( 熊野本宮大社/主祭神を祭る第三殿)
熊野本宮大社については、当ブログの9月22日と27日に、「紀伊・熊野の旅6、7」で詳しく書いた。
今回は、遅ればせながら写真を掲載。
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朱はない。白木である。その故か、熊野那智大社、熊野速玉大社の華やかさはない。鄙びて、かつ、静謐の趣が満ちている。
堂々と並んだ社殿の背景の杜の巨木が、ここが神々のおわす神域であることを表しているかのようである。
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( 大鳥居 )
大きな鳥居の前に立つと、両側に高く繁った樹木。その間を石段がまっすぐ上へと伸びている。白地に黒々と「熊野大権現」と書かれた幟がならぶ。
「石段の中央は神様の通る路。参詣者は、上りは右端、下りは左端を歩く」と、作法の貼り紙がある。
静謐な空気のなか、時折、木々の梢を見上げて一呼吸し、そこから差し込む木漏れ日の陰影を踏みしめながら、158段の石段をゆっくり登っていく。
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( 大斎原の大鳥居 )
熊野本宮大社の社地が、現在の山の上に移されて、まだ120年ほどにしかならない。1889年(明治22年)の洪水のときまで、本宮大社の杜と社は、熊野川の中洲にあった。平安末期、上皇、貴族、女官、そして平清盛らが遥々と参詣した社は、今は跡地のみだ。
大斎原を訪れるなら、春がいい。
菜の花畑の向こうの桜の大鳥居は、日本一の高さを誇って、印象的である。
大鳥居をくぐり、巨木の繁る参道を歩く。
その昔、社殿のあった一画は、今は「大斎原 ( オオユノハラ )」と呼ばれ、こんもりと樹木に囲まれた原っぱになっている。
人気のないしんとした静寂の中に、木々の若葉が芽吹き、大きな桜の古木も幾本かあって、ひっそりと咲いている。原っぱに石祠もあり、清々しい。
( 大斎原 オオユノハラ )
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