本日現地を訪問し直接漁業者と面会し,現状と復興に向けた取り組みを実施。
面会者:M漁業協同組合所属。
漁業形態:ホタテ養殖を18人で実施していた。肉厚のホタテとして高値で取引されていた。
現状:家も流され,現在K神社にて避難生活を行っている。津波により,すべての養殖施設が被害に会う。ホタテ養殖を行っているグループでは2隻の船しか残っていない。今回の津波で8名に減少。この時期は,ホタテ稚貝を採苗する時期であるが,県の調査船も,宮古漁協の調査船も活動できないので,採苗が困難である。この時期を逃すと1年待つほかない。
現在取り組むべき課題;環境の整備として瓦礫の撤去が優先であるが,海の中も大変な状況であろう。養殖をするには,撤去する必要がある。しかし,漁業者だけでは処理がおぼつかない,ぜひ専門業者に入ってほしい。
今後の方向性:個人での漁業は厳しいであろう。これからは8人の協業体制でホタテ養殖をやっていきたいと考えている。M漁協の経営計画にも協業性の導入を盛り込んだ。しかし,基本的に自分たちで取り組まなければならないので,大変である。
オーナー制についても,津波前に勉強会を実施してこれからやろうとしていたことである。もし,オーナー制によって,資金が入ってくるのであれば,大変有難いことである。オーナー制の導入や協業性の取り組みについて,大学等が間に入って,オーナー制について研究の一環として取り組んでくれるのであれば大変有難いことである。また,研究施設が全滅である。これまでの研究を絶やすことないよう支援していただけると将来のために助かる。
感想:おっしゃるとおり,場所や地域によりますが,漁協と漁業者に大きな隔たりがある。漁業者の生活の向上を優先するとすれば,出来うる限り,直接漁業者にあって現状と課題を聞くことが必要かと思われる。オーナー制や協業性は水圏環境教育につながる要素があり大変興味深い。