今日も凄い暑さでした。もし、本堂にエアコンが無かったらと思うとぞっとします。私が、小学生の頃は、境内のシラカシの大木のお陰で、扇風機だけで、本堂内は、充分涼しかったのですが、今は、エアコンと扇風機を、5台使っております。それで、何とか、喪服を着てくださる、お参りの方に対応しております。今日は、法事がお寺で三件ございました、また、お蔭様で永代供養墓へご納骨をして下さいました。さて、いつものとおり、話しは変わりますが、ある有名大学に入学した学生さんの話では、親から、一度も勉強しろと言われたことがなかったとか、ご両親からも、子供に勉強しろと言ったことはないとかという、体験談を聞かされると、皆さんは、どう思われますか?私は、その子供さんのモチベーションは、どこからきているのだろうか?と思います。子供さんが、もともと優秀なのか、親御さんが、そのように子供をうまく導いているのか?でも、どんな子供でも、親の期待に応えたいのです、親に喜んでもらいたいという気持ちがあると思います。私も子供だったから、分かります。私の子供たちは、みんな、社会人になりましたから、もう手遅れですが、今でも、勉強しろと怒ってしまったことを、思い出す時があります。手を出してしまったことを、悔やむこともあります。もし、もう一度やり直す事が出来るのではあれば、期待はしないで、何も言うのはやめようと思いますが、また、同じ事の繰り返しかもしれません。私は、子供のためと思って、勉強しなさい、そうすれば、いい学校にいけて、いい会社にはいれて、良い方と巡り合えて、幸せになれる!と信じてました。もしくは、手に職を付けなさい、世の中から必要とされる人間にならないと、食べていけない、家族を養っていけないと思ってました。今の親御さんは、子供さんたちに、どんなことを願うのでしょうか?世界に羽ばたきなさい!とか、自由に生きて良い!でしょうか?私の父は、高校の先生でした。私の兄弟3人は、結構、プレッシャーでした。親が、教師だと、成績が良くて当たり前という風潮の時代でした。私の弟が、昔言ってたのは、父から、「偏差値の高い学校が良い学校ではない、おまえの入学した学校が良い学校なんだ」と言われたと言ってました。私の父も、子供には、あまり、うるさく言いませんでした。それが、学校の成績もスポーツもぱっとしなかった、私にも、救いでした。地元の中学でたとえ、成績が優秀でも、進学した学校では、もっと、頭の良い人間がいる、そして、高校で優秀であって、大学ではもっと頭の良い人間がいます。良い会社に入っても同じ事、結局、他人と比べだしたらきりがなく、メンタルを壊してしまいます。今の時代は、大学に行くのは、当たり前の時代になりました。逆に、子供が減り、大学が経営難になるなんて、私の時代には、考えられませんでした。今、80代後半の方の葬儀が、一番多くお受けします。私は、葬儀の前に、ご家族にどんなお人柄でしたか?、どんな人生でしたか?とお聞きしますと、浄土真宗の方は、神奈川県のご出身ではなく、九州や山陰、山陽、北陸、北海道などの方が多いので、中学を出て、東京に出てきて、苦労して苦労して、家族を支えてくれたというお話をよくお聞きします。家族は、その後ろ姿を見ていますから、こんな時代でも、ちゃんと通夜・葬儀をされます。亡き方を粗末にする人は、やがて、自分が粗末にされます。学歴がなくても、財産がなくても、その生きざまは、子供や孫から尊敬されています。最近、法話の中で、阿弥陀如来と私の関係を、親子にたとえる話はあまり聞かなくなりました、偉い布教使の方もおっしゃていましたが、聞いている方の心に、響かないようです。でも、今も親子の関係は、阿弥陀如来と私の関係そのものです。親は、子供を何よりも大切にします。私は、産まれてきて、親に、「どうか、宜しくお願いします」とお願いした記憶はありません、気づいたら、育ててくれていました。阿弥陀如来の救いは、いつでも、先手の救いです。私が、願う前に、既に、救われていたのです。しかも、どんなに、逃げても逃げても追いかけてきて、救うと親鸞聖人は、お示し下さいます。見捨てることがない救いです。人間の親子の関係は、難しいですが、今も、親は子を想い、子は親を想うのは、今も昔も変わっていないと思います。
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