茨城県内最後のSAで茨城大勝軒の味を
常磐自動車道上り線、谷和原ICと柏ICの中間に位置する守谷SA「Pasar守谷」へ。上り線SAは2014年3月に、下り線SAは翌年7月に工事を終え、それぞれNEXCO東日本が展開する商業施設「Pasar(パサール)」に生まれ変わった。なんでも、大規模災害が発生した際には、被災地への支援拠点としての役割も担うそうだ。
建物は広く店舗も充実。長方形の広い客席をグルリと囲む形で飲食店や土産屋が並ぶ。ラインナップも名古屋コーチンの親子丼「鶏三和」、ステーキの「COOK BARN」、お好み焼き「ぼてぢゅう屋台」、茨城のローズポークや釜揚げシラスを食べられる「もりの市場食堂」、本格的な洋食が食べられる「Forest Grill」など多彩だ。
今回は「茨城 大勝軒」を利用することに。運営するのは茨城県内を中心に多くの店舗を展開する「麺屋こうじ」グループだ。元々は東池袋大勝軒・山岸氏の元で修業した田代浩二氏が、龍ヶ崎市佐貫に大勝軒を創業したのが発祥。店は人気を博し、徐々に店舗数や「角ふじ」「常勝軒」といったブランドも拡大していった。
また、松戸「とみ田」、亀有「つけ麺 道」、新小岩「つけ麺 一燈」、東十条「ほん田」と、名だたる行列店の店主を排出してきた名門でもある。店舗数が拡大するにつれ、ビジネス路線の色が強まりチープ化したという嫌いもあるが、それでも常磐道の茨城県内ラストのSAで啜るには、悪くない選択肢だ。
メニューは濃厚スープの「もりそば」「中華そば」に加え、清湯の「地産醤油ラーメン」「芳醇塩ラーメン」も提供。100円で麺大盛りも可能である。今回は「濃厚中華そば(1070円)」を特製でオーダーすることに。なお、券売機でチケットを購入しカウンターに提出すると、バイブ式の呼び出しベルが手渡されるシステムになっている。
スープは豚骨・鶏と、節や煮干の魚介を合わせた濃厚なもので、甘めのカエシが特徴だ。そこに中太で柔らかな麺を合わせている。麺とスープの絡みが良く、結構スルスルと啜れる。味玉、豚バラチャーシュー、メンマ、海苔、ナルト、ネギ。トッピングはチェーン店感が丸出しではあるが、いずれもそれほど悪くはない。
後半、甘めのスープが重く感じてくるので、カウンターの胡椒などで味に変化をつけると良いだろう。SAのラーメンとしては上出来だ。他人の皿に失礼だが、つけ麺は通常店舗のクオリティの再現性が低そうだったので、中華そばの方がオススメか。ちなみに、下り線SAには「せたがや」があり、そちらも気になるところである。
<店舗データ>
【店名】 茨城大勝軒
【住所】 茨城県守谷市大柏166
【高速】 常磐自動車道「守谷SA」上り