地方創成の事例
国は1億総活躍社会を目指して地方創成関連予算で2兆4000億円の予算を28年度計上しました。29年度もひき続きこの施策は続くとかんがえられます。
経営士、環境経営士もこのテーマに取り組んでおられる人もいるかと思います。
神奈川県二宮町の例
神奈川県二宮町(人口は約2万9千人)がとりくんでいる事例を紹介します。
この町は神奈川の西に位置していて西の湘南すなわち西湘といわれて温暖な気候に恵まれたところです。筆者は数年前にまちづくり委員会に参加しました。
二宮はJR東海道二宮駅があり、横浜・川崎などへはそれぞれ50分、60分で通勤圏内です。住民は二宮に長くからいた、商店経営者、中小製造業、農業、サラリーマンが住む新興住宅地とが混在しています。約30年前大手スーパーが進出して、商店が軒並み販売不振に陥り店を閉じる店もでてきました。このような状況でのまちづくりでした。
当町の売りは
①JR二宮駅から徒歩で15分程度で登れる小高い山136mの吾妻山があります。この山は古代、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の時、三浦半島から海路、上総へ向かう時突然暴風雨が起こり船もろとも沈みそうになりました。そのとき、妻の弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)は夫らを案じ自ら海に身を投じ海の神の怒りを鎮め、平穏を取り戻し皆一命を取り留めました。その後日本武尊は海辺(二宮の袖ケ浦)に流れ着いた妻の櫛と袖の一部を吾妻山にまつり在りし日をしのんだといわれています。
②また国土交通省の「関東富士見百景」にも選ばれました。
③そしてこの山は「かながわの美林50選」にも選ばれた林が育っています。
④頂上に登ると西に富士山、東に相模湾が見え雄大な景色が見えます。http://shonan-ninomiya-kankou.com/
まちづくりの企画は
数年前まちづくり委員会に仕掛けたことはこのような利点を如何に費用をかけずに広報するかでした。
毎年1月~2月の吾妻山頂上に菜の花が植わっており、黄色の花を通してみる富士山、相模湾は絶景です。
このような立地、環境でこの季節に「菜の花ウオッチング」を企画しました。
広報の重要性
私はこの折の広報担当でしたがA4 1枚でこのイベントを横浜にあるメデア即ちNHK横浜支局、朝日、読売など6大新聞に掲載依頼にまわりました。関東で最初に菜の花が咲くイベントをうたってあったためか「菜の花ウオッチング」の期間中 NHKが吾妻山をヘリコプターから実況で2分程度でしたがNHK朝のニュースに全国放送をして頂きました。他の6大新聞もほぼ1面に掲載して頂きました。
この結果1月の約1カ月間このイベントが開催されましたが約30万人に来場者がありました。
観光協会、商店街など元気をとりもどす
これをきっかけにそれまでは二宮町観光協会は名ばかりの協会でしたが、本格的に活動した結果最近はJR東日本も取り上げて埼玉など関東全般に宣伝してくれています。
現在はこの期間中の観光客は約15万人ですが、1人当たり2000円二宮で消費するとして年間3億円の効果があると推定します。
上記のことから地方再生のヒントがあると考えます。
皆様いかがでしょうか、貴方の町おこし事例を挙げて寄稿いただけませんか。
寄稿者 経営士・環境経営士 福井 浩 hfukui@kuf.biglobe.ne.jp
この記事は(一社)日本経営士会発行の「環境CSRニュース」で配信した記事の一部です。 日本経営士会 環境CSRのホームページはこちらへ。