細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●「シンデレラマン」のアメリカン・ドリーム。

2005年06月23日 | Weblog
●6月23日(木) 13-00 六本木<ブエナビスタ試写室>
M-088 「シンデレラマン」Cinderella Man (2005) 米
監督・ロン・ハワード 主演・ラッセル・クロウ ★★★★☆☆
2年前にハリウッドの友人でキャスティング・ディレクターのジェーン・ジェンキンスの車に乗ったら、座席に無造作に置かれていたのが、この作品のシナリオだった。
彼女が担当した「ビューティフル・マインド」と同様にラッセル・クロウの主演なので、その時は大して話題にならなかった。テーマがリターン・マッチで返り咲きしたボクサーの自伝だというので、「ロッキー」と同じだなーと思っていた。
しかし、最近のメールでは、「ボクシング映画ではなくファミリーの映画よ」というので、余計に心配になったのだ。
ま、良くて「オールド・ルーキー」か。と感じたのだ。
ところが、映画はまさにドラマと同じで、15ラウンドまでダウンしない。30年代の「グラディエイター」のリベンジは、あの大不況からの脱出なのだ。まさにアメリカン・ドリームの原点を見るような勇気を感じた。
美談といえばそれっきりだが、いかにもアメリカらしいパワフルなハッピーエンディング。
「タイトルよりは、タートル(亀)を子供に持ち帰りたい」
トレーナー役のポール・ジアマッティは、またオスカーにノミネートされるだろうし、作品も最終ラウンドまで残るだろう。

●「サヨナラCOLOR」の殉職。

2005年06月23日 | Weblog
●6月22日(水)13-00 渋谷<東芝試写室>
M-087 「サヨナラCOLOR」2005(日)
監督・竹中直人 主演・原田知世 ★★★☆
中年純愛ロマンティック・コメディーだが、ストーリーは意外とマジ。
学生時代に片思いしていた美女の知世が、子宮ガンで入院してきた。病院医師の竹中は自分の体調も無視して献身的治療をする。しかし、彼女が退院の日、彼は倒れてしまう。純愛医師の殉職は哀しい。
ところが演出がやたらテレビ・コミックのタッチなので、感情移入できない。
「無能の人」や初期の渋くてアイロニー豊かな竹中タッチで見たかった。