Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

宇野千代さん

2005年12月16日 | 読書
また本の話です。

宇野千代さんの「生きて行く私」を再読。
とにかく自分の思ったことをすぐ行動に起こす女性です。
その行動力たるやすばらしいものがあります。

さらに注目したいのは、決して人を縛りつけようとしない、運命の流れに身を任せている、でもその中で自分のしたいことを体を張ってしていく・・・・という読んでいてあっけにとられっぱなしの人生を送ってらっしゃる。
百歳を目前にして天寿を全うされたようです。

すばらしいフレーズをひとつ。

●人が聞いたら吹き出して笑ってしまうようなことでも、その中に、ひとかけらの幸福でも含まれているとしたら、そのひとかけらの幸福を自分の体のぐるりに張りめぐらして、私は生きていく。(中略) 幸福も不幸も、ひょっとしたら、その人自身が作るものではないのか。そして、その上に、人の心にたちまち伝染するものではないのか。とすると、自分にも他人にも、幸福だけを伝染させて、生きて行こう、とわたしは思う。

このように生きることはとっても難しいです。
でも自分が本当に幸福に思うときは他人にもその光みたいなものを発することが出来るな、と最近思います。
そういうときに人々がそれに答えるような笑顔を向けたりするときに、その幸福感が倍化します。

●人間同士のつき合いは、この心の伝染、心の反射が全部である。何を好んで、不幸な気持ちの伝染、不幸な気持ちの反射を願うものがあるか。幸福は幸福を呼ぶ。幸福は自分の心にも反射するが、また、多くの人々の心にも反射する。

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21 コメント

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文芸 (北村隆男)
2005-12-17 00:06:35
宇野千代さんは好きです。あの方の業績、生き方は大正、昭和という文芸が最後の光芒をはなっていた時代の残滓を感じます。
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人としてこうするべき (ひかり)
2005-12-17 09:13:00
という定義が崩れていく、宇野千代さんの人生ですね。瀬戸内さんも驚きの半生です。あれだけ自分の思いのままに生きて、いまは説法しているのだから、世の中やった者が勝ちなのでしょうか?ひかりは到底できかねますがね。



相手がかわいそうとか、気の毒とか思える人は、結局は損をしながら生きて行く運命かな?



以前会社に行っていた頃、旅行参加の招待人数が限られていて、(それが沖縄でした)たった一人が行けない。と言う事態がありました。

誰も行きたいですから、「私が行きません」とは

言いません。会社も行かない人を選ぶわけには行かず困っている様子でした。



そうなの、ひかりが「行かない」と言いました。

なんでこう馬鹿なのでしょうね。



その時、今の主人も沖縄に行ったの。今でもその時の話を彼は無神経に私によく話すのよね。最も私が行きたかったのは彼は知らないからね



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自分の幸せ (との)
2005-12-17 09:46:46
幸せっていろいろありますね。

人を好きになっての幸せ、嫌われての不幸せ。

経済的な幸せ、健康である幸せ。また生きてる幸せ。

あまりにも幸せが続きすぎて幸せボケもいるよね。



これもみんな自分の心が決めてるよね。

他人からみての幸せはあんまり意味がないよね。

かえって健康でない人が、健康のありがたみがわかるし。

裕福でない人がお金に感謝も出来るしね。

欲ばかり出して結局人を恨んだりして、心が貧しくなる

やはり感謝できる人が、一番の幸せつかんでるような気がします。

でもやっぱり自由になるお金がほしい、これって欲の出しすぎかな?。

あ~~ジャンボ宝くじ当たったらいいな~~。
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>自分の幸せ (romarin)
2005-12-17 18:29:57
そうですね。幸せと言うのは自分が幸せと感じることですよね。

それって大変だけれど、できればすごいです。



私は大きな不幸を目の前にしたときはそれをいい方向に転換することの出来る人間なんです。(えっへん)



でも、小さな不幸の前には気弱に「自分は不幸」なんて思うときがしばしば。

甘えがあるのかな?



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つくずく似ている・・・ (romarin)
2005-12-17 18:37:23
ひかりさん、人のために自己犠牲を払うことはいいことなのかどうか、わたしもよく考えちゃう。

ひかりさんの書いてくださったお話も、大半の人は、ああよかった、と思うだけでしょうね。

時には、やっぱりあの人は行きたくなかったのよ、みたいに変に誤解されることもあるし。



でもそのときに、ひかりさんが、ああ、わたしが行かなかったおかげで、みんながいけた、と幸せな気持ちになればそれはすごいことです。



どうだった?
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僕の性格 (との)
2005-12-17 18:47:38
今晩は、ロマランさんは凄いねピンチに強そうだね。

女性は根性があるんですよね。



男性は大昔、狩にでると瞬発力が必要だったそうです。

だから一気に力は出るように、出来てるんだって。

女性と子供は、その狩をして、獲物を持ってくるの、じっと我慢して待ってるんですって。

だから辛抱強いし、根性があるんだって。



俺もさっと仕事やるけど、もう疲れた駄目休みます。

それにすぐもう駄目といってあきらめるんです。

だからダンスも上手くならないね、あきらめは凄くいいんです。

女性にもそうなんです、すぐかっとなって燃えるけど、相手がその気にならないとすぐあきらめる。

またよそ見しては、そっちにいったり、あっちにいったりです。

とらえどころのないのが欠点です。

結婚も見合いでした、(-^〇^-) ハハハハ。



これて小説に関係ないか、ごめんなさいね。

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幸福って時間がゆっくり流れますね (買い物小僧)
2005-12-17 23:16:25
きょう、井の頭公園の鳥の飛ぶ温室で汗ばむほどのあたたかさの中で、友と語り合いました。なにも飲まず、食わずで、温室のベンチで

あったかに話をずっとしていました。だんだんいい年齢になってくると、ときめくことがなくなっている自分に気づき、ときどき、友と語ると

とても気分がいいですね。幸せとは、時間がゆっくりと流れますね。結局、ものでもなく、なんなんでしょうね。またいつか、友と語り合いたい。それは、明日じゃなくても良くて、いつかふっと気が向いたときで、また、話ができたりする。そういうときをもちたいと思いました。
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幸福のとき (romarin)
2005-12-18 06:04:42
本当に、しみじみとした幸福のときを持つことは何物にも変えがたいです。

忙しさにかまけてなかなかゆっくりとした時をもてなかったりします。そういうときにふっと話し合いのときをもてる友達がいることは心の糧になります。



二年前でしたっけ、北村君と三人で中華料理店でお話したときとても充実した時間をもてて、ほのぼのとした思い出があります。
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年中行事 (ひかり)
2005-12-18 10:19:02
あの沖縄旅行では、誰も私が身を引いたとは知りませんから、みんなが帰ってから楽しそうな写真をいっぱい見せてくれました。



その時はやはり譲って良かったと思いました。しかしこの癖は治らないものですね。あれからも何回もそれようの経験がありました。ひかりも後悔しなけりゃ良い人なんだけどね。

そこまで聖人ではないひかりです。
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つらいところです。 (romarin)
2005-12-18 18:38:21
私も絶対聖人にはなれないな。



自己犠牲みたいなことわたしもよくやりますが、自己犠牲と思ったらもうだめですね。少し考えを変えよう。



このブログを書いていたら少し物の見方が変わってきました。効用ですね。(^^)
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