政治家は、政治が命懸けの仕事ということと権力闘争の「凄惨さ」を思い知れ!

2005年08月10日 23時04分55秒 | 政治
「刺客放った」 亀井静香氏が党執行部批判 (朝日新聞) - goo ニュース

 博徒・小泉首相が、いかにも当代超一流の「マキャベリスト」らしく、「権力闘争」の凄まじさを見せつけている。さすがに鎌倉幕府に近い横須賀出身である。弟・義経や範頼などの身内を次々に粛清した源頼朝の「冷徹さ」を彷彿とさせられる。
 「自界叛逆難」(薬師経の七難のひとつ)という仏教用語がある。「仲間同士の争い」「同士討ち」「内乱」「自国内の戦争」などの難をいう。「三災七難」の1つで、叛とは、「そむく、わかれる、にげる、たがう」等の意である。
 昔の政治は、暗殺、毒殺、謀殺、誅殺、城攻め、合戦などという「凄惨な殺し合い」が、習わしであった。一族皆殺しは、日常茶飯事でもあった。観光都市・鎌倉は、至るところに「一族皆殺し」の場所があり、極めて血生臭い、恐ろしい都市である。
 現代の政治は、権力闘争、権力闘争の極めつけは、「政治生命を絶つ」ことにある。だが、非合法なテロ、暗殺、謀殺なども時折行われることもある。クーデタ、暴力革命も忘れてはならない。一度政治家となって者は、いつ何時、「凶刃」を振るわれたり、「弾丸」が飛んでくるかも知れない。まさしく「命懸けの仕事」であるという厳しさを改めて噛みしめるべきであろう。
 亀井静香元建設相によれば、「祖先は毛利元就に滅ぼされた尼子家の重臣の一人だった」そうだ。尼子晴久が敗れた後、中国山中に逃げ、神官になったという。だが、神官の子孫は、「博徒・小泉純一郎」に滅ぼされる可能性が高くなった。
 毛利元就は、「孫子の兵法」に通じた学者・大江匡房の子孫である。だから正しくは、大江朝臣・毛利元就という。大江匡房が源義家に「孫子の兵法」を伝えている。
 大江匡房の子孫・大江広元は、源頼朝の「政治参謀」に迎えられ様々な「陰謀」を企む。義経の追討を進言したのも大江広元であった。血生臭い鎌倉の近くである横須賀育ちの小泉首相は、「孫子の兵法」を縦横無尽に駆使して権力闘争に励んだ鎌倉武士にまつわる伝説を幼少のころから聞かされて育ったに違いない。
 中国地方の小大名として赴任した毛利家に伝えられた「孫子の兵法」を使い、「ニセ手紙」を敵陣地に投げ込み、隠微な「情報戦」を勝利したのが、毛利元就だった。月山富田城を攻め落として、尼子家を滅亡させ、厳島では陶晴賢を打ち破る。
 綿貫民輔元衆院議長、亀井静香元建設相、荒井広幸参院議員ら「郵政民営化法案反対派」は、「ステルス作戦」などと称して、「反対派勢力」を隠すヘタな作戦を展開して、参院本会議場で「否決」に成功したものの、小泉首相の「奇襲攻撃的」とも言える「解散権行使」により、あえなく確固撃破されそうな形勢である。総選挙の結果は9月11日の投開票をみるまで分からないけれど、「役者」としては、小泉首相が一段も二段も上手である。
 小泉首相は、「オールイン」を張れる単なる博徒、勝負師ではない。「孫子の兵法」を熟知しているかに見える。
 源頼朝の「冷徹さ」をもう一度思い出してみよう。信賞必罰の処断の仕方も、源頼朝流である。「謀叛の首謀者」をはじめ「謀叛分子」を衆参両院本会議という採決場で炙り出し、煥発を入れず、処分する。
 謀叛に加わった衆院議員37人をただ単に「公認」しないというのに止まらず、「対立候補者」をぶっつけて、再起不能にしてしまおうとしている。10日現在、以下のような「キツーイ」作戦の断行が決まっている。
 ●小林興起衆院議員の東京10区に「小池百合子衆院議員」(環境相)を「ヒットウーマン」として送り込む。
 ●自殺した永岡洋治衆院議員(亀井派)の後釜に夫人を擁立して亀井派の領地を没収する。
 ●綿貫民輔元衆院議長の富山3区に対抗馬を立てて、叩き潰す。 さらには、 亀井静香元建設相の広島6区に「竹中平蔵参院議員」(郵政改革担当相)を送り込む話まで出た。今後も、次々に「殺しの矢」が放たれるだろう。
 「戦国永田町」は、「日本列島・夏の陣」に突入している。皮肉な日程「9・11」は、ますます面白くなりそうである。結果が、楽しみでもある。
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「真夏の夜」の「怨念解散」という怪談話の結末や如何に?

