓡのホームページは「環境経営士」で検索をお願いします。

又はhttps://www.compact-eco.com/ で検索をお願いします。   

 

TCFDの動き

◆ G20からの要請を受け、金融安定理事会(FSB)が2015年に設置した民間主導の「気候関連

 財務情報開示タスクフォース(TCFD;Task Force on Climate-relatedFinancial Disclosures)」。

◆ Michael Bloombergを議長とする32名のメンバー(日本から2名)により構成。

◆ 2017年6月に提言をまとめた最終報告書を公表。同年7月のG20ハンブルク首脳会議にも報告

  TCFD賛同機関数

   日本 997 英国 456 アメリカ418 オーストラリア151カナダ132 

フランス131 韓国110

開示推奨項目

ガバナンス: 気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス

戦略:気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響(2度シナ

リオ等に照らした分析を含む)リスク管理: 気候関連リスクの識別・評価・管理方法

指標と目標 :気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標

TCFDコンソーシアムの概要

⚫ 事業会社と金融機関の対話の場を作るべく、民間主導によるTCFDコンソーシアムを設立。

⚫ TCFD賛同済の日本の機関、及びTCFD賛同済の海外の機関の日本法人であれば、会員になることが

 可能。オブザーバーとして、経済産業省・環境省・金融庁、GPIF、経団連、JPX、日銀が参加。

⚫ 2019年5月の発足以降、グリーン投資ガイダンスの策定、TCFDガイダンスの改訂などを実施。気候

 変動関連について、効果的な情報開示や適切な投資判断に繋げるための取組を議論する場として、

 国内のTCFD開示を質・量ともに着実に促進。

 TCFDコンソーシアムを通じた「環境と成長の好循環」の実現

金融機関等向けの「グリーン投資ガイダンス2.0」を策定(2021年10月)

(投資家や格付・評価機関等が開示情報を評価する際に留意すべき点について議論)

※初版の「グリーン投資ガイダンス」は2019年10月に策定


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑬

2023-01-03 15:30:41 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑬

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュー

トラルCNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-

トランジション・ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

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クリーンエネルギー戦略における金融部分

⚫ 企業のGX投資の促進に向けて、グリーン、トランジション、イノベーションの

 3分野における金融機能の強化と、情報開示の充実や市場の信頼性向上等による基盤の

 整備を図る。

⚫ 特に、グリーンは発行支援体制の充実、トランジションは分野別ロードマップの拡充や

 これを活用したエンゲージメントのためのガイダンス策定、イノベーションは官民金での

 リスクシェアも含めた新たな協力体制の構築などを行う。加えて、企業の情報開示の充実、

 ESG評価機関の信頼性向上やデータ流通のための基盤整備等を行う。

 

2050CN実現に向けた金融施策

-TCFD

-トランジション・ファイナン

     気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)とは

⚫ 気候関連の情報開示に関するグローバルな要請を受け、民間主導の気候関連財務

  情報開示タスクフォース(TCFD)が発足。2017年6月に提言をまとめた最終報告書を公表。

  TCFDは、投資家等が重要な気候変動の影響を理解するための任意開示の枠組。

⚫ TCFDに対して世界で3,594機関、日本で997機関が賛同(2022年6月30日時点)し、世界最多。

  また、世界の主要企業の環境活動情報を収集・分析するCDP(CDPとは、カスタマー・

  データ・プラットフォームCustomer Data Platformのことを指します。顧客一人ひとりの

  属性データや行動データを収集・統合・分析するデータプラットフォームです。CDPは、

  デジタルマーケティングをおこなう上で、顧客理解の深化や顧客データ活用の幅を広げる

  ための基盤として必要不可欠です。)による評価で、日本のAリスト企業数は世界トップ

  レベルに到達。


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑫

2022-12-26 15:28:39 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑫

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

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日本における2030年の脱炭素関連投資の見込み

  主要な分野における脱炭素に関連する投資額を、それぞれ一定の仮定のもとで積み上げた場合、

 2050年CNに向けた投資額として、2030年において単年で約17兆円が最低限必要となる。

10年間で約150兆円

  電源脱炭素化/燃料転換年間 約5兆円

    内訳 ✓ 再エネ(FIT制度/FIP制度等による導入) 約2.0兆円

✓ 水素・アンモニア(水素・アンモニアインフラ整備のための投資) 約0.3兆円

✓ 蓄電池の製造(車載用・定置用)

製造工程の脱炭素化等年間約2兆円

  内訳 ✓ 製造工程の省エネ・脱炭素化(次世代製造プロセス技術、CN発電等設備等) 約1.4兆円

✓ 産業用ヒートポンプ、コージェネレーション設備等の導入

エンドユース年間約4兆円

  内訳 ✓ 省エネ性能の高い住宅・建築物の導入 約1.8兆円

✓ 次世代自動車の導入

インフラ整備年間約4兆円

内訳 ✓ 系統増強費用(マスタープラン) 約0.5兆円

✓ 電動車用インフラ整備(充電ステーション、水素ステーション) 約0.2兆円

✓ デジタル社会への対応(半導体製造拠点、データセンターの整備

研究開発等年間約2兆円

内訳 ✓ カーボンリサイクル(CO2分離回収、合成メタン、合成燃料、SAF  

等) 約0.5兆円

✓ カーボンニュートラルに資する製造工程の開発(水素還元製鉄等) 約0.1兆円

✓ 原子力(革新炉等の研究開発) 約0.1兆円

✓ 先進的なCCS事業の実施


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑪

2022-12-13 15:24:06 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑪

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

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第4節 GXを実現するための社会システム・インフラの整備に向けた取組

