先日韓国ドラマのテレビを見ました。中国でも韓国の王室のドラマでも、漢方生薬のことは良く話しに出てくるので東洋医学的に面白い。
イサンが疫病にかかった父王に、朝鮮人参を飲ませたらかえって発熱と呼吸困難に陥りました。重臣たちは人参の服用を反対しますが、イサンは瞑眩(メンゲン:好転反応)だと言って人参を飲ませて王様を助けます。
西洋医学では血圧が高くなれば、それを抑える薬。アレルギーになれば免疫を抑える薬を出します。人体のホメオスタージスは考えていません。出る釘を打てばよいのです。割合単純な理論です。西洋医学では病気が決まれば治療法も決まっています。病人の状態とは関係ありません。
東洋医学は人体のバランス力、調和、均衡、ホメオスタージスを考えて、患者さんの陰陽虚実を見て患者のホメオスタージスのクラウド(病気に対抗するためのバランス力の塊)の中に戻すことを主理論にしています。ですから東洋医学は個人重視なので、比較的副作用や出にくく全体的に元気が出ます。また身体のクラウド自体がバランスをとり丈夫になるので、思わぬ別の症状も良くなることもあります。しかしながら病気を自力で追い出す時に、病気との激しい戦争が起こることがあります。それが瞑眩なのです。
多の自然療法が加わる統合医療になると、病気が画期的に良くなることがあります。しかも治療を辞めても、一旦人体のクラウドの中のホメオスタージスが健全になると、そのクラウドの中から落ちてくることが無く、結構長持ちしなかなか再発することがありません。しかし、人は喉もとを過ぎると熱さを忘れてしまい、手前勝手な自信で、気楽に治療を中断してしまう人が多くいます。ところが生活や食事のメンタルの反省がなくなると、ホメオスタージスがもっと崩れ、しばらくしてから、もっと大きな病気が出てくることがあります。私はいつも昔から苦い思いをしてきました。
たとえばガン患者さんの霊芝服用を例に取ると、霊芝は苦く美味しくないので、また煎じるのに手間がかかるので、良くなると中断しがちになります。また悪くなると今度は手に負えなくなるために、何時でも何処でも手軽に飲めるように、継続できるように霊芝のティーパックを作ったわけです。
ガンになったら切り取り、焼いて、抗がん剤を打てばおしまいではありません。患者さんのホメオスタージスの3角形が強固になる努力を私の3段論法で行わなければ再発してくる危険が大きくなります。
統合医療は一生続ける医療なのです。西洋医学のように完結型ではありません。