天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

隣人

2020-04-25 13:57:55 | 日記

 汝の隣人を愛せよとはキリストの話で全く縁がなかったけれど、コロナのソーシャル・ディスタンス時代にはますます遠ざかるようになった。以前は散歩していても俺の道だとばかり、他人とすれ違う時、肩で風を切って歩いていたものだけれど、今は向こうから人が来るようだと、さっと自ら道を空けて、道路の幅いっぱいに避けて通るようになった。朝起きると、一晩中の酒臭い息や放屁の匂いを逃すため、布団を上げる際に窓を開けていたけれど、隣家から咳やくしゃみなどの声、音がすると、慌てて閉めるようになった。こうして物理的に距離を取っている習慣がつくと、ついには心の距離も遠ざからざるを得ない気がする。一度離れた心は、コロナがあらかた収束しても完全修復するのは、若い頃の恋愛と同様に、不可能と予想する。理性では何事も無かったように装っても、体が凍って反応しないのではないか。
 自然の声音は閉ざさずに、素直に受け入れるのが、心の健康に良い。数日前、朝のNHKラジオで、滋賀県・湖北野鳥の会会長がウグイスとメジロの違いの話をしていた。梅の咲きごろに蜜を吸いに現れるのでウグイスと間違えられることもあるメジロは、「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」と鳴くのだそうである。ホーホケキョよりも人声に近く、意味が通じ、親しみが持てる。古くから両鳥は混同され、羽毛色が灰褐色のウグイスに対し、メジロが黄緑なのに、緑色の餅菓子をうぐいす餅と呼ぶのは誤用で、本来なら「めじろ餅」とするのが相応しい趣旨のことを仰っていた。コロナが落ち着いたら、商標登録して私が売り出すことにしよう。
 ポスト・コロナ時代に世界の政治経済関係がどう変化するか、その中で日本の地位が何処まで沈下するかに気を揉んでいたけれど、そんな悠長に構えていられないほど事態が差し迫ってきた気がする。バックグラウンドとして、ユーラシアの軍事2大大国の中露が領土的圧力を日本に対し加え続けてきたけれど、新型コロナウイルスへの日本のハンドリングの拙劣さを睨み、さらに圧迫をエスカレートしてきそうな気配が高まっている。それに加えさらに、ここにきて北朝鮮の金王朝3代政権の崩壊が現実化した場合のリスクに対応しうるかの課題が迫ってきた。北朝鮮の暴発や、南北朝鮮の緊張の高まりで済めば、何とか凌ぐことができよう。しかし、仮想敵国・日本を旗印に南北が統一の方向に向かい、長期戦の構えに出た場合は、日米安保にすがり、じりじり後退するより、手も足も出なくなるだろう。その際、在韓米軍を残し、日米韓3国同盟が機能しているかどうかは微妙である。日朝2国間の問題として米国が突き放す可能性もある。とにかく、コロナ禍による経済不況を打開するため、軍需産業を振興する方向に舵を切る場面もあり得よう。朝鮮の統一体制が整うのを待つまでもなく、ロシアが北方領土の振興のため、北海道本島に触手を伸ばす事態を警戒する必要がある。それより先手を打ってくる可能性が高いのが、尖閣を通り越して中国の沖縄諸島への侵食である。そうなれば、朝鮮は竹島どころの騒ぎでなく、統合の国威発揚の手段として対馬、隠岐の島への威力偵察の挙に出るかもしれない。国民に竹槍配給ではもちろん、マスク2枚では防ぎようがない。コロナ対策の首尾によって世界各国は国力の色分けについてリトマス紙に掛けられた。各国の軍事情報当局はリアルに採点しているであろう。バーチャル戦のシミュレーションはすでに実施されているはずである。整えばリアル戦に移行する。バーチャル戦の図上演習で思い止まらせることができるのか、現政権の実力が試されているが、対コロナのもたつきから推して現状では、日本の将来の見通しは暗いと評価せざるを得ない。

春のめざめ
窓を開くれば
鳥の声
誘ひきたらば
拒む由なし