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負けない生き方④

2017-11-04 11:43:28 | お話
負けない生き方④


🔹羽生、米長先生は、そんなふうに周りに非常に大きな影響を与えて下さった偉大な棋士でしたけれども、

桜井さんも他の人のために行動なさっていることのほうが多いんですよね。

お客さんも常にたくさんいらっしゃって、桜井さんは周りに人が集まる何かを持っていらっしゃるんでしょうね。

🔸桜井、人の喜ぶ姿を見たいですからね。

自分の喜びはあんまり面白くなくて、人が喜んでる時のほうが面白いっていうのはあるんです。

ところで羽生さんは、 "わがまま" と "頑固" だったら、ご自分はどっちだと思いますか?

🔹羽生、うーん、どっちの要素もあると思いますが…、

あえて言えば "わがまま" ですかね。

🔸桜井、あぁそうですか。

私と同じだ。

うれしいな、ちょっと握手してくださいよ(笑)。

実は、道場生にも同じことを聞いてみたら、頑固のほうが結構多かったんです。

頑固っていうと、信念があるとか、意志が強いとか、いい意味でとられる場合もあるじゃないですか。

それに対してわがままは、人に迷惑をかけるとか、いいことが1つもない印象がある。

だけど人間ていうのは、自分1人で生きているんじゃないでしょう。

必ず誰かに何かしらの迷惑をかけて生きているものですよ。

いま羽生さんが、自分はわがままだと答えられたことに、僕はすごく感動しています。

普通は自分をよく見せたいという意識があるから、頑固と答える場合が多いけれども、

羽生さんほどの人が、ご自分はわがままだと率直に認められた。

人に何かしら迷惑をかけて生きることをちゃんと自覚なさっているわけですよ。

僕もわがままで生きています。

忙しい羽生さんにわざわざ僕の道場までお越しいただいたりね。

🔹羽生、いえいえ、とんでもない(笑)。

でも桜井さんは、ご自分のことはさておいて、いつも道場生の方とか、友人の方とか、他の人のために行動なさっていますよね。

ご自分のツキを人にあげたりもなさっているとか。

🔸桜井、僕の場合、もう普通に麻雀で勝ち負けを競っても、ちっとも面白くないんです。

だから道場で1番弱い子に、2人で弱小戦をしないかって持ちかけるんです。

そして1番下から駆け上がって勝ってしまう。

そういう時は自分で相当ツキを落としているんですけど、

そこから上がっていく時の必死さ、これがたまらないんですよ(笑)。

この間は、誰でも知っている有名企業の社長が、社員さん2人連れて遊びに来てくれましてね。

一緒に卓を囲んだんだけど、麻雀ていうのはその人の立場とか、置かれた環境とか、そういうものが全部出てくるもので、

その社長も自分が絶対勝つと思っているわけ。

そうすると僕は、弱いものにどうにかしてあげたい、強い人には勝たせないぞって気持ちがあるから、

やっぱり1番弱い若い社員さんを上がらせてやろうということばかり考える。

そうやって若い社員さんが一等、僕が二等、社長は1回も上がれなくて変な顔をしていましたよ(笑)。


🔹羽生、立場とか勝ち負けとか点数とか、そういうものを別にして、
すごくいい麻雀が打てることってあるんですか。

🔸桜井、めったにないけど、たまにあります。

そういう時は、緊張感の中で皆がリズムよくスッスッスッと流れている感じ。

四角い卓が丸く見えるし、打っててすごく気持ちいいんですよ。勝ち負けに関係なくね。

🔹羽生、道場生の方が、全然ダメな局面で桜井さんに入ってもらったら、

あっという間に状況が変わったという話をなさっていましたね。

🔸桜井、あれは整備をするんです。

畑を耕すように、その場にあるずるさとか、卑怯だとか、そういうものを全部取って整地してしまう。

そうやって場を綺麗にするから、その後誰が打ってもスムーズに上れるんです。

🔹羽生、以前桜井さんは、負ける時の99%の理由は自滅だとおっしゃっていて、

言われてみれば確かにそうだなと納得しました。

例えば、こう指してこられたら困るなぁとか、こうやったら負けるなーとか思うのは、

実は相手の思考ではなくて自分の思考なんですね。

自分で考えて、自分で負けているんですよ(笑)。

だから負ける理由が自滅だというのは、すごく納得させられたんです。

🔸桜井、考えすぎると、怪我が多くなるんです。

心の怪我、考え方の怪我が。

考えるのにも怪我があると僕は思うんです。

羽生さんはそういう怪我をほとんどしない人だけど、

僕は見てて、こいつ考え過ぎて怪我してやがるなっていう人がいっぱいいる。

自分は頭がいいとか、考えることはすべていいことだと思い込んで、

精神や肉体をおかしくしてしまっているんです。


(つづく)

(「致知」10月号 桜井章一さん羽生善治さん対談より)