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⚠️ 【チェーン地震の恐怖】京都で震度4…世界一の断層密集地帯「近畿三角帯」では過去にM8級の大地震も 202205

2022-05-05 23:26:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

【チェーン地震の恐怖】京都で震度4…世界一の断層密集地帯「近畿三角帯」では過去にM8級の大地震も
 SmartFlush より 220505


阪神・淡路大震災で注目が集まった淡路島の野島断層

 5月2日深夜、京都府亀岡市で震度4の地震が発生した。幸い、死傷者は出なかったものの、このところ、日本列島を震度4以上の地震が相次いで襲っており、不安は尽きない。

 南海トラフをはじめとするプレート境界型の巨大地震は、プレートが別のプレートの下に沈みこむ際、境界で大規模に揺れが生じる。だが、まったく異なるメカニズムで発生する地震がある。それが「チェーン地震」だ。

 チェーン地震は、その名のとおり、圧力を受けた断層が次々に割れることで発生する。特に内陸部で連鎖的に起こり、プレート境界型の巨大地震の前兆となることから、近年、大きな注目が集まっている。

 これまで本誌は何度もチェーン地震のリスクを指摘してきたが、改めて東京大学・佐藤比呂志名誉教授に、その恐ろしさを解説してもらった。

「今回の地震はマグニチュード4クラスのもので、心配しているM7クラスの1000分の1程度の大きさです。ですから、今回の地震自体は、次なる大地震を予告するものではありません。

 しかし、地震が起きた場所が問題です。

 今回の地震は『近畿三角帯』で起きたものです。近畿三角帯は、敦賀、淡路島、伊勢湾海峡を頂点とした三角形で形成された、世界でもっとも活断層が密集する地帯です。

 これまでにも内陸地震が多数、発生しており、それらの地震の中には南海トラフ地震の前兆となったものもあります。

 たとえば、1605年の南海トラフ地震では、その20年ほど前の1586年に『天正地震』と呼ばれる大地震が近畿三角帯で発生しています。詳細は不明ですが、M8クラスだったとも言われ、若狭湾や伊勢湾で大規模な津波が発生したと記録されています。

 1944年に起きた南海トラフ地震では、近畿三角帯ではないですが、その前に発生したチェーン地震で、本震の倍以上、5000人もの死者が出たといわれます。家具が飛んでくるような、非常に大規模なものだったようです」

 繰り返すが、今回の地震に限っていえば、直接大地震の発生を示唆するものではない。だが、大地震の危険はすぐそばにある。今後も警戒を怠ってはいけないのだ――。
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🧠ヒトらしい人工知能へ、名古屋大学がメタ記憶のコンピュータ内進化に成功 202205

2022-05-05 22:46:00 | 気になる モノ・コト

ヒトらしい人工知能へ、名古屋大学がメタ記憶のコンピュータ内進化に成功
 大学ジャーナルオンライン編集部 より 220505


 名古屋大学大学院の有田隆也教授らの研究グループは、コンピュータ内進化実験により、メタ記憶の機能を持つニューラルネットワークの創出に成功した。
「ヒトらしい心」を持つ人工知能の実現の手がかりとして期待される。

 近年、脳の回路を模した人工ニューラルネットワークを用いた機械学習によって、画像や言語などの認識・生成を行う人工知能技術が急速に進展している。この先には、真に「ヒトらしい心」を持つ人工知能が作れるのかという難問がある。

 今回、進化によって人間の認知機能の一つであるメタ記憶を創り出せるかを、人工生命の研究手法を用いて検討した。
 メタ記憶とは、例えば「昨日の朝ごはんは何を食べたか覚えているだろうか?」と考えるときに頭の中で、自分の記憶の存在の有無を調べるような高次の認知機能のこと。

 研究で採用した課題では、最初に特定のパターンを見た後、複数パターンから最初のパターンを指し示すテストを受ける。正解だと報酬を得るが、テストを回避しても小さな報酬を得られる。
 メタ記憶がある場合、記憶に自信があればテストを受け、自信がなければ回避するはず。テストの正解率は不正解のはずだったテストを回避した分だけ向上する。

