自宅コロナ蟄居していると、郷里の姉夫妻から見舞いはがきが届いた。平生は年賀状とお中元の礼状しか遣り取りしないのに、知らないうちに感染して死んでいるのを心配してくれたのか、お互いに引きこもり生活でやることがなくて思い出してくれたのか、どちらにしても有り難いことである。とっくに悠々自適の年金生活に入っていて、映画とか、演奏会、地元市主催の文化講演会、旅行が楽しみだったのに、行けなくなったのを嘆いていた。でも二人とも絵画を、水彩でも油絵でも趣味としていて、なかなかの出来栄えなのが羨ましい。閉じこもって鼻毛を抜くくらいしか能のない者と雲泥の差である。まあ、向こうが飲まない酒がこちらは好きなので、その分は取り返せている。老々姉弟なので肝が自然と座っていて、改定以前の62円ハガキで堂々と届いた。ころころ変わる世間の小事にあまり拘りが無くなったのだろう。郵便局も面倒くさくなったのか、普通に投函されていた。こっちも手元に62円ハガキしかなく、しらばっくれても良かったけれど、中には小うるさい人間がいて、相手に思わぬ迷惑が掛かってもいけないので、不足分の切手を貼って出した。ただ、運悪く1円のがなく、10円切手しかなかったのが悔しかった。これだけ大盤振る舞いをしたのだから、次回も62円で届いても、郵便局は大目に見てほしい。
雨風が強くて寒さがぶり返してきた。テレビで映画などを見てうつらうつらしていると、くしゃみが出た。この時期に風邪など引くと、買い物に行って怪しまれるといけないので、またストーブを出して点けた。用心ばかりして退屈な毎日の割には、時間の経つのは速く、取り留めもなく日が暮れる。飲まない日は翌朝まで眠れるのに、飲むと夜中に目が覚め、肝臓辺りが重だるい。今晩は止めようと決心しても、夕方が早く来るので、つい繰り返してしまう。こんな状況下で病院は頼れないと、気を引き締めるしかない。
新型コロナウイルス感染者数が最悪のアメリカが、5月1日には経済活動を正常に戻す方針という。ピークアウトの感触を掴んでいるのであろう。ぜひそうあってほしい。しかし、ずたずたになったサプライチェーンをどう立て直していくか、ポスト・コロナ時代の新産業地図を塗り替える陣取り合戦が熾烈を極めるのではないか。日本は習い性になった様子見と技術導入による価格戦争路線ではもう通用しないので、ぜひ独自の新しい技術を開発して割り込んでいってほしいものである。
ころなごもり
春の雨風
うら寒く
木香薔薇も
薫り淡かり