いまなお色褪せない96年組「くじら軒」
横浜市営地下鉄のブルーラインとグリーンラインの2路線が交わる「センター北駅」から歩いて10分ほど。区役所通り沿い、東急バスの牛久保西公園バス停目の前にある「らーめん くじら軒 横浜本店」へ。1996年5月創業で、同年オープンの「麺屋武蔵」「青葉」と共に『96年組』と呼ばれ、のちのラーメン界に影響を与えたレジェンドだ。
創業者の田村満儀氏は脱サラし46歳で店を立ち上げた。横浜家系繊細で淡麗なスープで創業直後から人気を博し行列店に。一時期は、新宿のルミネエストや品達品川、八重洲地下街、たまプラーザテラス、上大岡、学芸大学などに支店を展開していたが、現在は全て閉店。唯一残った本店で、2代目の田村芳明氏が味を守っている。
店内は L字カウンターに10余席と4人がけテーブル3卓。家族連れでも安心して食事が出来る。麺メニューは濃口醤油の「支那そば」、薄口醤油の「らーめん」、そして「塩らーめん」の3種をラインナップ。また、おつまみ三種盛や、パーコの乗った「くじら飯」やチャーシュー飯、支那竹飯といったサイドメニューも。
人気No.1は衣をつけてカラっと上げた豚肩ロース肉が乗る「パーコ麺」だ。またラーメン3種のうち一番人気が高いのは濃口醤油の「支那そば」だが、過去に何度か啜っているので、今回は券売機で最も左の列にボタンのある「薄口醤油味」のパーコ麺(1100円)に「味たまご(100円)」をトッピングし注文することに。
待つこと7分ほどで、存在感のあるパーコが乗った一杯が到着した。スープは豚骨と鶏ガラをベースに、昆布、煮干、野菜、果物を1つの寸胴で炊いている。煮込み時間は長すぎず短すぎず、3時間程度と聞いた事がある。薄口醤油のカエシは、塩味を僅かに強めに効かせており、これが麺と合わせた時に絶妙なバランスとなって現れる。
そしてスープも豚と鶏のコク、野菜や果物の甘み、魚介の旨味が一体となり絶品だ。そこに合わせるのはハリとコシのある細ストレート麺。先述の通りスープとの相性もしっかり計算されており、箸もレンゲも止まらない。パーコは、骨付きのバラ肉=スペアリブを使用する店が多いが、コチラでは豚肩ロース肉を使用。
一晩漬け込むというニンニク醤油の風味と、肉の旨味が合わさり絶品だ。ほか、黄身がサラリと舌で解ける味玉、シャキシャキの小松菜、細メンマ、ナルト、刻みネギ、香り高い海苔がトッピングされる。さすがレジェンド、今なお色褪せない一杯だ。あっという間に完食した。ぜひ一度、味わってみて欲しい。
<店舗データ>
【店名】 らーめん くじら軒 横浜本店
【住所】 神奈川県横浜市都筑区牛久保西1-2-10
【最寄】 横浜市営地下鉄「センター北駅」徒歩10分