 研究では、単純化した課題により、最初はランダムな構造を持つニューラルネットワーク集団が世代交代を経てメタ記憶を持つようになった。つまり記憶が壊れがちな(忘れている)場合にはテストを回避するように進化した。

 今回、メタ記憶という高度な認知能力を実現するニューラルネットワークのメカニズムを人手に頼らずに複数発見したことは、「ヒトらしい心」さらには「意識」を持つ人工知能の実現に向けた重要な一歩としている。

論文情報:【Scientific Reports】Evolution of metamemory based on self-reference to own memory in artificial neural network with neuromodulation
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JR奈良線 線路切替工事のため京都〜城陽間で運休 21日〜22日 代行バス実施せず JR西 202205

2022-05-05 22:33:00 | 🚃 鉄道

奈良線 線路切替工事のため京都〜城陽間で運休 21日〜22日 代行バス実施せず JR西日本
 WTM より 220505 横山 勝巳 / Yokoyama Katsumi


 JR西日本は、奈良線複線化のための線路切換工事に伴い、
2022年5月21日(土)21時頃〜22日(日)10時頃にかけて一部の区間で列車を運休します。

🚞複線化完成は23年春
 2022年5月21日(土)は桃山駅〜城陽駅間の運転が21時頃までに終了し、
以降は終電まで桃山駅で京都駅方面,城陽駅で奈良駅方面にそれぞれ折り返し運転を行います。
 また、4月22日(日)は始発から10時頃まで京都駅〜城陽駅間の運転が取り止められ、この時間帯は城陽駅〜奈良駅間のみの運転となります。

 運転取り止め区間ではバスによる代行輸送は実施されません。
なお、定期券・IC定期券・普通乗車券等をお持ちの方は近畿日本鉄道(近鉄)、京阪電気鉄道および京都市交通局への振替輸送を利用できる予定です(路線図は下図を参照)。

【路線図で解説】JR西日本 線路切換工事 奈良線 京都〜城陽間で運休 (オリジナルサイトで画像を閲覧できます)



 奈良線の複線化は第2期事業が現在進行中で,2023年春の開業を目標に工事が行われています。
 今回、新たに複線化されるのはJR藤森駅〜宇治駅間、新田駅〜城陽駅間および山城多賀駅〜玉水間の3区間、計14.0kmです。
 完成後、特に利用客の多い京都駅〜城陽駅間はすべて複線となり、利便性向上や定時性の確保が期待されています。また、駅設備の安全性や快適性向上のため、ホームの改良や橋上化、バリアフリー化などの工事も並行して行われています。
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⚠️ 「東京一極集中が日本を救っている」といえる理由

2022-05-05 22:06:00 | なるほど  ふぅ〜ん

「東京一極集中が日本を救っている」といえる理由
 東洋経済 onlain より 220505  市川 宏雄:明治大学名誉教授,宮沢 文彦


 経済規模や税収が欧州のさまざまな国に匹敵するという東京。一極集中が思わぬ経済発展をもたらしているといいます
 コロナ禍においても、都内各地の再開発プロジェクトの多くは進行しており、懸念されていた人々の地方移住も限定的で、「東京一極集中」の状態は続いています。東京にはなぜ、それほどのパワーがあるのか。そして東京には、これから先どんな未来が待ち受けているのか。
 明治大学名誉教授の市川宏雄氏、株式会社ボルテックス代表取締役社長兼CEOの宮沢文彦氏の新刊『2030年「東京」未来予想図』から、東京の現在と未来を3回にわたって紹介します。
 人口が東京に一極集中すること、その結果、ヒトだけでなくモノ・カネ・情報がすべて東京に集中してしまうことは、これまで社会の在り方として不健全だと考えられてきました。