2005年08月09日 16時00分40秒 | 政治
真夏の選挙戦に突入、与野党キーマン走り出す (読売新聞) - goo ニュース

 今回の衆議院解散をワン・フレーズで言い表すと「真夏の怨念解散」と言える。お盆を前にして、小泉首相が何十年も前に受けた「憾み」「辛み」が一気に吹き上げた感じである。「郵政民営化」は表向きの言い訳にすぎない。
 背中に立派な彫物のあった祖父・小泉又次郎は、浜口雄幸内閣の逓信大臣。孫の純一郎は、郵政大臣を務めた。
 父・純也(元防衛庁長官)が急死して、福田赳夫直系の小泉首相は佐藤栄作首相の下で行われた昭和44年12月27日の総選挙に初出馬して落選の憂き目を味わわされた。選挙戦では特定郵便局長たちが対抗馬の支援に回り、苦戦を強いられた。
 特定郵便局長を傘下に置いて「集票マシーン」として駆使していたのが、郵政相を経験していた田中角栄だったからである。特定郵便局長からは、父子二代にわたって苦しめられてきた。
 小泉首相は、政界入りに挑戦した当初から、「憎っくき郵便局」という怨念を抱き始めていたのである。福田赳夫の秘書を務めながら時節到来を待ち、雌伏3年、田中角栄首相の下で行われた昭和47年12月10日の総選挙で見事初当選を果たす。「田中角栄の天領地」とも言える「郵政省・特定郵便局」に対する「怨念」は、いつしか「郵政民営化論」を生み出す。
 その当人が、平成4年、宮沢内閣の郵政大臣に抜擢された。その「敵地」とも言うべき郵政省で「郵政民営化論」をぶち、郵政官僚から徹底的に敬遠・無視されたのである。郵政官僚たちは、建設官僚と同様、「田中派」を名乗って憚らなかったのである。郵政官僚は、小泉郵政相を完全に無視し、郵政族のドンであった竹下派(旧田中派)幹部の野中広務(元自民党幹事長)を訪れた。野中広務衆院逓信委員会委員長が「陰の郵政相」として、全国の「特定郵便局長」を手中に入れて、選挙も仕切っていた。
 当然、大臣への報告や相談にも来ず、国会答弁に必要な「想定問答集」さえ作成をさぼり、小泉郵政相を困らせた。
 自民党橋本派が中心の郵政族は、衆議院予算委員会や逓信委員会などで、郵政政策にシロウトの小泉郵政相に厳しい質問を長時間にわたって浴びせるなど、徹底的にイジメ尽くした。
 「いまに見ておれ、必ず郵政民営化を果してやる」
 小泉郵政相は、敵地にいて、「郵政族のドン・野中広務」への敵意を募らせると同時に「郵政民営化」への執念を燃やし、「郵政民営化論」をますます強固なものにしていったのである。
 小泉首相の「怨念」は、田中角栄元首相とその流れを汲む「旧田中派」(旧竹下派→旧橋本派→旧小渕派→旧橋本派)に向けられたばかりではなかった。「中曽根康弘元首相」にも向けられていた。 昭和47年6月17日、佐藤首相が引退を表明し、自民党は新総裁を選ぶ選挙戦に突入、田中角栄・福田赳夫・大平正芳・三木武夫が出馬し、「三角大福戦争」と呼ばれた。7月5日の自民党大会で決戦投票が行われ、福田を破って田中角栄が総裁に選出された。田中角栄の最大の勝因は、「三木武夫」ばかりか、福田と同じ群馬県人である「中曽根康弘」が田中に就いたことにあった。福田の秘書として側にいて、「無念さ」を味わわされ、「中曽根憎し」の「怨念」を植付けられのである。
 「いつか見ておれ、復讐してやる」
 この怨念が、平成15年11月の総選挙の直前に吹き出す。衆院比例代表候補に「73歳定年制」を導入することを決め、これを口実に「宮沢喜一元首相」とともに「中曽根元首相」を出馬断念に追い込み、強引に引退させた。中曽根元首相は、かつて「旧群馬3区」で戦った相手である小渕恵三元首相から「終身第1位」を保証されていたと思っていただけに、
