「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑨
7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル
CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・
ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。
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第1節 エネルギーを起点とした産業のGXの続き
鉄鋼
- 水素還元製鉄等の革新的な技術開発・社会実装を加速するとともに、OPEXの抑制も図りながら、 省エネや電化を含む製鉄プロセスにおけるエネルギー転換に繋がる設備投資を促進
自動車
- 2035年までに新車販売で電動車100%を目標に、多様な選択肢を追求。蓄電池の大規模製造拠点の 国内立地推進、電動車の購入・インフラ整備支援、中小サプライヤー等の前向きな業態転換支援など、 エネルギー構造転換に向けた取組を推進
- トランジション・ファイナンスの推進、水素・CR燃料の普及拡大、熱プロセスの脱炭素化、ストックで のCO2削減等を進める
運輸
- 国際海運2050年カーボンニュートラル実現に向け、水素・アンモニアを燃料とするゼロエミッション船の 技術開発支援を行いつつ、普及に向けた国内生産基盤を強化するとともに、IMO(国際海事機関)での議論を主導
- 2030年SAF10%使用の他、水素航空機コア技術等の脱炭素化に係る新技術の開発・導入を促進
- 鉄道資産の活用や沿線地域が連携する形での再エネ導入、燃料電池鉄道車両の開発・導入を推進
住宅・建築物、インフラ
- 2030年以降の新築住宅・建築物のZEB/ZEH水準の省エネ性能確保に向けた規制の強
化を行う
- カーボンニュートラルポートの形成に向け、新技術導入のための実証事業等を進める
- 革新的建設機械による建設時の省エネ、公共事業での省CO2に資する建設材料の活用を促進
食料・農林水産業
- 「みどりの食料システム戦略」に基づき、調達から生産、加工・流通、消費までの変革を推進し、持続可能な 生産と消費を通じた新たな市場を国内外に創出し、日本発の新たな国際協調につなげる
CCS (「Carbon dioxide Capture and Storage」の略であり、CO2の回収、貯留を意味します。)
- 2030年までのCCS事業開始に向け、法整備を含めた事業環境整備を進める
ネガティブエミッション
- 低コスト化や省エネルギー化に向けた研究開発とともに、産業化につなげるための初期需要創出やボランタリー カーボンクレジット市場における導入拡大を促す
(大気中からCO2を取り除くことによって、過去に排出した大気に蓄積されたCO2を回収し、場合によってはオーバー シュートを調整することが可能かもしれない。このような大気からのCO2削減技術をネガティブエミッション技術 (Negative Emissions Technologies: NET)とよぶ)