進化する成人のつどい

　つい数年前までは”成人の日”は１月１５日だったのに、毎年違う日になってしまい、どうも覚えられないけど、あまり関係ない、と思っていたら、”成人のつどい”の仕事をする事になった。

昨今、TVでは”荒れる成人式”が毎年放送されて、オトナは眉をひそめてきたけれど、自治体もちゃんと対策を練っている。新成人たちから”実行委員”を募り、彼らのアイデアで内容を決め、司会進行もさせるのだ。もちろん、強力なオトナのプロのプロデューサーが付いている。私たち演奏者は、オープニングのファンファーレと”市歌”、ゲストコーナーの歌手の伴奏、エンディング前の”新成人”の歌いたい曲の伴奏など、出番は多くはないけど、演奏練習日と、前日の会場でのゲネプロに続いての当日で、計３日間を費やした。
　私自身は、５日のリハの前、２曲の編曲で前日と当日は徹夜になってしまった。暮れにコンタクトレンズを無くして作り直しに病院へ行ったり、取りに行ったり、他にもばたばたお付き合いもあるし、大晦日から三が日は家族と過ごさない訳にはいかない・・であっという間にリハが近づいてしまったのだ。でも、保育園の歌を１曲作り上げてからでないと、編曲に向かえない・・で、実質、３日の夜から５日の朝にかけての譜面作りになってしまった。

　埼玉の草加市の”実行委員”の新成人たち。７日の会場ゲネプロで最初に見た時は、極ふつうの”イマドキ”の子たちだなあ、引率の先生役のプロデューサーは大変だなあ、と思ったのだが、ランスルーで彼らが台本どおりに進行していくのを見るにつれて、彼ら自身がちゃんと芯の通ったものを持ってやっているのが分かった。同世代の客席に向かって「協力してください」と言っている。きっと今までにも、中学や高校で生徒会などの活動の経験があるのかもしれない。生まれて２０年間もの蓄積は大したものなのだ、と改めて感心した。
　終わると、素直に「成人、おめでとう！」と言っていた。