 「これは、政治的テロだよ」
 と言い、悔しさを隠さなかった。復讐に成功した小泉首相は、満足げであった。
 だが、中曽根元首相は、長男・弘文元文相(亀井派)を通じて「意趣返し」を果たす。中曽根弘文元文相8日の参議院本会議で行われた、「郵政民営化関連法案」の採決で、「反対票(青票)」を投じた。亀井派参議院議員会長でもある中曽根元文相に他の参議院議員も従ったのである。
 議員バッチを外したとはいえ、中曽根元首相は、まだまだ生臭く「成仏」していない。親の因果は7代祟るとも言われているけれど「反対票」を投じた中曽根弘文元文相が、近い将来、小泉首相から「復讐」されないとう保証はない。
 小泉首相が、「怨念」を抱き、「いつか仕返しをしてやる」と心に固く決めていた政敵が、もう一人いた。「亀井静香」である。
 小泉首相は平成7年9月22日、平成10年、平成13年と3度自民党総裁選挙に挑戦した。
 平成7年9月22日の総裁選挙の結果は、「橋本龍太郎304票、小泉純一郎87票」で惨敗した。このときの選対本部長が、小泉首相と同じ「三塚派」(旧福田派→旧安倍派)に属していた亀井静香が、小泉首相を裏切り、対抗馬であった「橋本龍太郎」に就いたのが、最大の敗因となった。
 以来、小泉首相は、亀井静香元建設相に「不信感」を抱き、「いつか見ておれ、仕返ししてやる」と「怨念」を抱くようになる。平成13年4月24日の自民党総裁選挙で、亀井元建設相のは、「自分の政策を受け入れてくれるなら下りる」と申し入れ、言い、小泉首相は亀井元建設相に「幹事長ポスト」を口約束したため総裁レースから脱落した。
 総裁選挙の結果は「小泉純一郎298票、橋本龍太郎155票、麻生太郎31票」だった。
 だが、小泉首相は、この口約束をあっさりと反故にしたうえに、以後、一貫して「冷遇」し続けた。
 亀井静香元建設相は、小泉首相への「不満」を抱き、「郵政民営化関連法案」について、「反対」の態度を取り、亀井派の参議院議員の大半が、「否決」に回ったのであった。
 この結果、小泉首相は8日夜、衆議院の解散を断行し、「郵政民営化に反対した者は、公認しない」と断言して、自民党から「反対派」を一掃する決意を示した。野田聖子元郵政相、八代英太元郵政相ら自民党郵政族をはじめ、亀井静香および亀井派衆院議員らをまとめて、「自民党外」に放り出し、できれば政治家としての「息の根」を止めようとしているかにみえる。
 まさに、「真夏の夜」に「葛折りの箱」から「怨念」が、一斉に吹き出したとも言える。何ともしつこくて恐ろしいのは、「男の怨み」である。
 「怨念解散」という怪談話の結末は、果してどうなるやら?
その前に、小泉首相が「8月15日」の終戦(敗戦)記念日に「靖国神社」に「公式参拝」するかどうかが注目されているけれど、どうも「パスするらしい」という噂が流布されている。もし、参拝をパスすれば、戦死者たちや遺族たちから恨まれたりはしないのだろうか。いずれにしても、ともかく、
 「南無阿彌陀仏、南無阿彌陀仏、南無阿彌陀仏・・・」
 ついでに、
 「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経・・・」

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さあ、総選挙だ! 国民・有権者は「日本の進路をどうするか」を夏休みの宿題にしよう!