⚫︎ヒト・モノ・カネ・情報が集まる東京圏
 地方に暮らす人々から見ると、東京圏にばかりヒト・モノ・カネ・情報が集まるのは、確かに不公平のように思えます。特に2000年代以降、「限界集落」や「地方消滅」といった問題が広く取り沙汰されるようになってからは、「東京一極集中こそが諸悪の根源」のようにもいわれてきました。

 しかし1900年代以降、出口の見えないデフレ不況に突入し、きわめて低い経済成長率しか達成できていない日本が今日でも先進国の一員でいられるのは、実は"東京一極集中のおかげ"ともいえるのです。ヒト・モノ・カネ・情報が今のように東京に集中していなければ、日本はどこかの時点で、G7(主要先進7カ国)から脱落していたかもしれません。多少オーバーな言い方をすれば、東京一極集中こそが日本を救っているのです。

 なぜ、そういう理屈になるのか。それは、現代が第3次産業全盛の時代であり、第3次産業は大都市でこそ繁栄する産業だからです。

 自然界に直接働きかける産業を第1次産業といいます。具体的には農業・漁業・林業がこれにあたり、第1次産業で製品(収穫物・漁獲物)を生産(収穫・採取)するために必要な場所は、耕作地・漁場・山林になります。
 第1次産業で得た製品を使って加工する産業を第2次産業といいます。製造業・建設業がこれにあたり、第2次産業で製品を生産するために必要な場所は工場・一定の広さの土地になります。

 では、第3次産業で製品を生産するために必要な場所とはどこでしょうか。第1次産業、第2次産業に含まれないすべての産業を第3次産業と呼びます。
 具体的には、電気・ガス・水道業、情報・通信業、運輸業、卸売・小売業、飲食業、金融・保険業、不動産業、サービス業、公務など。第3次産業で生産される製品(サービス)は非常に多岐にわたりますが、その製品が生産される場所は明確です。人と人が自由に行き来でき、交流し合えるところ。つまり、交通網と情報網が整備され、多くの人々が居住しているところ、すなわち都市になります。

 すべての産業をこのように第1次から第3次までに分類したのは、イギリスの経済学者コーリン・クラーク。彼はペティ=クラークの法則でも知られています。
 この法則とは、一国の産業構造は経済発展の進度によって、第1次産業から第2次、第3次へと比重が移っていくというもの。

 わが国の経済発展の歴史もまさにそのとおりで、産業別の就業者人口を1968年と50年後の2018年で比較してみると、第1次産業は19.8%から3.4%に、第2次産業は34.0%から23.5%に減少しているのに比べ、第3次産業は46.3%から73.0%へと大きく増加。
 いまや、日本で働いている人の10人のうち7人は第3次産業に従事しており、その大部分が都市部で暮らしていると推察できます。

 この第3次産業に特徴的なのは、人口が集積すればするほどスケールメリットが働き、指数関数的に経済がより巨大に発展していくということ。人が集まれば集まるほど、そのニーズは多様化かつ巨大化していき、新たな市場が同時多発的に増殖されていくからです。

 人口100万都市が生み出す経済的価値=都市GDPを10倍しても、人口1000万都市1個分の都市GDPには遠く及びません。人口1000万都市の都市GDPは、人口100万都市のGDPの20倍にも30倍にもなるからです。

⚫︎東京の経済規模はオランダGDP以上
 たとえば、2019年度の世界各国のGDPを見ると、日本は5兆45億ドルで世界第3位ですが、驚くべきことに、東京都の巨大な経済規模は日本のGDPの約19%にあたる9654億ドル(都民経済計算平成30年度年報)に上り、オランダ、イラン、スイス、トルコといった国々のGDPを凌駕しています。一極集中によって巨大化した東京の経済力が、今日の日本経済を支えているといえるでしょう。

