天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

退嬰

2020-04-09 14:45:55 | 日記

 米大統領選の民主党候補争いからバーニー・サンダース氏が撤退かあ。アメリカもいよいよ末期的症状を示したか。産業や民生向上面からも、政治理念の観点からも、世界を率いる力を失くしてしまった。それどころか国内の社会や環境の歪みに対して変革に取り組む意志も意欲も喪失している。嘆かわしいことである。
 CNNは、バイデン氏に対するサンダース氏の敗因に関して、黒人層からの支持の欠落、権力支配層の不支持など、5つの要因を挙げている。さらに6番目に最も重要な原因として、米社会における変革への熱情と勇気の欠落であると私は指摘し、CNNに書き送った(6th, Lack of spirit and courage in America.)。
 しかし、もう万事休した。こんな体たらくでは、ライジング・スターの中国との覇権争いに米国は負けるだろう。GAFAの力で抑え込もうとしても、既に中国は国内14億人市場においてネット、バーチャル、デジタル金融経済の基礎体力を付けており、いつドミノ現象が起きるかのタイミングの問題である。唯一米国が凌駕できるのは、新型コロナウイルス感染者数とその死者数、および世界言語の英語くらいのものだろう。
 新型コロナウイルスに罹って入院のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相が酸素吸入をされながらも自力で呼吸できる状態だとロイターが伝え、一安心。ロイター宛に、今はEU離脱でなくコロナ脱却に専心してくださいと激励文を書き送った(I hope for swift Borexit from COVID-19.)
 米ABCニュースは、アーカンソー州の退役軍人医療施設から人工呼吸施術を受けていた新型コロナ重篤患者が奇跡の退院を果たしたと伝えた。第1号生還者ということで医師、看護師ら数十人に見守られて、グータッチをしながら車椅子に乗って退院する姿を映し、なかなか感動的であった。ダイヤモンド・プリンセス号でもたつく最初から予防的に医療崩壊の声だけが高まり、将軍様の御典医であるかのように御簾に隠れたまま姿を現さない日本の医療現場との違いを如実に表していた。
 江戸城下町で大変だ、大変だと駆けずり回る一心太助(中村錦之助主役)のように、声だけが大きく空回りしているのは政府も同じで、非常事態宣言も空襲警報みたいなもので、でかいサイレンを鳴らしておけば、後は個々に自分の身を守れということらしい。人との接触を8割削減せよと気楽な目標を勝手に立てて、「皆様の協力があって、1カ月で宣言から脱出が可能となる」(安倍首相)なんて、1カ月で効果が出なかったら、それは皆様のせいですよと言わんばかりなのだから、話の辻褄が合わない。8割削減するにはどの業種まで休業させ、それに伴う補償策をどう講じるとか、綿密な具体策なしに、「宣言」だから宣っていれば良いという姿勢では、初動から漫然として墓穴を掘った失地の回復は心もとない。

淀みたる
川の芥を
眺む間に
堀掘り流れ
作るしなひと