大きなかぶ農園の日々

じじとばばのゆるい暮らし

左手のフルーティスト

2024年08月06日 08時10分09秒 | 書籍紹介

  

〈左手のフルーティスト〉音楽之友社 1800円+税 

 

10年以上も昔、畠中さんのフルートを初めて聴いた。

アヴェマリアの音色が思いがけず心臓から入って全身にさざ波のように広がっていく。そして幸福に包まれた。

(なんだこれは?!)その時の驚き衝撃。

その日から色々な音が気になり出し、コンサートでバイオリン、ピアノ、人の声、テレビの中の音などなど手当たり次第音に耳を澄ませてみると

はっきりと心臓から入ってくる音と頭から入ってくる音に分かれた。

その時の自分の身体と共振共鳴する音が心臓から入ってくるのではないか、、、と思っている。

「ハートを射抜く」という言葉があるがこれなのか?

色々な音を聴いて他の人の身体はどう反応するのだろうかという興味がある。

 

2年ほど前、偶然にラジオで知った。

畠中さんが2011年5月に脳出血で右半身麻痺となり、懸命なリハビリを経て復活し、音楽活動を初めたこと。

そして今年の4月、「畠中さんの本が出たのよ」とみちこさんがこの著書を持って大きなかぶに来た。

みちこさんは近所に住み、木製フルートを制作する山田ピッコロ工房の奥さんだ。フルートを吹く畠中さんを中学生の頃から知っている。

ご主人の山田和幸さんが畠中さんの依頼をうけ左手ですべての音を出せる世界でひとつの特別なフルートを完成させた。

このフルートを相棒として精力的に活動を始めた畠中さん。

2012年2月に脳挫傷で前頭葉を失って復活した息子とも重なり、心の底から愛おしくてならない。

ましてや、奥さんのさおりさん、ご両親、山田さん夫妻、親しく関わってきた大勢の人たちも同じ思いであろう。

 

その彼が長沼に仲間とともに活動拠点を構えることが決まった。

大きなかぶのD型倉庫に小さな音楽ホールを作り皆が集って音楽を楽しむことができる。

同じ空間で採れたての芋をかまどで茹でてたべたり、トマトやきゅうりにかぶりついたり、畑の作業を楽しんだりする。

彼らの夢(心の栄養・音楽や芸術)と大きなかぶの夢(からだの栄養・農業)が今翼を持って羽ばたき始めた。

 

 

 

 

 

 

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