 また東京には、地方都市では成立しにくいビジネスがいくつも成立しています。その良い例が、猫カフェ、ハリネズミカフェ、フクロウカフェなどの動物カフェでしょう。
 それぞれ、その店に行けば猫、ハリネズミ、フクロウに触れ合えることがウリで、利用料金はハリネズミカフェで1人30分1500円程度。こうした動物カフェのような隙間ビジネスはそもそも、人口の少ない都市では成立しません。
 人口1400万人を有する東京だからこそ、「ハリネズミと触れ合いたい」と思う人々が一定数存在し、それらの人々を相手に商売することができるわけです。ちなみに、ハリネズミカフェは現在、東京都内に10店舗以上あるそうです。

 秋葉原電気街、神田古書店街、かっぱ橋道具街など多くの専門店街が成立しているのも、巨大都市である東京ならでは。飲食店にしても、焼き芋専門店、マッシュルーム専門店、ポテトサラダ専門店、かつお節専門店、りんご飴専門店など、特定の食材や料理に特化したメニューだけを提供する店が数多く存在します。

 さらに2021年6月から、飲食店デリバリーサービスのUber Eats(ウーバーイーツ)が東京都区内で徒歩配達をスタートさせました。徒歩によるデリバリーサービスがビジネスとして成立するのも、巨大な人口密集地である東京なればこそといえるでしょう。

 もちろん私自身、「東京一極集中」を100%肯定的にとらえているわけではありません。人口が狭い地域に集中することは、ときに、さまざまなストレスや軋轢の要因となりえます。特に2020年に発生したコロナ禍においては、東京の過密さが感染拡大の大きなリスク要因になってしまいました。
 東京一極集中のデメリットは確かに存在します。
しかし、そのメリットもまた無視できないほど大きいものであるのも事実。私たちはそろそろ、東京一極集中のメリットについても真剣に語り合うべきではないでしょうか。

 先ほど、東京にはヒト・モノ・カネ・情報が集積していると述べましたが、東京は、いわゆる大企業が集積していることでも知られています。
 たとえば、「フォーチュングローバル500」(2020年)のデータによれば、世界で売上高上位500社に入るグローバル企業のうち、東京都に本社を置く企業は37社。
 これは北京市55社に次ぐ世界第2位の多さであり、3位のパリ市、ニューヨーク州16社を大きくリードしています。

⚫︎東京の税収はスウェーデンの国家予算並み
 また、日本の従業員数100人以上の事業所所在地を見ると、全体の37.0%が東京都に集まっています。以下、大阪府9.2%、愛知県5.9%、神奈川県4.7%の順。
 東京圏1都3県を合計すると、日本全体の46.9%が東京圏に集中している計算になります。

 それだけに、東京都が毎年得ることのできる法人税などの税収は膨大であり、例年の予算規模約15兆円はスウェーデンの国家予算を上回ります。東京都が受け取るこうした莫大な税収の一部は、実は地方へも還元されます。本来、「東京などの大都市」と「地方」と「中央政府」の関係は、以下のようなものでした。

○「地方」は「東京などの大都市」に労働力となる「人」を提供
○「東京などの大都市」は企業による経済活動で税収を得て、「中央政府」に税を納付
○「中央政府」は東京などが納めた税金から「地方」に地方交付税などの補助金を分配

 ところが、1990年代前半にバブル経済が崩壊してから、この3者の関係は大きく変化しました。ごく大雑把にいえば、企業の業績悪化や不良債権問題で東京など大都市の税収が激減。中央政府の税収も激減しましたが、地方に補助金を支給しないと地方経済が破綻してしまうため、赤字国債を大量発行して急場をしのぎます。

 しかし、そんな自転車操業がいつまでも続けられるわけもなく、中央政府は「平成の大合併」で全国3232市町村を1727市町村にまで削減。
 補助金の総量を減額すると同時に、「地方法人特別税」の制度を導入。制度の変更もありながら、現在は、東京都の法人事業税、法人住民税の税収のうち、9000億円超が地方に再分配されています。

