幸か不幸か独居老人一歩手前でストップしたマンマ。 

加齢化を受け入れられずに格闘中。 週2~3日クラス開講で、刺激をもらい感謝。  

祝☆世界遺産登録・・・細川紙

2014-11-29 19:06:07 | 日記
タブン20年近い昔、ちょうど今頃、友人と2人で和紙の里、東秩父村を訪ねて和紙作りを体験した。ナビもナイ頃・・あっても、使えない、否、昨今は使うような遠方に行かない私・・・、地図を見ながら山を、ウッスラと雪が舞い落ちた峠を通って行った。予約してあった「関根・・・工房」は、正に作業場。 失礼! 考えてみたら当然。扱うものはドレも枯れたり、原形を留めない植物だ。 年配の男性、関根さんの指導(?)のもと、私たちは夫々10枚のハガキを漉いた。関根シショウは、ほつれたセーター姿にエプロン、指は節くれだって太く、話し方はボソボソと・・・。が、作業場に掲げられている額に入った写真や記事は、ドイツで実際に紙を漉いている姿や、表彰された際の晴れ姿で、目の前の男性とのギャップに驚いたものだ。

記憶違いもあると思うが・・先ず、「外へ行って葉っぱや花を採っといで・・・」。 水槽(?)の中は浮遊物を含んでドロドロと濁った水。ソコに、枯れた植物の枝が無造作に差し込んである古そうなポリバケツの中の水を加えた。トロトロとヌメリのある水はトロロ葵の液で糊の役目とのこと。トトロ葵・・ってオクラのこと? シショウは四隅を吊り下げられた大きなスダレ(?)を置いた木枠を水槽の中に入れて、漉いて見せてくれた。「漉く」という作業はとても素人にはできるワザでない。ザッと水の中に枠を入れ、次は前後左右に振って、スダレの上の浮遊物(!)を均等にする。この「前後左右」を振って・・・・正に無形文化財であり、ワザの所有者は人間国宝だと感心しきった。
一方、その日限りの体験者に過ぎない我々は、ハガキ大の枠に水槽の濁った水を漉くって入れてから、師匠は手で平らにして見せてくれ、我々も真似て手で平らにし、先ほど、庭で摘んだ葉や椿の花びらを散らす作業を繰り返した。一枚、一枚漉くたびに、無造作に重ねていくことにも驚いた。くっ付かないのかしら??

夫々10枚づつ漉いて、送り先として自分達の住所をノートに記して、体験終了!

2週間ほどして、立派な文字に綺麗な記念切手が何枚も貼られた包みが届いた。我が手漉きのハガキが到着した。私は自分の作品(?)よりも、宛名に書かれた文字の見事さと貼られた切手を見て、関根さんの素晴しさと細やかな心遣いに感動した。「文字はその人を表す」は、私にとってはとても不都合だが、そのとおりだと思った。 達筆だった。

紙漉きに感動した私は、その年の我がクラスのクリスマスの工作として、紙漉きをした。牛乳パックを材料にしたもので、事前準備がタイヘンだったが子どもたちは喜んで賀状用の紙を漉いた。

和紙・・某博物館でバイトをした際、厚い和綴じ本が何冊も括われたので力を入れて持ち上げた。 なんという軽さ・・・驚いた! ホームステイや海外へ送るカードに私は和紙製品を何度も利用した。 和紙は素晴しい! もう一つ、私のお気に入りは漆・・japan だ。