Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

【緊急情報】閉伊川上流に火力発電所が建設される?

2013-06-29 | ツイッター
どうやら閉伊川上流に火力発電所が建設されるというのは本当のようだ。
木材を燃やすのでバイオマス発電との話であるが,実際は火力発電所である。その燃料となる木材は岩手県で生産される木材では不足する,とてつもない量だという。大型トラックが一日に何十台も必要な量だという。そのような木材はどこにあるのか?

心配は,水質汚染だ。通常火力発電所は沿岸部に作る。何故なら,温排水が大量に出るからだ。しかも温排水には生物に有害な薬品が含まれている。そのため,温排水付近の生態系が破壊され,有害生物が大発生して問題になる。排水基準はBOD,CODが8ml/L前後という値で,この値は「ひょうたん沼」の水質よりも悪い数値である。それ以上の数値は当然話にならない。東京湾の汚水処理場がある港南では10前後である。工場排水基準は16ml/Lのようであるが,この基準もとんでもない値だ。コイやフナも住めない。そのような危険なものを,豊かな水産資源に恵まれた場所に作れば,当然大問題になるであろう。事実,火力発電所からは一年中毎日,しかも24時間,20度以上の水が流れ,最終的に熱帯の海のような状態になる。

火力発電所の建設場所は,区界高原の裏側になる。国道から見えない場所。門馬小学校横を流れる黒沢川の付近。
ここの川は,天然のイワナが生息し,産卵場もあるようだ。全国的にも有名な場所だ。なぜ,このような上流域に作るのか?河川の状態が良くない都会の河川上流に作るのであれば分からないでもないが,なぜあえて,日本の水質基準で最高水準の場所に作るのか?ちなみに水産一級という基準はイワナ,ヤマメが生息する天然の産卵場。BOD,CODは1ml/L以下である。このような場所は本州では数少なくなっている。それをあえて破壊する必要があるのか。

それだけでなく,市民の飲料水のほぼ100%はこの閉伊川からとっている。水道水が美味しいと言われる宮古市だが,この先大丈夫なのか?水がまずくなったと市民が感じた時,元通り回復できるのか?

一番問題なのは,多くの市民が知らないことだ。新聞でも取り上げられていない。監督する行政はどのような対応をとっているのであろうか?環境審議会ではどの程度話題提供されているのか?少なくても今年度になって全く何も情報が公開されていないのではないか?
どのようなビジョンのもとに産業振興を考えているのか?

まず情報公開が必要だ。


水産科学技術は水産業に貢献するのか?

2013-06-28 | ツイッター
宮古水産物研究会,お二人の研究者に取り組んだ研究を紹介していただいた。
宮古は水産加工研究が盛んであるが,研究機関がない。その意味で,参加した方々から本当にためになった。
こうゆう話を聞きたいとずっと思っていた。という声を頂いた。

被災後,震災前と変わらない状態になっているが飽くなき商品開発への意欲は強い。
また,いかにして商品を販売するかという創意工夫にも熱心だ。
こうした努力が民間企業によって単独で行われていたようだった。

釜石の試験場は遠すぎる。私立大学はお金とメリットがないと研究してくれない。地元大学には水産加工分野がない。どこがしっかりとした水産加工支援をすべきなのか。

今回の講師から「私の敷居は高くない。いつでも,相談に乗る。」「小浜は水産物が宮古の10分の1もないが,収益性は高い。水産加工のネットワークを作ろう。」との呼びかけがあった。

これから,新しい取り組みがスタートする。

将来的には,明確なビジョンを打ち出しながら,食,教育,医療,産業が一体となった地域となることを期待したい。







復興支援プロジェクトin 県北

2013-06-27 | ツイッター

野田小学校に掲げられていました。環境が人を育てているんだと。

復興支援プロジェクトの一環で県北の小学校を回りました。久慈,野田村,田野畑村,岩泉町・・・
目に飛び込んでくるみどりがとてもすがすがしい。豊かな自然環境に圧倒されました。
そして,その自然の中で育まれる子供たちのたくましい姿が印象的でした。
西澤潤一さんの言葉を思い出しました。「環境が人を育てる。」

水圏環境教育と防災

2013-06-21 | 水圏環境教育
この度は水圏環境教育と防災と題し文部科学省の高橋洋子教科書調査官よりお話を頂いた。貴重なお話を聞く機会に恵まれ充実した講演会となった。現行の教科書にも防災意識を高めることの重要性が記述されており,地理教育としても力を入れているところであるが,今後さらなる総合的な教育を推進することによって防災教育を推進する必要がある。そのためには地域,市民,大学などとの連携が必要である。その意味で体験教育とそれらと学校教育をいかに結びつけるかが重要なテーマになってくるであろう。


