国際ロータリー2750地区千代田グループIMプログラムにご招待いただき,水圏環境教育「関係価値と海街コミュニティ・スクール」と題してお話をさせていただきました。
2016年にブリティッシュコロンビア大学のカイ・チャン教授が発表した関係価値は,自然環境と人とのつながりと人と人とのつながりの中に存在する価値のことを指し,この概念は世界的に注目され数多くの研究論文が出版されています。
人と人との関係には価値があることは誰もが認めることでしょう。しかし,都市化が進んだ地域で,人と自然環境との間に価値があるか,と問われるとわからない方が多いかもしれません。
関係価値を高める第一歩は地域の自然の中での探究活動です。地元の自然を対象にワクワク感を持つことができるかどうかです。
とはいえ,自然豊かな環境においてさえ,ワクワク感を持つような機会が少なくなりました。
このような状況を改善し,ワクワク感を味わう探究活動を支援するしくみ「海街コミュニティ・スクール」についてご紹介いたしました。
第二部では,日本の自然と人間との関わりを示す新潟県上越市柿崎の棚田での奉仕活動を紹介していただきました。
ビデオの中で「柿崎を食べる」ということが登場します。「柿崎を食べる」とは,柿崎の棚田に注ぐ水,空気,棚田,お米,多様な生物とつながることを意味しています。
さらに,新橋ロータリークラブの皆さまが柿崎の棚田とそこで生業を営む人々を支援する取り組みは,柿崎の生産者と東京の消費者がつながりあい関係価値を高め合っている状態ですね。
このような地方と都市との交流が活発となり,日本全体の関係価値が高まることを願っております。