2005年08月08日 21時09分46秒 | 政治
衆院解散、30日公示・9月11日投票 (読売新聞) - goo ニュース

大方の予想通り、8日の参議院本会議で郵政民営化関連法案が、定数242のうち、投票総数233、賛成票(白票)108、反対票(青票)125で、否決された。欠席・棄権8だった。これを受けて小泉首相が、「伝家の宝刀」を抜き、衆議院を解散した。30日公示、9月11日投票に決まった。
 小泉首相は公明党の神崎武法代表に対して、「自民党、公明党で過半数を取りましょう」と檄を飛ばしたといい、威勢がよい。
 勝負好きな小泉首相のことである。何しろ最近は、チェ・イ・ビョンホンらに代表される「韓流ドラマ」にどっぶり漬かっていると言われていた。現在、NHK総合で「オールイン」が再放送中でもあり、「最後の賭け」に出たのである。勝負は、相手の心理を読むことから始まると言われているように、「勝てる」と読んでいるのかも知れない。「横須賀の博徒」の本領がいよいよ発揮されるときがきた。
 民主党の岡田克也代表は、「受けて立つ」と発言し、総選挙モードに入っているが、イマイチである。「攻撃精神」に欠ける憾みがあるからである。「政権を取る」という気迫がない。
 これに対して、小泉首相は、「300選挙区に候補者を立てる。造反組37人は公認しない」と明言し、まずは、永田町の刑場で「斬首」し、新たな候補者の擁立を急ぐ方針である。「信賞必罰」こそ、優れた指導者が適宜振るわねばならない権限であるから、首相就任当初、「恐れず、怯まず、とらわれず」と断言した言葉通り、断乎として処分すべきである。
 衆議院議員について、小選挙区比例代表制度の下では、政党という組織構成者は、一人の例外もなく、「一致団結、一糸乱れず」して、団体行動すべきであり、謀叛人は理由の如何を問わず、悉く首をはねるべしである。謀叛人の処分が徹底的に行われれば、「野田聖子元郵政相」の「総理大臣」への目は、当分なくなる。
 自民党から公認を受けられない「造反組」は、無所属で選挙戦に臨むか、新党を結成して少数ながらも、「集団密集隊形」で戦うかを迫られる。だが、残念ながら、亀井静香元建設相や小林興起衆院議員らに新党結成への迫力が感じられないのは、一体、どうしたことか。どうも腰が引けている。
 中曽根弘文元文相に「反対票」を投ずるよう背後で指示したとみられる中曽根康弘元首相は、新党結成をどう考えているのか。もし「議員バッチ」に未練があるのなら、自ら党首となり、総選挙に突入し、福田康夫前官房長官か、小渕優子衆院議員のいずれかを吹き飛ばすくらいの勢いを示してもよいのではないか。
 石原慎太郎東京都知事は、亀井静香元建設相、平沼赳夫前経済産業相らの腰が引けているのを感じてか、「新党結成」には乗り気ではない。「自殺行為」になりかねないと考えているようである。
 国民・有権者の審判を受けて、もしも小泉首相がこの大博打に勝った後は、新しい構成員が加わり、郵政民営化関連法案をもう一度つくり直して来年の通常国会に提出して、可決成立を図ることになるだろう。
 その前に、参議院議員について、今回「反対票(青票)」を投じた22人の参議院議員は、除名処分にしておくか、平成19年7月に行われる参議院議員選挙に向けて「非公認」処分を行っておくべきである。
 自民党の参議院議員114人のうち、反対票に投じたのが、22人、8人が欠席・棄権だった。
 反対22人、欠席・棄権者8人計30人のなかで、とりあえず平成19年7月の参議院議員選挙で改選される議員が含まれている。30人のうち、13人を「転向」させることに成功すれば、過半数を確保できる。総選挙後に、じっくり脅しをかけて、「公認・非公認」の踏み絵を踏ませて、「転ばせる」ことに全力を上げるていくことになろう。反対22人のうち平成19年7月改選組は、桜井新、倉田寛之、柏村武昭、鴻池祥肇、真鍋賢二、田村公平、後藤博子らである。棄権者8人のうち平成19年7月改選組は、「小泉チルドレン」と呼ばれた大仁多厚らが含まれている。
 しかし、その前に当面は、「造反組37人」のなかから、新党へ参加する者が出てくると、その穴埋めをしなければ、参議院で過半数を確保できない状態になる。この問題を解決するために、自民党は、民主党参院議員のなかで「自民党好意派」の引き抜きを迫られてくる。
 いずれにしても、暑い総選挙になる。国民・有権者は、国政をプロだけに任せず、せっかくだから、この際、「生ビール」でノドを潤わせながら、一人一人が「日本の進路をどうするか」という課題を夏休みの宿題にして取り組んでみようではないか。


