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根室国後間海底電信線陸揚施設
先月、根室市議選への支援に入り、帰りがけに寄ってみた。根室国後間海底電信線陸揚施設は、かなり朽ち果てた姿をしていた。ここから国後島へ、電信電話ケーブルがつながっていた。
根室から択捉島の先端にある蘂取村(しべとろむら)まで、500キロ以上。そして島には多くの日本人が生活をしていた。
蘂取村は、1947年(昭和22年)9月に住民253名が強制的に樺太の収容所に。戦後2年目にして強制移住だ。
自民党の安倍前首相は「新しいアプローチ」の名でプーチン大統領と「信頼」、「経済協力」をすすめれば、いずれ領土問題の解決に道が開けるとすすめてきた。
しかし、不当な戦後処理については全くふれない。
そもそも国家間で首脳同士が仲良くしていけば「いずれ・・・」という「とんでもないアプローチ」だった。
日本は全土基地方式という日米安保条約で縛られ、当時プーチン大統領が、北方領土に米軍基地ができるのかという最大懸念に何も答えられない状況であったといわれる。
まったく独立国としての体をなしていない。結果的に「2島返還」しか残らなかった。「新しいアプローチ」の失敗であり、その反省もまったくない。不都合なことは「だんまり」だ。
北方領土、いわゆる千島問題は、第2次世界大戦の戦後処理の原則「領土不拡大」に反することからはじまり、51年のサンフランシスコ平和条約2条C項で「放棄」したことである。
戦争で領土を奪うこと。これ事態が国際法上の「不当行為」である。
だからこそ国際世論を高めなければならない。
安倍前首相は、こうした原則からまったくはずれている。主張すべきことを堂々と主張してこその「交渉」ではないのか。プーチン大統領にむかって「ポエム演説」をしたり、個人的に仲良くすることではない。
お互いに「国家」を背負っているのだから。