武蔵家総大将が地元・金町に渾身の一店
駅周辺で再開発計画が進行中の葛飾区金町。2021年8月、南口側に地上21階のビルがお目見えした。上層階はマンション、下層階は葛飾区の複合サービス施設「カナマチぷらっと」や病院、学習塾、コンビニ、飲食店など12店舗が入居する商業エリア「BELL TORRE 金町」となっている。ちなみに「BELL TORRE」とは「鐘の塔」の意味。
この商業エリアの1階に8月8日にオープンしたのが「ラーメン三浦家」だ。コチラは新中野に本店を構え23年、暖簾分けや独立は80数店という家系の名門「武蔵家」の総大将・三浦慶太氏が地元・金町でオープンした話題店である。現状は午前11時から夜8時までの通し営業なのだが、昼飯時を外したアイドルタイムでも行列が。
待ちスペースを示す店前の看板には「先頭から5組様までお先に食券をお買い求め下さい」の文字が。食券購入後、待つこと10分ほどで着席した。麺メニューは家系の「ラーメン」一本勝負で、麺量やトッピングを追加出来る仕組み。チャーシュー、味玉などはもちろん、珍しい所では「岩手・大船渡直送の穂先わかめ(100円)」なんてのも。
今回は券売機で唯一の赤文字表記「上ラーメン(850円)」を麺の固さ・味の濃さ・脂の量いずれもノーマルで注文することに。「上」は海苔5枚とチャーシュー2枚、味玉、ホウレン草、コマ切れチャーシューが乗るのだが、その上の「特上」になると海苔は8枚、チャーシューは4枚にグレードがアップする。ライス無料なので、そりゃもちろん。
茶濁したスープは店内でしっかり豚骨を炊いたヘビー級。嫌な臭みは皆無でコクと旨みたっぷり。こりゃ旨いスープだ。そこに醤油のカエシがビシっと効いた王道の家系である。平打ち気味の中太麺は家系本流御用達の酒井製麺製。モッチリした食感でインパクトの強いスープに負けていない上、短めにカットされていて啜りやすい。
チャーシューはスモーキーなモモ肉で、しっとりした食感がたまらない。コマチャはより燻製感が強く良いアクセントに。ほか、黄身ネットリの味玉、有明産二回汐の海苔、たっぷりのホウレン草が乗る。なお卓上にはニンニク、無臭ニンニク、一味の醤漬け、黒胡椒、一味があるが、スタッフに言えばお酢、豆板醤、生姜も用意可能だ。
スープ、肉、海苔、玉子・・・どのパーツも旨いのでライスが進むこと進むこと。思わずおかわりしてしまった。味も接客も細部にまで気を配って生み出した一杯、あっという間に完食した。こりゃ、巷にあふれるなんちゃって家系では全く歯が立たないな。次回は九条ネギや大船渡の穂先わかめをトッピングしてみよう。楽しみ。
<店舗データ>
【店名】 ラーメン三浦家
【住所】 東京都葛飾区金町6-5-1
【最寄】 JR常磐緩行線「金町駅」南口徒歩1分