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    電験1種・2010年2次試験 (模範?)解答・その4

2010年12月10日 18時57分21秒 | 

 

電験1種 電力・管理 問3

 

地絡方向リレーを設置した図のような送電系統を考える。 送電線一回線に一線地絡事故が発生した場合のリレーの動作について、次の問に答えよ。 

 ただし、計算諸元は次のとおりとする。 また、変圧器に接続されている中性点の接地抵抗は、送電線や変圧器のインピーダンスよりも非常に大きいものとし、送電線の静電容量は無視する。 さらに、B端は無負荷、無電源とする。

    変電所送電端線間電圧     77000 [V]

    A端変圧器中性点の接地抵抗    R1=100 [Ω]

    地絡方向リレーのCT比と整定値

       A端リレー(Ry1、Ry2) CT比: 1000 [A]/5 [A]、  

                                                             整定値(電流):0.30[A]

       B端リレー(Ry3、Ry4) CT比: 800 [A]/5 [A]、 

                                                             整定値(電流):0.40[A]

    事故点までの距離と事故点抵抗 

     A端~B端の送電線の距離を100 [%] としたときの

                                          A端~事故点Fまでの距離:X [%]

      事故点Fの事故点抵抗:R2 [Ω]

         *事故点抵抗は純抵抗成分であるとする。

 

             

 

(1)     X=60.0 [%]、R2=0 [Ω] であるとき、事故点Fに流れる地絡電流を求めよ。

(2)     X=60.0 [%]、R2=230 [Ω] であるとき、Ry1、Ry2、Ry3に入力される電流の大きさをそれぞれ求めよ。

(3)     R2=230 [Ω] であるとき、受電端(B端)リレーが両回線ともに不動作、送電端(A端)リレーが両回線ともに動作となり、受電端が停電するX [%] の範囲を求めよ。

 

 

(1)送電端の線間電圧が77000Vなので

相電圧は 77000/√3 = 44456V

地絡抵抗が0 Ωのとき

題意より送電線のインピーダンスは

    中性点の接地抵抗に比べて無視できるので

地絡電流=44456/100=444.56  (答)445A

 

(2)地絡抵抗が230Ωのとき

   地絡電流=44456/(100+230)=134.715(A)

   分流計算をする。 60%なので

       一回線当たりのインピーダンスを 1 とすれば

   Ry1 側を流れる電流は

      134.715 x (1+1-0.6)/2=94.3005(A)

   Ry2, Ry4, Ry3 側を流れる電流は

      134.715 x 0.6/2=40.4145(A)

   

Ry1 に入力される電流は

   94.3005 x 5/1000=0.4715    (答) 0.472A

Ry2 に入力される電流は

   40.4145 x 5/1000=0.20207   (答) 0.202A

Ry3 に入力される電流は

   40.4145 x 5/800=0.25259    (答) 0.253A

 

(3) Ry1 側を流れる電流は

      134.715 x (1+1- /100)/2=134.715-0.673575・(A)

    Ry2, Ry4, Ry3 側を流れる電流は

      134.715 x /100/2=0.673575・(A)

 

     Ry1 に入力される電流は

 (134.715-0.673575・) x 5/1000=0.673575-0.003367875・

 Ry2 に入力される電流は

   0.673575・x 5/1000=0.003367875・

Ry3,Ry4 に入力される電流は

0.673575・ x 5/800=0.0042098・

 

   ここでRy1=動作, Ry2=動作, Ry3=不動, Ry4=不動 となる条件は

0.673575-0.003367875・ ≧0.3 ・・・(1)

0.003367875・ ≧0.3 ・・・・・・・・(2)

0.0042098・ <0.4 ・・・・・・・・・(3)

1)式より ≦110.9

2)式より ≧89.0769

3)式より <95.01639

従って 求める の範囲は    89.08≦ ≦95.01 (答)

                 解答条件が有効数字3桁ならば

                    89.1(%)≦ ≦95.0 (%) (答)

         この場合等号をつけたほうが厳密な解と思われる。

        

 

 

サービス問題だと思うのですが どうでしょう?

間違っていたら恥ずかしい限りです。

 

 

   

        

  

 

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