「おい、誕生日に何が欲しいか?」 (・・え・・・??) 夫の口からそんなセリフこれまで一度も聞いたことが無い。
「欲しいものは無い。毎日トーチャンが元気で好きなことして 機嫌良く生きててくれるのが一番のプレゼントだよ、マジで」
「な、JRのフルムーンで新幹線乗り放題7万円、高知に行くべ」
(なんだ、自分が新幹線乗り放題したいんだ、、、、そんなことか)
「あら、いいね!行ってきたらいいよ。一人で。カーチャン家でひとりで居るのが極楽。1週間の留守はシッカリ守る」
「ひとりなら安くならない」(。そこか。。)その話10年前なら乗れたが。。今、新幹線乗り継いでの高知行きは遠慮する。
毎週届く高知からの野菜や鰹節などの生産者を訪ねたいと常々思ってはいるが、、、新幹線乗り継いではね、、、
この計画は夫の頭の中で粛々と進んでいたようで、すでにO夫妻に犬猫の世話を頼めるかと打診までしていたようだ。
結局夫が企んだ1週間の旅は、金土で登別温泉。帰ってきて犬猫にご飯食べさせ、月火で支笏湖丸駒温泉へ。
【誕生日の妻を温泉に連れて行った】という夫の面目と、妻の【夫に付き合ってやった感】は融合した形となる。
10年前の3/9夫の父の1周忌に合わせ、JRのフルムーン10万円で乗り放題、札幌発トワイライトエキスプレスで大阪着。
新幹線で広島に、旧知の友人宅に1泊し、翌日3/11日宮島を見物した後ホテルのテレビで大津波の映像を見た。
12日の父の法要は中止となり、その日に開通した新幹線さくらで急遽大分の友人を訪ねる。14日午後東京へ。
東京駅で娘夫婦と待ち合わせ無事を確認し合い食事した後、義弟宅町田に向かう。駅到着直後東急も不通となる。
15日朝、町田から羽田行きのバスも道路も大混乱との情報、どうなるか分からないが駅前のバス停に行ってみると
偶然バスに乗れた。道路はガラガラ。空港は昨日まで大混乱だったそうだが静かで空席もあるという。
「上野に行ったらトワイライトエキスプレスが動いているかもな、、」夫は制服を着た数人の人に状況を確認している。
羽田から一体どこまで行けるのか誰も分からない事態の時に、まだトワイライトエキスプレスの旅を諦めずにいた。
「ヒコーキ代どれだけ高くても今すぐ帰ろう。」とその時点で一番早く飛ぶ便のエアDOのカウンターに並んだ。
後ろの長い行列が気になったが、係の女性が私達ふたりの道民割引の手続きを笑顔で根気よく時間かけて完了。
(ありがとう!これからはエアDO最優先で)と固く心に決めたはずだったが、、そのあと格安航空が次ぎ々参入し、、、
エアDOさんのあの時のご親切すっかり忘れていた。緊急時の落ち着いた仕事の姿勢を思い出し今頃胸が熱くなる。
必ず来るという大災害を回避せんとこの場所の暮らしを選んだにもかかわらず、その日は家を離れて流れ者。
一寸先何が起こるか分からない、それが人生。一瞬一瞬が人生。ぼーっとしてたら銀河の藻屑。。。。。
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