あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

タクシーの相乗り

2015-12-26 11:11:23 | 北京の思い出
 見ず知らずの人とタクシーの相乗り、など日本では考えられまい。
 まぁこれがある意味、当たり前なのが中国である。

 2014年8月の投稿で、北京市内から空港まで、中国人の女性との相乗りを
書いたが、実は、その後、出張先でもっとすごい相乗りを経験した。

(前回の相乗り記事)


 南部のある開発が遅れている州の州都でのこと。

 ホテルに配車を頼んでも30分後とか、使えない返事が返ってくるだけ。

 移動手段はタクシーくらいしかない、ホテルの前の道で探すが、これがつかまら
ない。
 「空車」を止めても、空車じゃない、乗客がいるのである。
 何台止めても同じこと。
 
 同僚と相談、察するに相乗りなんだと、行先も値段も交渉じゃなかろうかと。

 また止めてみる、行先を告げると、手を横に振って、発進。
 これを繰り返すこと3台目が、「乗れ」との合図。

 さて値段だ、50元と割と高めに言ったつもり。
 OKとのこと。
 二人分で50だぞと、念を押して乗り込む。

 どこに向かっているのか分からないが、空港を指すマークがあって、目的地付近
へ向かっていると思いきや、なんやら路地に入っていく。
 先客が右や左と、指示をして、下車。
 メーターより安めのお金を払って降りて行った。

 本線らしき道に戻り、あとは空港付近のある場所を目指す。
 ちゃんと行ってくれたし、交渉通りの50元だった。
 もちろん、先客の支払分があるので、メーターよりも安い。

 なんとか、時間に間に合った。
 よくぞ、しのげた、二人で笑った。

北京猛虎会

2015-12-23 17:58:38 | 日記
 阪神ファンなのだが、どうも徒党を組むことが嫌いなので、
阪神ファンの方々とは一線を画している。

 実際に甲子園でも、1塁側にいたのは高校生まで。以降は3塁側、レフトスタンド
が定位置となった。

 さて、北京にも猛虎会がある。
 ある居酒屋さんが事務局兼テレビ観戦での応援会場となっていて、居酒屋としても
有名店でもあったのだが、阪神ファン嫌いが災いしてか、とうとう2年間で1度も足
を運ばなかった。

 そんな北京猛虎会が、なんと先日、片岡バッテングコーチを北京にお招きし、
ご講演をいただいたというニュースが入ってきた。

さておき、PM2.5大気汚染がひどい状態で、市民生活を相当制限する「赤色」
警報のなか、北京をご訪問いただき、拙者も懇意にしていただいた某日本料理屋にて
講演会などをなさった様子。

 自宅でのんびりと、ときにはボヤキ、愚痴りながらNHKの国際放送で野球を
観る、そんな見方が自分には向いていたようだ。
 今と大して変わらないような気がする。

高倉健さん1周忌に(その4)

2015-12-20 17:41:07 | 日記
 思いがけず、その4まで来た。
 LCCの代表格として、日本語が通じない、シートのピッチが狭い、飲み物や食事は
有料(別料金)、それでも中国人でいつも満席、といったありがちなレポートが繰り返
された、春秋航空。茨木や関空から中国に路線を持ち、拡大を志向している。

 さて、LCCと健さんに何の関係が、と訝るのも無理はないが、なんとここの創業者は、
またもやあの映画「君よ憤怒の河を渡れ」で人生が変わった、変えた人の一人であった。

 映画の主人公は、検察官という立場を捨て自分の意志で、生きていくことを決意するという
のが、ラストシーンなのだが、このお方、当時は上海で公務員だったのに辞めて旅行社を
始めてしまった。当時はいま以上特権階級の公務員を辞めるという判断は、誰にも理解され
なかったそうだ、それはそうだろう。

 これからは外国人向けの旅行社と思ったそうだが、そう一気に変わるわけもなく、冷や飯
喰らいが続いたという。
 そこから始めて、いまでは億万長者。成功したからテレビに出れたのかもしれないが、
ここまで、人の人生を変えてしまった健さん、やはりすごい。

高倉健さん1周忌に(その3)

2015-12-19 10:08:28 | 日記
 その2で書いた、駄作(あくまでも、くまねこの評価)は多くの人に影響を与えたが、
その中の一人に中国を代表する映画監督がいる。

 隠し子、というか先日廃止された「一人っ子政策」に反した第2子以降の反則金
の件でここ3年くらい報道で話題となっていた(一説には26億円相当(当時の為替相場による)
を収めさせられた、とされる)、張芸謀(チャン イーモウ)監督である。

 張監督、文化大革命で田舎に追いやられていたが、この映画に刺激されて映画の道を志し、
北京の名門、北京電影学院に進む。

(張監督を解説するウィキペディア)

 三国志の名場面の一つをそのまま題名、モチーフにした『単騎、千里を走る。』で
張監督のもと、健さんは主役を演じることになる、のだが。

 この撮影に同行したドキュメンタリーを観た。
 健さん、知らなかったけど、すごい、すごい人だと思い知らされた。

 世界的監督が起用を熱望し、数年の交渉の末に実現したわけだが、世界的監督が
尊敬する俳優は、実際に仕事を共にしたら、監督も共演者もスタッフも皆が尊敬する
お人柄。
 ドキュメンタリーはそんな健さんの姿を追い続けていた。

 健さん伝説はことかかないと思うが、本当に座らない。
 そうすると皆が座らない。
 出番がなくても撮影に立ち会う。
 健さんがいるだけで、緊張感が違ってくる。
 反面、エキストラ、とりわけ子役には優しく、それも初対面の子役と関わり方は、
二人の役としての関係に応じて、最初はあまり接さず、少しずつ時間をかけて優しく接する。
 すると子供は次第に懐いていく。映画での役柄のとおりに接しているのだ。
 言葉もわからないなかで、多くの中国人と接していく。それも役の設定どおりであるが、
少しづつ言葉を覚え、挨拶を交わしていく。

 うーん、プロとはという風な目線で感心させられた。
 正直、任侠モノのイメージが強く、あまり好きな俳優さんではなかったが、今更ながら
遅まきながら没後ではあるが、ファンの一人に加えていただけたらと思う。 

高倉健さん1周忌に(その2)

2015-12-17 23:15:38 | 日記
 山口百恵とビートルズが一緒にやってきたと言われる中国。
 外国映画は、旧東欧諸国のものくらいだったところに、やってきたのが
健さん主演の「君よ憤怒の河を渡れ」(原作 西村寿行:中国題「追補」)
であった。
 西側の映画初公開といったところ。

 ネタばらしを避けるが、なんてことない娯楽映画で、ストーリーも作りも
雑な感じがする。首をかしげたくなるような展開も多い。

 とにかく大ヒット、映画館やテレビで何度も見たという人が多い。
 検察官でありながら追われる身になる、健さん。
 信念をまげず、悪に立ち向かう。

 正義、愛情、自由といったキーワードでかの国の人たちは熱狂したようだ。
健さん追悼のドキュメンタリーやドキュメンタリーの再放送でも、ほとんどの
老人は、「ラーラーラー ララララーラーラー」と映画のテーマを口ずさむことが
できていた。

 考えれば共産党批判につながりかねないこのような映画をよく公開したものだ。
 それとも映画の世界で、不満を解消してもらいたかったのかもしれない。

 健さん以外にも、豪華キャストのこの映画だが、個人的には、アクの強い
役どころの、原田芳雄さんの演技が秀逸であると思っている。