 このようにして、東京が一極集中によって得られた富は、直接的または間接的に、地方の各都市に配分されています。つまり、東京が潤えば地方も栄えるのです。



💋見方興味深く、しかし災害大国…、たった9000億では…食糧自給率…平時と戦時…
 地方鉄道の光景を見ても東京集中のデメリットの方が大でしょう!
  普通にサービス業以外の産業は衰退して…食もエネルギーも他国依存が増して国家として衰退傾向にあるのに…新サービス業種に至っては、精神衛生的に良いとは思えない。夜のxxxの悪弊を無視してる。税収の意味がない。地方自治の自立が健全であるべき。9千億でメリットを言う、神経が分からん。財政危機感0。人口動勢の意味が理解されてない。
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⚠️ 高騰する輸入小麦を米粉や国産小麦へ切り替え「それ、緊急対策じゃない」と商社マン 202205

2022-05-05 21:52:00 | なるほど  ふぅ〜ん

高騰する輸入小麦を米粉や国産小麦へ切り替え「それ、緊急対策じゃない」と商社マン
 Newsポストセブン より 220505


クリミア地方の小麦畑。2022年は収穫ができるのか流通するのかも不明

 日本最大の製パン企業、山崎製パンが食パンと菓子パンを7月1日から平均7%値上げすると発表した。
 今年になって二度目の値上げは、原料となる輸入小麦の政府売り渡し価格の引き上げだけが原因ではなく、油脂類、砂糖、包装資材などあらゆるものの価格が上がり企業努力だけではどうにもならなくなったからだ。同じ4月28日に東京外国為替市場では、円相場が1ドル130円台後半に急落、20年ぶりの円安水準を更新した。俳人で著作家の日野百草氏が、輸入小麦をめぐる政府の政策が緊急の対応にならないだろう理由を探った。

 * * *
「価格の据え置きとか、輸入小麦を米粉やら国産小麦への切り替えなんて今すぐには無理です。これを緊急対策として言ってるとしたら、何を今更です。わかってて言ってるのでしょうが、ちょっとどうかと」

 4月26日、政府が物価高騰に関して6兆2000億円規模の緊急対策を決定した。この決定は、生活困窮者への支援を拡大し、原油価格高騰を防ぎ、中小企業対策も拡充、輸入小麦や国産木材、家畜のエサなど原材料やエネルギーへの支援を盛り込んでいる。それを受けての専門商社に務める旧知の商社マンから疑問の電話。

「輸入小麦はすでに政府売渡価格の引き上げが決まってました。17%です。海上運賃の高騰と円安、それに戦争ですからね、上がるのは仕方ない」

 詳細かつ専門的な部分は本旨ではないため割愛するが、日本の小麦の90%近くは輸入に頼っている。輸入小麦はそのほとんどを政府が一括して買い上げているが3月、価格が17.3%引き上げられて1tあたり7万2530円と発表された。
 これは過去2番目の高値で、すでに4月から各製粉会社は業務用小麦粉の価格を改定した。しかし政府は今回の緊急対策で9月まで販売価格を据え置くとした。それはありがたい話だが、極めて限定的だ。

「直近でもさらに1割以上、上がってます。7月の選挙のために据え置くだけでしょう」

 今年は7月(予定)に参議院選挙がある。選挙までもう2ヶ月くらいしかない。今回の緊急対策とやらも同じく発表されたバラマキ(後述)と同様、露骨な選挙目当てということか。そんなことを言っている場合じゃないと思うのだが。

「ロシアとウクライナの小麦を頼ってきたEU諸国が日本の分も手を出し始めてます。ただでさえ北米が不作なのに、さらに奪い合いになる」

⚫︎日本中で必要な量なんて賄えない
 日本の小麦はアメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国で90%以上を占める。日本はこの30年間上がることのなかった平均賃金と国力の衰退、超大国となった中国の台頭により資源の買い負けと海上貿易の弱体化、そして出遅れた脱コロナ禍、円安、戦争と悪状況の重なり続けたあげくに今回の緊急対策発表となった。