  炭素中立型社会に向けた今回の転換は、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業

 構造をクリーンエネルギー中心に移行させるものであり大規模な投資が必要。投資の予見

 可能性を高めるためのロードマップを含めた「成長志向型カーボンプライシングの最大限活用」と

 「規制・支援一体型の投資促進策の活用」の基本コンセプトのもと、政策の骨格は次の5本の柱を

 軸に構成し、年末(2022年)に向けて更なる具体化を図る。

 実現に向けた社会システム・インフラの整備

  予算措置

✓ 民間部門が予見性を持って投資を判断できる仕組みを構築

✓ 先行投資の積極性、事業の収益性、事業の環境負荷などを新たなKPIとして設定

規制・制度的措置

✓ 規制的措置により、新たな市場創造や民間投資を後押し

✓ 新たなエネルギーを社会実装するため、事業そのものの収益性を向上させる

✓ 投資回収期間が長期にわたるプロジェクトなどの投資回収の予見可能性を高める

金融パッケージ

✓ トランジション、イノベーション、グリーンの3分野における金融機能の強化と、情報開示の充実や

 市場の信頼性向上等による基盤の整備

GXリーグの段階的発展

 国内市場

適切な時間軸の中で、進捗をフォローアップし、国際的動向も踏まえながら段階的に見直し、将来的に

排出削減と投資の促進をより強力に促す仕組みへと発展させる

海外市場

✓国ごとの炭素集約度の違い等に関する環境整備の国際的な議論を、わが国が

積極的に牽引

✓ 既存技術が獲得してきた国内外の需要から、更に一歩踏み込んだグローバル市

場の獲得に向けて、わが国同様化石燃料からの段階的なトランジションが必要と

なるアジア諸外国とともに、脱炭素と成長を実現するための協力体制を強化

 

 共通基盤

   デジタル化に向けた環境整備

    ✓ 以下を両輪で、デジタル化に向けた環境整備を推進

  • デジタルを実装した社会構造の構築
  • デジタル化を加速するための研究開発

   イノベーションの創出・社会実装

    ✓ 未だ技術開発が進んでいない新領域での研究開発を進める

✓ スタートアップの活用による社会実装の担い手の多様化、初期需要創出枠組みの主導、国際ルール形成                            

  支援等に取り組む

✓ 優れたシーズ創出のためのアカデミアのエコシステムを形成

研究者育成、初等中等教育及び雇用人材関係

✓ 初等中等教育から高等教育までのエネルギー・環境分野に関する教育の場の提供やリカレント教育(生涯を                     

 通じて学び続けていくこと)の充実といった取組をシームレスに進めていく

✓ 若手研究者と企業との共同研究の支援や、企業における処遇の適正化に取り

組む

地域・くらしの脱炭素、資源循環等の取組

✓ 先行的取組の深化・加速化、地域主導の脱炭素移行、地域脱炭素を推進する人的資本投資等に取り組む

✓ 消費者の選好を通じ、脱炭素に資する高付加価値な製品・サービスの需要が高め、脱炭素化と経済成長の                          

 好循環を実現


「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑩

2022-12-03 15:19:12 | SDGs・CSR・環境経営

「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑩

7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル

CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・

ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。

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第2節 産業のエネルギー需給構造転換

⚫ 徹底した省エネを追求し、CO2フリーなエネルギー消費へ転換していく方向性は業種横断で

 共通の考え方。その上で、利用可能な技術、サプライチェーン上の位置づけなどに応じて、

 カーボンニュートラルへの道筋は異なり、自社の置かれた環境を踏まえて、適切なトランジション

 (移行)を描き、設備投資を進める必要

⚫ 中小企業については、温室効果ガス排出量の「見える化」の促進、カーボンニュートラルに向けた

 設備投資の促進のため、地域の金融機関や中小企業団体等の支援人材育成等を図りつつ「プッシュ型」で

 支援施策を紹介して促進

 

第3節 地域・くらしの脱炭素に向けた取組

 地域の脱炭素トランジションは、経済社会全体やエネルギーインフラのトランジションの時間軸を俯瞰して

 推進すべき。地方自治体をはじめとした関係者の主体的な取組を促進する

⚫ 再エネ含め、各地域の特色ある地域資源を最大限活用し、地域経済を循環させ、防災

 や暮らしの質の向上など地域課題解決に貢献するよう、Win-Winで進める

⚫ 消費者の意識・行動の変化も重要、脱炭素に資する製品・サービスの需要を拡大させ、さらなる

 経済社会変革につなげていく

⚫ 資源循環関連産業の発展、生物多様性への負荷低減、気候変動適応の取組を脱炭

 

素と同時に進め、炭素中立型の経済社会への転換に貢献