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リーダーシップ

2017-11-27 09:40:37 | お話
⚡️リーダーシップ⚡️


私は35年間、東京都庁に勤務し、
退職後は民間会社で経営の仕事に従事しました。

その間、多くの挫折や失敗を経験しました。

その中から学んだことや反省・教訓としたものが、たくさんあります。

1番の教訓は

「現状維持が破壊となる」

ということでした。

時代の環境の変化に機敏に対応できない者は取り残されるということです。

ダーウィンも言っています。

「1番強いものは、1番賢いものが生き残るのではなく、

環境の変化に機敏に対応したものこそが生き残る」

と。


昭和46年、私はソニーの創業者である井深大さんの講演会に参加しました。

井深さんは約1時間、リーダーシップについて講演されました。

講演後の質疑応答で1人の女性が手を挙げて言いました。

「井深先生のお話、よく分かりませんでした。

私みたいな主婦でもわかるように、

もう一回、リーダーシップについて説明してもらえませんか」

司会の人はオロオロしていました。

天下のソニーの会長に向かって「あなたの話はわからない」と言ったわけですからね。

でもさすが井深さん、笑いながら、

「申し訳ございません。

それじゃあ、」

と言ってこんな話をしました。

井深さんがソニーの社長をしていたとき、厚木市に新工場ができました。

最新鋭の工場でしたので全国からはもちろん、世界中から見学者が来ました。

しかし、1つだけ問題がありました。

トイレの落書きです。

「ソニーの恥だ」ということで、社長命令で、「落書きをめなさい」と指示を出しました。

工場長も一生懸命、社員に落書きをやめるように言いました。

でも落書きは、なかなかなくなりませんでした。

しまいには「落書きするな」という落書きまで出てきたそうです。

社長命令でも工場長の呼びかけでも落書きをやめさせられませんでした。

それはつまり、社長も工場長もリーダーシップを取れなかったということです。

3ヶ月が過ぎ、どうしようもなくて諦めかけていた頃、

工場長から電話がかかってきました。

「社長、トイレの落書きがなくなりました!」

と。

井深さんはびっくりしました。

どうやって落書きをなくしたのか。

実はパートのトイレ掃除の女性が、家からかまぼこの板を数枚持ってきて、

マジックで、こう書いてトイレの入り口に貼り出したというのです。


「落書きをしないでください。

ここは私の神聖な職場です」


この話を聞くまで、私は「指導力や統率力こそがリーダーシップだ」と思っていました。

でもそうではなかったんです。

そしてこれ以降、私はリーダーシップの概念を

「上下左右の影響力」

と理解し直しました。

いつも上の言いなりになって、頭をペコペコ下げるだけの人は部下からバカにされます。

でも

「あの人と一緒に仕事をしたい。

あの人の言うことだったら聞きたい」

と思われる人には部下がついていきます。

そういう人こそがリーダーシップを取れるのです。

ですからリーダーは自分が偉いと思ったら失格です。

リーダーは、ロウソクみたいに、我が身を削って、周りを明るく照らすのが役割なのです。


(「みやざき中央新聞」H29.11.20宮端清次さんより)