細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

光   著者 道尾秀介

2015-05-30 15:18:43 | 読書メモ ま行

《内容》

真っ赤に染まった小川の水。湖から魚がいなくなった本当の理由と、人魚伝説。洞窟の中、不意に襲いかかる怪異。ホタルを、大切な人にもう一度見せること。去っていく友人に、どうしても贈り物がしたかったこと。誰にも言っていない将来の夢と、決死の大冒険―。   (紹介文より)

 

―――唐突に、鼻の奥がつんと痛くなった。暗がりの中に浮かんでいた電灯の豆電球が、視界の中心でじわりと滲んだ。強く両目を閉じると、咽喉の奥に涙の味がし、いまこうして布団の中でじっとしていることが、どうしようもなく恥ずかしく見えた


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