岩手県一関市の名勝、厳美渓には以前バスツアーで行ったことがあるので、今回の気まま旅では猊鼻渓を訪ねた。
船頭の竿一本で遡上し、下るゆったりした舟遊びは、保津川の急流下りと違ってスリルと爽快さでなく、渓谷美渓流の景観を目に焼き付け、心に沁み透らせる忘我の誘いだった。
船頭さんは紅葉時分が一番人気だと言っていたけれど、青葉、若葉が織りなす新緑のタペストリーが清流、碧流の川面に煌めく光となって湧き上がる恍惚の初夏も捨て難いと思た。
船頭さんの舟歌、げいび追分も渓谷美を静かに楽しむ者の艶消しにはならず、溶け込んでいた。
船頭が
竿を巧みに
猊鼻渓
青葉川面に
きらめくひかり
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