 筆者はこの半年の間『憂国の商社マンが明かす「日本、買い負け」の現実 肉も魚も油も豆も中国に流れる』『商社マンが明かす世界食料争奪戦の現場 日本がこのままでは「第二の敗戦」も』『ウクライナ侵攻の裏で進む世界食料争奪戦 激安を賛美する日本の危うさ』『悪しき円安と値上げの春 日本の「買い負け」はどこまで続くのか』と一貫して取り上げて来たが、残念ながらすべて現実となってしまった。
「たとえばですけど、日本の気候で強力粉は難しい。日本中で必要な量なんて賄えない。科学の進歩に期待という悠長な話なら、それは緊急対策じゃありません」

 小麦粉はたんぱく質の含有量によって、パンの原料になる強力粉、うどんや即席麺になる中力粉、お菓子の材料になる薄力粉などに分類される。
 日本国内で生産される小麦の生産量は増えているが、ほとんどが中力粉で、もっぱら日本麺に使用されているのが現状だ。国産小麦と書かれて販売されているパンも、イメージされる100%国産小麦ではなく、ほとんどが外国産とのブレンドだ。

「それなのに輸入小麦を米粉や国産小麦への切り替えを進めるなんて、いや無理でしょ、できたとしても遠い未来ですよ」

 日本は気候も面積も小麦の生産にすこぶる向いてない。向いていたらとうの昔に米のように作っているはずで、国内生産は10%強しかない。そもそも農地がまったく足りない。
 もちろん米農家を小麦農家にしろ、なんて簡単な話でもない。後述するが農家、農業従事者そのものが急速に減っている。現状は国内需要を満たすほどの「国産小麦への切り替え」なんて無理だ。

「できたとしても遠い未来ですよ、現場からすれば絶対無理です。少なくともそれ、緊急対策ではありませんよね」

 高騰する小麦に関して、政府は輸入小麦を米粉や国産小麦への切り替えを目指すとした。また小麦から米へ、とも。筆者も思う。本気で言ってるのかと。なんだか「やってるふり」のために付け足したみたいだ。

「日本の小麦のほとんどは5銘柄が占めています。これを日本が国内需要分、作るって話なんですかね、穀物に関わってる人ならわかる話ですが無理です。ましてすぐになんて、これまでにない農業技術の革新、とか必要なレベルの話です」

 国策研究所である理化学研究所すら600人削減する日本でそれができるかはともかく、日本の輸入小麦は主にアメリカのDNS、HRW、WW、カナダの1CW、オーストラリアのASWの5銘柄に集約される。飲食、調理関係の仕事をしている方には馴染みがあるかもしれない。とくにカナダの1CW(ウェスタン・レッド・スプリング)は日本の食パンといえばこの強力粉、というほどに馴染み深い。

「先ほども言いましたが、強力粉を日本で作るのは難しいので、国内需要のほとんどは全面的に輸入に頼ってます」
 小麦は品質とその安定、そして生産性が大事。先の3カ国のような良質の小麦が豊富に穫れる地域もあれば、生産力はあってもロシアのように品質が低いとされる地域もあるし、日本のように小麦栽培そのものが難しい地域もある。また地域によって強力粉(パン)、準強力粉(ラーメン)、中力粉(うどん)、薄力粉(ケーキ)、デュラム・セモリナ(パスタ)といった特徴もある。※カッコ内はあくまで代表的なものを挙げた。

「日本にもあるにはありますが、作付面積からしたら産業と呼べるレベルではありません。関係者は努力してますが、作付面積も小さく、質も安定しませんね」

 日本はわずかながら中力粉はつくられている。国産うどんなどはまさにそれ、そのほとんどは雨の少ない瀬戸内の一部や北海道を中心に生産されている。
「日本のような高温多湿で雨が多く平地の少ない地域は一番向いてません。米農家からの転作も進めてますが、国民全体の食を支えるにはほど遠いですね」