講演の様子 国の教育政策について高橋講師の貴重なお話をお伺いすることできた。

参加者の様子

懇親会で喫食した宮古産サクラマスの押し寿司,脂がのって大変美味しいと評判であった。マグロの中落ちも早かったが15分足らずで完食であった。

第2回水圏環境教育研究会公開シンポ

2013-06-14 | ツイッター
「6月度公開シンポジウム」のお知らせ
東京海洋大学品川キャンパスで開催される「水産について考える会II」に於いて 公開シンポジウムを開催致します。
【水圏環境教育と防災】
―社会科教科書における防災の扱いと
水圏環境教育との連携を図る提案―
【演者】:高橋 洋子(文部科学省)
コンビーナー:佐々木 剛(日本水圏環境教育研究会代表理事)
1.【日時】:平成25年6月19日(水)18:00~
2.【場所】:東京海洋大学品川キャンパス内
楽水会館2F コミュニティールーム
3.【講演要旨】
海や河川、湖沼など水圏環境は、津波、高潮、洪水、土砂災害など自然災害 の場ともなりうる。正しい知識に基づいた十分な理解を持って対峙しなくては ならない、まさに自然と人間とのかかわりの場であって、そのかかわり方が問 題となる。
現在、初等中等教育における小学校社会科、中学校社会科地理的分野、高等 学校地歴科地理の各教科書において「水圏」、「水圏環境」にかかわるリテラシ ー的記述は豊富であるとは言えない。一方、自然災害のメカニズムの理解には 自然現象の理解が前提となる。人々の自然災害や防災への努力や、自然災害の 発生しやすい地域の学習や防災対策の努力などの社会科における視点や枠組み を踏まえつつも、自然現象の科学的説明や解説を含む水圏リテラシー教育を充 実するべきであると考える。安全教育の一環としての保健体育や総合的な学習、 特別活動などとの連携や、AED 教習、CPR 講習に水圏環境教育を組み入れて開催 するなど、地域、関係機関との連携を提案する。
【橋洋子】
・文部科学省 初等中等教育局 教科書調査官 ・東京経済大学、東京都市大学講師 ・お茶の水女子大学大学院博士課程単位取得満期退学 ・ 専門:自然地理学、地理教育

宮古水産物研究会を開催します

2013-06-14 | 水圏環境教育


IPMEN国際環太平洋海洋教育者会議2014プレ大会「宮古水産物研究会」
1 日 時 平成25年6月28日(金)14時~17時
2 場 所 宮古市魚市場番屋2F
3 申込先 山内鮮魚店 0193-62-4854
4 主 催 宮古水産物商業協同組合 0913-62-5061
5 共 催 岩手大学三陸水産業復興プロジェクト東京海洋大学加工班,水圏環境調査班, (一社)日本水圏環境教育研究会,岩手大学三陸復興支援センター宮古エクステンションセンター
14:00~15:00 演題「面白いかまぼこの研究」
東京海洋大学食品生産学科准教授 博士(学術) 大迫一史氏
大迫一史:1968年広島県生ま れ。九州大学大学院農学研究科 修士課程を修了後、1995年に長 崎県庁入庁。1997年 長崎県総合 水産試験場水産加工開発指導セ ンターに研究員として赴任。 2006年、同主任研究員。2007 年、東京海洋大学海洋科学部食 品生産科学科准教授(現職)。
小坂康之:1977年神奈川県 生まれ。東京水産大学食品 科学科を卒業後、2003年に 福井県立小浜水産高等学校 教諭。2012年福井県立大学 生物資源科学部博士課程修 了。
15:00~16:00 演題「身近な水産物を活用した地域おこし,そして宇宙食」
福井県立若狭高等学校海洋科学科教諭 福井県立大学海洋生物資源学部非常勤講師 生物資源学博士 小坂康之氏

主旨
水産物は,食料としてだけでなく人間の生活に潤いをもたらす生態系サービス※の構成要素です。近年,地球温
暖化,水質汚染,ダムの設置により水圏環境に大きな変化が生じ水産物に影響を与えています。幸いなことに岩手
には水産物を育む森川海が数多く残されており,種々の天然の水産物が漁獲されます。このような水圏環境は大変
価値が高いものであり,世界遺産といっても過言ではありません。そして,清澄な水圏環境が育んだ水産物を有効
に活用し続けることは,生態系サービスを維持し水圏環境を保全することにつながります。本シンポジウムでは,
水産物加工に長い間携わってきた教育者・研究者を招き,最新の情報を提供して頂く機会を設けました。宮古水産
物を世界に発信するきっかけとなることを期待しています。
※生態系サービス・・・我々人間が自然界から受ける多種多様な恵みのこと。例えば,美味しい魚が食べられるのは,森,川,海それぞれの恵みがあるからで す。この恵みのことを生態系サービスといいます。日本人は古くから多種多様な自然現象に畏敬の念を抱き八百万の神様として大切に守って来ました。司会 佐々木剛(東京海洋大学准教授)