6者協議不調で北朝鮮の住民数百万人が餓死の危機に直面、日本は「兵糧攻め」効果をじっくり待とう

2006年12月24日 17時31分51秒 | 北朝鮮問題
◆北朝鮮が食糧危機状態にあるという。飢饉や水害が主な原因だが、2007年春までに数百万人が餓死するのではないかと予測されている。国連の世界食糧計画(WFP)によると、北朝鮮住民の3分の1がすでに慢性的な食糧不足状態にあると、共同通信(ジュネーブ)が12月22日報道している。北朝鮮の正確な人口は、定かではないけれど、およそ2000万人と言われてきた。1996年(平成8年)に飢饉や水害により、約200万人が餓死(このうち5万人が反金正日派の労働党員=大虐殺)し、その後も、慢性的な食糧不足で餓死者が続出していると言われている。だから、正確な人口はわからないのである。アメリカによる金融制裁、日本政府による経済政策をはじめ、国連の対北朝鮮非難決議に基づく経済制裁が続けば、餓死者が増えていくはずである。諸国の「兵糧攻め」は、確実に効果を発揮していると断言してよい。
◆北京で開かれていた北朝鮮の核問題をめぐる「6者協議」は不調に終った。この結果、一番得をした国は、中国であった。1年以上も開かれなかった「6者協議」をともかく開催でき、議長国としてのメンツを保つことができたからである。しかも、属国・北朝鮮を「生かさず、殺さず」の状態し続けることに成功した。アメリカからの干渉を受けずに、 北朝鮮の国土に眠る地下資源を独占的に確保するための「時間稼ぎ」ができ、そのうえ、北朝鮮の体制崩壊により難民が豆満江を渡って逃げてくる事態を当面回避できた。
◆二番目に得をしたのは、アメリカであった。イラク戦争敗北の後始末に追われ、そのうえイランの核開発問題に気を取られて、北朝鮮どころではない。余裕があれば、一気に北朝鮮に攻撃をかけて体制崩壊させたいというのが本音ではあるけれど、当面は、中国の「生殺し政策」に任せようという姿勢である。
三番目に得をしたのは、韓国である。第二次朝鮮戦争の危機をしばらくは、回避できた。韓国も中国同様、「生殺し政策」を採用している。もちろん、「太陽政策」というのは、美名にすぎない。
四番目は、ロシアである。やはり国境を越えて難民が押し寄せてくる危険を避けることができて、ホッと胸を撫で下ろしたことであろう。
五番目は、ということになる。だが、日本人拉致被害者の奪還が大幅に遅れることになったものの、得もしなかった。代わりに損もしていない。
◆最も大きな損失を被ったのは、やはり北朝鮮、なかでも金正日総書記であったのは、間違いない。ブッシュ大統領の「金正日暗殺命令」は、依然として解除されておらず、それどころか、国防総省による「5030作戦」は堅持されてといる。金正日に向けられ「銃口」は、一瞬のスキを狙っている。金正日が「時間稼ぎ」できたと思い込んでいるとしていたら、大きな錯覚である。
日本としては、ここは、泰然自若としてじっくり「時間の利益」を得ようではないか。北朝鮮の人口が、知らない間に「300万人」(支配階層のみ)くらいに減っているかも知れない。
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