⚫︎7月の参院選が終わったら市場価格を反映するでしょう
 小麦の国内消費量は約640万トン、国産小麦の収穫量は約94万トン、意外と作っているように思えるが日本の気候ではとにかく安定せず、2020年は約8万トン減少している。
 また一番問題なのが離農や労働力不足により作付面積が増えないことにある。小麦がないなら米を食えばいい、なんて1960年の半分(一人当たり)しか消費していない現代人が言えた話ではない。そもそも農業就業人口そのものが1960年から6分の1に減っている。2000年から現在でも半分以上の農業従事者が消えた。

「転作で稼いでいる国内小麦農家もありますが、あくまで小規模農業の話です。素晴らしいことですが、食料安全保障の問題とは別ですね。小麦に限った話ではないですが」

 主要穀物(大豆、小麦、トウモロコシ)の90%、主要エネルギー資源(石油、石炭、天然ガス)および鉱物資源(銅、亜鉛、ニッケル、ベースメタル、レアメタル)のほぼ100%を輸入に頼る日本、食料自給率は生産額ベースで67%、カロリーベースで37%(ともに2020年度)、飼料自給率に至っては25%と実のところ、江戸時代にでも戻らなければ日本単独で生きていけないほどに「他人様に売ってもらう」「他人様に食べさせていただく」国になってしまっている。
 すべては食料安保を蔑ろにしてきた政府の責任だが、今回の緊急対策に小麦をピンポイントに加えたことは、まさに政府の危機感の現れだが、彼は納得いかないと語る。

「輸入小麦を米粉、国産小麦への切り替えなんて緊急でできることではありません。何十年かかるかわからない。国内自給率を上げることは大賛成ですが、そういうことじゃないでしょう、政府は9月まで(急騰前の)価格を据え置くと言ってますが、7月の参院選が過ぎたら市場価格を反映するでしょう。小麦は半年ごとの価格改定、どのみち9月には改定なのですから」
 まったくその通りで「そういうことじゃない」。緊急に対策しなければならない物価高に対して長期的なビジョンを語るのも変な話だ。
 現時点で小麦の安定した品質で需要を満たすほどの国内生産は厳しい。米粉に至っては個々人が健康志向で少量使うならともかく、産業として米粉転換などいつの話になるのやら。可能性や技術革新を否定しているのではなく、緊急対策だからこその話をしている。

「やはり悪いのは円安なんです。円安が日本を追い詰めているんです。何もかも国外から買わなければいけない国で、売るにも以前ほど魅力のない国になって、市場で日本が買い負けるのを見続けるのってそりゃ怖いですよ」

 今回の緊急対策、筆者も「やばい」と思う。安易な政府批判は避けたいが、この事態にこれって、ちょっとなあ……としか言いようがない。
 ガソリンの補助金を25円から35円に上げる前にトリガー条項の発動と重複課税の見直しだろう。
 低所得の子育て世帯に5万円配るのもわけがわからない。生活困窮者支援と説明するが生活困窮者の中でなぜピンポイントに「低所得」「子育て世帯」だけ5万円なのか、これに小麦の安定供給対策を加えておよそ6兆2000億円の血税をぶっ込むという。

「それで緊急対策があれですからね、ほんとやばいと思います」

 国民生活を守り抜く、と岸田首相は説明したが、円は20年ぶりに1ドル130円台をつけた。125円の「黒田ライン」とはなんだったのか。もうすぐ6月の給与明細(自営なら税額通知書)で増税ぶりを目の当たりにすることだろう。
 物価は上がり、税金は上がり、円は下がる。今回の緊急対策は「高齢者に5000円プレゼント」に代わる、低所得子育て世帯5万円のばらまきばかりが注目されるが、小麦の高騰対策もまた、ガソリンと同様にその場しのぎの「やばい」代物である。そもそも貧しい子持ちや小麦、ガソリンだけの話ではないはずなのに。

「円安容認だけでもなんとかして欲しいんですけど。そのほうがよほど緊急対策だと思います。本当に何がしたいんでしょう」

【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)日本ペンクラブ会員。
 出版社勤務を経てフリーランス。社会問題、社会倫理のルポルタージュを手掛ける。
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