昨日の米大統領選両党候補者討論会は国を代表する演説のお手本なので勉強する必要はあるけれど、聞き取れるはずがないので、ビデオ録画にして、少し再生したけれど、大相撲の物言いの後の審判の説明のようにグジャグジャだったので、見るのを止めた。日本語で新聞の解説を読んでも、野卑な喧嘩だった程度で、何が行われたのかよく分からない。
ただ、小学生レベルの英語力でもバイデンさんの「 this man 」と言うのは聞き取れたし、現職大統領に対し、「こいつ」「この野郎」といった不穏当な表現なんだろうなあ、とは感じた。
いくらモリカケを始め疑惑がいっぱいあった安倍前首相にでも、「こいつ」なんて言えば、日本中から総スカンを食っただろう。
あとは、所得税納税問題でトランプ大統領がちゃんと払っていると答えたのに対し、なぜバイデンさんは即刻、「 Have you brought your tax certificates with you? 」と突っ込まなかったのだろうか、と焦れったかった。
生涯日本語オンリーだから、そんな高尚な討論が理解できないのかと思っていたら、米国でも「 stand back 」「 stand by 」といった簡単な言葉に関し文法学者がその意味合いについて頭をひねっているのだから面白い。さすがトランプ劇場。
極右の白人至上主義者「 the Proud Boys 」について問われたときトランプ大統領は、「 Stand back and stand by 」と言った。さらっと聞き流せば、動詞と副詞の複合語である句動詞「 stand back 」は、後ろに下がって距離を置くことだし、「stand by 」も、何もしないで傍観することだから、積極的に白人至上主義者を支持している意味にはならない。しかし、「 stand by 」に着目した論説もあった。オックスフォード英語辞書によると、「 stand by 」には6つの意味がある。その中には「傍観しておれ」ではなく、「いつでも行動できるように待機する」とか、「~を援助する、に味方する」という意味もある。これがトランプ大統領の真意だとすると、白人至上主義者に寄り添うか、いざという時にはいつでも立ち上がってくれ、ということになる。
これが大統領選討論会の中身だから、ケネディ対ニクソンのテレビ討論のような丁々発止を期待することは空しく、英語勉強の常道ではなくなった。意味を取ろうとすると、胸糞悪くなるだけである。それでも、元テレビタレントのトランプさんはいつでもスタンバっている。
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