最近、気になることがあります。葬儀のご依頼をお受けしますと、私は、必ず、お人柄、お仕事、ご趣味などをお聞きするのです。
法名の字を、お経の中より選ぶ参考にしたい為です。ある方は、多趣味で、友人が多い、明るくて、人気者ということでした。
これは、参列者が大変多いのではないか思い、葬儀の会場に参りますと、あれ？会場が閑散としていて、会場間違えてしまったのか
と心配したりします。葬儀社の方に、今日のお参りは多いのでは？と聞くと、いえ、家族葬で勤めるそうです。とのこと。
友人が多いというお話だったのでないかと、疑問に思うことがあります。実は、このような葬儀がとても多いのです。
この前、法事であるご家族と、お話をしておりますと、主人は、元気な時、友人がとても多かったのです。でも、病気になり、友人の皆さん
に来てもらうのは、申し訳ない、迷惑がかかるから、家族葬にしてほしいというのが遺言でした。
たぶん、友人の皆さんには、自分の元気だった姿だけを記憶していて欲しいとの思いがあったのかなと思います、そういう、他人に
気を使ってばかりの優しい主人でした。
私は、その話を聞いて、近年、家族葬が多くなった一つの理由があるのかもしれないなと感じました。
私は、まだ、副住職で勤めはじめた頃は、まだまだ、家族葬などという言葉はない時代でした。
葬儀といえば、多くの参列者が当たり前、隣近所、会社関係の方など、たくさんのお参りがありました。
通夜の読経中にも、隣の会場からお酒や食事をしながら、大笑いの声が聞こえてきて、ずいぶん、騒がしいな～と感じることが多かったのですが、
家族葬が多くなった今では、懐かしい感じがします。
今では、逆に、寂しい参列者なので、もう少し、にぎやかな方がいいかな？と思ったりします。
