Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

5月6日閉伊川で捕獲された遡上サクラマス

2012-05-08 | 閉伊川調査
閉伊川では,岩手県内では唯一,河川漁業協同組合が自ら運営するヤマメ養殖場において地元小学生ととともに採苗を行い,春にヤマメを地元小学生とともに放流を行なっている。長年の漁業協同組合の努力により,毎年500本以上が捕獲されているという(文献:水口憲哉著「桜鱒の棲む川」)。三陸沿岸河川の中で最も多いようだ。

この日(5月6日),私は閉伊川で釣りをした。幸運にも,サクラマスに出会うことができた。あまり大きな個体ではないが,釣り人にとっては春を告げる待望の魚である。

サクラマスは,河川上流域で生まれ,1.5年ほど河川で生活したあと,春に海へ出,1年後の春に50cmの大きさになって再び産卵場へ戻ってくると言われる。遡上は春であるが,産卵は秋である。春から秋まではこの大きな体で半年間も河川で生活する。半年間の間に,卵を大きくして産卵に備えなくてはいけない。しかし,河川は海洋ほど餌は豊富ではない。そのため,春先に遡上するサクラマスは,よく肥えている。

写真のサクラマスは,おそらく長年の種苗生産努力によって,また好適な産卵環境によって,あるいは釣り人や住民の河川環境維持の取り組みによって,また恵まれた海洋環境によって,育まれた生命(いのち)である。

何とも愛(いと)おしい魚ではないか。閉伊川の恵みに感謝である。

2012年4月8日閉伊川の様子

2012-04-08 | 閉伊川調査
本年度の調査が始まりました。
月2度程調査を進めたいと思っております。
本日は水温が8度,気温10度,水位2(堰堤上20cm)だいぶ温かくはなっていはますが体感的にはまだまだ水温は低いようです。
雪融けも始まりましたが,まだ透明度は高いようです。
1mほど地盤が沈下して中潮の時には下流側が堰堤を越えるようです。

今年度より岩手大学との共同研究となりました。研究内容については今後随時紹介していきます。


閉伊川大学校の打ち合わせが開催されました

2011-02-05 | 閉伊川調査
閉伊川大学校の打ち合わせが開催された。議題は来年度へ向けてである。
今年度は,川流れ体験,さかなクン列車,閉伊川漁協の3つをおこなったが,それぞれ,宮古市,三陸鉄道,閉伊川漁協と共同主催という形で実施できた。

地元の方々によると参加した保護者あるいは関係各位から,ぜひ来年度も予算化してさらに強力に進めたいとのありがたいというお言葉をいただいている。来年度は4年目を迎えることになるが,新規のエデュケーターの養成や年間計画の周知方法等を工夫してさらに盛り上げていきたい。

サクラマスの棲む川

2010-11-26 | 閉伊川調査
「サクラマスの棲む川」の著者である水口憲哉名誉教授が来室された。氏によれば、サクラマス資源について数億円をかけた、ある県の事業、サクラマスの産卵場の事業が不発に終わったという。確かにサケと違い遡上後に直ちに産卵する魚ではない。数カ月間、河川で生活するうちに、好適な環境がなければ、産卵までこぎつけない。天然産卵ができるような環境を作るしか他はない。サケよりも回帰性が高いが放流ヤマメの貢献度はあまり高くなく、あまり調べられていない、という。その意味で閉伊川大学校のじみちな取り組みに期待したいとのお言葉をいただいた。
氏の本によれば、県内では閉伊川の遡上量が最大であるという。三陸の沿岸の中でも、サクラマスにとってまだまだ豊かな環境が残されている河川ということでだう。閉伊川大学校のスローガン「なあどか、すっぺす」の意味を噛み締めた。

三陸のサケは永遠に大丈夫か?

2010-11-25 | 閉伊川調査
http://www.kqed.org/education/educators/science.jsp
いわて三陸ではサケの遡上がいよいよ活発になってきた。
しかし、織笠川は例年になく遡上がないという。サケ祭も中止という。
カルフォルニア州は約4-50年前から不漁が続く。
日本がモデルにしたサケの付加水槽。「カルフォルニア式」は過去の遺産なのであろうか。
ぜひ、KQEDのビデオをみて欲しい。

サクラマスの遡上

2010-05-12 | 閉伊川調査
 閉伊川にはサクラマスの遡上が,毎年この時期観察される。なんと美しい魚なのであろうか?釣り師に聞くと,海の定置網でとれたサクラマスよりも,味はずっと良いという。年間100本は釣れるのだろうか?大変貴重な魚である。

 北海道では,河川に遡上したサクラマスは捕獲が禁止されていると聞く。北海道と同じような自然環境である岩手県は数多くの河川がありサケマスの産卵河川が豊富である。

 河川遡上のサクラマスを美味しくいただける場所というわけである。平泉にあるの柳之御所遺跡からサクラマスを食べた痕跡が見つかっているらしい。また,宮古市川井の小国川にもかつてはサクラマスが遡上したという。サクラマスとの付き合いは古いのである。

 サンフランシスコ周辺の河川でもさけの遡上が古くからあり,先住民の貴重な食料であった。しかし,飲料水,工業用水,農業用水を大量に組み上げ今や見る姿もない。

 同じ轍を踏まないよう,みなさんといっしょにしっかり自然を観察し見守っていきたいものである。

閉伊川水温12度水位3

2010-05-10 | 閉伊川調査
 閉伊川の水温12度水位は3(堰堤上部の水位約30cm)であった。金曜日の雨で水が出たという。今年は水温の上昇が緩やかで,ワカサギの遡上が見えないという。連休を過ぎてワカサギが遡上しないというのはこれまで16年調査を続けて初めてである。遡上していないのが,水温の影響なのかあるいは,個体数が減少しているのかどうかは明らかではないが,継続的な調査が必要である。写真:閉伊川大一堰堤を上流側から望む