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人はチンパンジー寄りか、ボノボ寄りか?

2016-10-24 13:28:20 | 日記
🍀人はチンパンジー寄りか、ボノボ寄りか?🍀


チンパンジーは、地位のために群の内部で激しく争うこともあれば、協力して他の群れと戦うこともある。

なぜ彼らは、そこまで地位に執着するのだろうか。

これには2つの要因があるようだ。

1つには、メスのチンパンジーの繁殖率がとても低く、

5〜6年に1回しか出産しないことがあげられる。

つまり、性的に成熟したオスの数が、生殖活動を行うメスより、はるかに多いのだ。

さらに、メスのチンパンジーがオスを受け入れるのは、

1度のサイクルで、ほんの2日か3日なので、

交尾のチャンスはさらに制限される。

群れの中で生まれる子ザルの30〜50%の父親はボスザルなので、

第1位のオスになると、適応上、大きな利益がある。

地位の高い個体は、食物が豊富な土地も手に入れられる。

群れ間の縄張り争いが食物をめぐって起こっていることからも、

このような場所は不足していることがわかる。

メスのチンパンジーも食物をめぐって争うが、

協力はしないらしい。

例外として、食物をめぐる競争を減らすため、

外から入ってきたメスが子供を連れている場合、

その子を結託して殺す場合がある(メスのチンパンジーは、出産した群れを離れることが多い)。

オスが地位に執着するのは不思議なことでは無い。


チンパンジーと、100万年前に枝分かれしたボノボを比較してみよう。

これは見解の分かれるところだが、ボノボは "ヒッピー・チンパンジー" と呼ばれることがある。

「戦争ではなくセックスしよう」の精神を実践しているように見えるからだ。

チンパンジーより群の内部での攻撃性が低く、

チンパンジーのようにある種のシグナルで地位を誇示することはない。

ボノボ社会にも階層はあるが、重大な点でチンパンジーとは違っている。

最も顕著なのは、メスのボノボはオスよりやや優勢、あるいはほぼ同等であり、

メス同士の結びつきが強いということだ。

その結果、チンパンジーのように、オスがメスに対して攻撃的になることは少ない。

オスとメスは絆を結ぶ。

オス同士の間には階層があるが、
オスの序列はだいたい母親の序列で決まる。

チンパンジーとの違いで、最も興味深いのは、おそらく性行動だろう。

ボノボは複雑な "社会的性行動" を行う。

つまり、セックスが子づくり以外の社会的役割を担っているということだ。

メスのボノボ同士が性器をこすりつけ合うのは珍しくないし、

オス同士のマウンティング行為やオーラル・セックスもある。

メスはたいていの時期に性交可能で、

それは人間と同じように、排卵期がはっきりわからないことを示唆している。

オスのボノボは、メスがほかのオスト交尾するのを防ごうとはしないし、

外の群れと接触する時も、

戦闘的なチンパンジーに比べて、はるかに平和的だ。


ボノボとチンパンジーの正反対な生活を、どう説明すればいいのだろうか?

ハーバード大学のリチャード・ランガムは刺激的な理論を展開している。

ボノボはコンゴ川の南部、チンパンジーは北部に生息しており、

チンパンジーのいる地域にはゴリラも生息している。

ゴリラは1日に40ポンドもの大量の葉、茎、根、蔓、草などを食べ、

その結果、チンパンジーの食べ物は主に果物で、その半分をイチジクが占めている。

そのためチンパンジーは1日のほとんどを、いわゆる「食料徴発隊」として過ごしている。

ここがボノボとの大きな違いだ。

チンパンジーの群れは、食べ物を集めに行くとき、

比較的小さなグループに分かれる(それぞれ群の全体の9〜30パーセント)

が、ボノボはもっと大きなグループをつくる
(25〜50パーセント)。

チンパンジーのメスは単独で採集活動を行うことが多いが、

ボノボはメス同士、あるいはオスとメスが混ざったグループで採集する。

その結果、メスのボノボは緊密な協力関係をつくり、

それが長い時間のうちに進化して、

地位の関係を根本から変えたのだ。


そうなるとボノボは、2つの「通貨」に関してチンパンジーよりも豊かということになる。

それは食物とセックスだ。

ボノボが持つこの絶対的な富は、相対的な地位の高さによる利益を減少させるのだ。

決して、ボノボ社会に階層がないというのではない。

地位の階層はやはり存在するが、

"高い地位による利益" を受けられるのが、

チンパンジーのように上位の個体に限られてはいないのだ。

階層の頂点やその近くにいることは、チンパンジーにとっての方が、はるかに重要な意味を持つ。


では、私たち人間は、ボノボに近いのだろうか、それとも、チンパンジーに近いのだろうか?

まず、人間はボノボのように "自己家畜化" し、子供の頃の特徴を長く維持している。

さらに人間の女性とボノボには、排卵期がはっきりわからないという共通点がある。

しかし一方で、派閥による優遇を含め、群れ間の競争の名残のような性質を、チンパンジーと共通して持っている。

しかし、最も可能性の高いのは、

私たちはボノボ寄り・チンパンジー寄りと規定できるのではなく、

規範や文化的の制度に合わせて地位の関係を柔軟に変えられるということだ。

これについて注目すべき例を1つあげるとすれば、

一夫一妻制の発達だ。

これまでに存在したあらゆる人間社会の85パーセントで、男は2人以上の妻を持つことを許されていた。

階層社会の出現は、

エリートは多くの富を持つようになり、

一夫多妻制が増加した時期とだいたい一致している。

世界的に一夫一妻制が広がったのは比較的最近のことで、

日本で一夫多妻制が禁止されたのは1880年、中国は1953年、インドでは1963年だ。

一夫多妻制では地位をめぐる競争が激化し、

結婚しない男の数が増える。

すると地位のジレンマも増える。

人類学者のジョセフ・ヘンリッチらは、一夫一妻制は、地位めぐる競争を緩和するための、

文化的な新機軸だったと示唆している。

それによって、レイプや、殺人、暴力、強盗、詐欺、家庭内虐待が減った。

また、一夫一妻制によって出生率が上がり、

ジェンダーによる平等が減ると同時に、

親からの投資、貯蓄、経済生産性が向上した。

またそれはテストステロンを減少させ、地位本能を抑えるという、体への直接的な影響もあった。


もちろん、支配者層のエリートは一夫一妻制によって失うものが多く、

エリート側の利益には反していた。

しかし、ヘンリッチらが示唆したとおり、集団間の競争圧力があまりに大きく、

社会的な協力のために彼らの利益が犠牲になったのだと考えられる。

一夫一妻制は人間の一大発明であり、

この出現によって地位をめぐる競争が弱まり、

地位のジレンマも軽減された。


(「クール 脳はなぜ『かっこいい』を買ってしまうのか」スティーブン・クウォーツ アネット・アスプ著 渡会圭子訳より)


人は、立場により行動を選ぶんしょうね。(^_^)

あなたは、チンパンジー寄り?
ボノボ寄り?

それとも、

ゴリラ寄り?(((o(*゚▽゚*)o)))