細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ボン・ボヤージュ〜家族旅行は大暴走』のノン・ストップ・爆走コメディケッサク!!

2017年07月03日 | Weblog

6月26日(月)13-00 外苑前<GAGA試写室>

M-073『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』" A Fond " (2016) Chic Films / La Petite Reine Production / M6 Films / Wild Bunch 仏

監督・脚本・ニコラ・ブナム 主演・ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ <92分・シネマスコープ> 配給・GAGA

フランス人家族のバカンスは、正に、ほぼ夏の間を休むように、まさに長期の休暇となるので、「かくも長き不在」「田舎の日曜日」のような名作もあったほど、街は閑散。

われわれ都会人の夏休みは、ま、故郷への帰省とか避暑地への小旅行というレベルだが、フランス人の、とくにパリジャン家族は、かなり長期の本気なバカンスとなる、ようだ。

ゴダール監督の「ウィークエンド」では、その狂騒ぶりをチャカしていたが、この新作フランス映画も、ある都会人家族のサマー・バカンスの狂騒ぶりを描いて、実にケッサク。

ストーリーは単純で、パリで豊胸手術や、老嬢のシワ取り手術の専門の整形外科医ジョゼは、妊娠中の妻カロリーヌ・ヴィニョと二人の悪ガキの家族だが、新車でのバカンスに向かった。

恐らくは南仏かイタリア方面へのドライブ旅行なのだが、行く先はともかく、この映画はその恐怖のドライブの行程をひたすらに追うという、全編「スピード」のようなドライブ映画だ。

妖しい整形手術で大もうけしたジョゼ一家は、最新システム搭載の名車<メデューサ>を月賦で購入して、このバカンスはその試運転旅行ともいうべき、お楽しみ旅行の筈だった。

新車は赤のワゴン・スタイルで、家族4人での旅行には充分だが、発車直前で祖父が強引に同乗してきたが、それを「メロ」や「アメリ」などのフランスの名優アンドレ・デュソリエが演じる。

パリ郊外のフリーウェイに入って、運転のシステムを自動マニュアルにして、130キロというスピードで快適なドライブをはじめたが、アクセルが戻らないというトラブルが発生。

ケータイで販売担当業者に連絡したが、これがまたイージーなおっさんで、その操作システムをロクに知らないので、暴走する家族は、とにかく走行車の中でスピードを落とす工夫をする。

ところが、この最新のスーパー・カーは、走行中のマニュアル操作変更を受けつけないので、さて、映画はそれからはストップするまでの、まさに決死の<ノン・ストップ>コメディとなる。

とうとうこの暴走車を止めようと、パトロール警官たちも追跡して側道を走らせて止めようとするのだが、この新車のメカニック知性は、ノーテンキなポリス・オフィサーの追跡を退ける始末。

ま、90分ほどの決死の追跡行は、スピルバーグの処女作「激突!」を無視するような疾走で、とうとうヘリコプターでの救出作戦となり、新作「カーズ・クロスロード」すらも追いつけない。

 

■セカンドベースに当たり、塁上でコースを変えたボールが転々のスリーベース。 ★★★★+

●7月22日より、新宿ピカデリー他でロードショー


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