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国民・有権者は、衆議院の解散・総選挙に参加して、「小泉改革」に「最後の審判」を下そう

2005年08月07日 21時46分15秒 | 政治
否決の流れ変わらず 首相は即日解散の構え (共同通信) - goo ニュース

 チキン・レースは、最後の最後まで結果がわからない。弱音を吐いて競争を諦めた方が、負けとなる。
 郵政民営化関連法案が8日、参議院本会議で採決されるが、ギリギリのところで、賛成派、反対派がせめぎあっている。
 だが、対立の構図は、いたって単純である。何も難しく考える必要はない。
 いまや、反対票(青票)を投ずることが決まっている民主党や社民党、共産党は、このチキン・レースの当事者ではなく、事実上、蚊帳の外である。
 対立は、自民党参議院議員の大多数が賛成派であり、反対派は少数である。1つの党が賛否で分裂しているとは言っても、反対派はせいぜい20人から30人程度である。それが、小泉政権の命運を決める状況にあるのは、一にも二にも、平成元年7月の参議院議員選挙で「マドンナ旋風」が災いして自民党が過半数を割り、この状態が17年も続けているのが最大の原因である。
 現在、参議院(定数242)の勢力は、自民党が114議席、民主党84議席、公明党24、共産党9、社会民主党6、各派に属さない5、欠員ゼロ。
 過半数は、121議席で自民党は、9議席足りない。これを公明党との連立で辛うじて過半数を確保して、17人を超えているにすぎない。扇千景議長の票を足しすと、18人を超える。だから、18人が反対票を投ずれば、「否決」となるという計算である。
 郵政民営化法案の反対派、この問題に関する限り、自民党内の「野党」ということになっている。
 小泉首相の誤算は、参議院で自民党が17年間も過半数を割り続けてきたという事実を軽く考えてきたことである。小泉首相は在任4年4か月を超え、この間に2回も参議院議員選挙を戦いながら、「現状維持」の結果を深刻に考えてこなかった。つまり、この2回の参議院議員選挙は、いずれも「敗北」だったのである。公明党の議席と合わせて、過半数を超えたからといって、「勝利」などと言っている余裕はなかったのである。つまり、公明党に頼らなくてもよいだけの議席を確保できるようもっと努力すべきであった。
 第2の誤算は、小泉改革の最大の抵抗勢力を「旧橋本派」と考えすぎて、他の派閥を侮ったのが、今回、裏目に出ている。反対に回ると見ていた「旧橋本派」の参議院議員の大半は、「賛成派」に属しているのである。
 第3の誤算は、亀井派という「冷や飯組」を「冷遇」しすぎ、「傘張り浪人」から、「ひがみ浪人」に貶めたことであった。そのなかで、とくに中曽根康弘元首相を「うば捨て山」に捨ててしまったことである。本来なら「味方」になっていてもおかしくはないこれらの「浪人」たちを「過激派」に追い込んでしまった。
 これらの複合的原因により、自民党の大多数が、賛成派に回っているにもかかわらず、わずかな「党内野党派」にキャスティング・ボートを握られたばかりか、小泉首相が法案否決の公算大というギリギリの断崖絶壁に立たされるハメに陥ったのである。
 これは、詰まるところ、郵政民営化法案をめぐる「賛否」というよりは、「小泉憎し」の「私怨・怨念」が吹き出した結果とも言える。もはや小泉首相VS抵抗勢力という対立構図ではなく、小泉首相VS「冷や飯組」という構図である。
 こうなると小泉首相が、いくら「官より民へ」と絶叫しても、反対派を賛成派に転向させることは難しい。
 残る手は、「カネ」か「ポスト」であるが、厳密に言えば、「贈収賄罪」になる可能性が高い。投票行動を「カネ」か「ポスト」で売買することは、許されない。
 となれば、小泉首相は、韓国ドラマの「オール・イン」ではないけれど、最後の勝負に出るしかない。小泉首相が打つ「大博打」が勝つか負けるかはわからないけれど、衆議院の解散・総選挙もやむを得ない。国民・有権者が参加して、「小泉改革」に対して「最後の審判を下す」のが、憲政の常道とも言えるからである。
 大半が賛成派であるから、正確に言えば、小泉首相は、決して「孤立」をしているわけでもなく、ましてや「孤独な戦い」を行っているわけではない。むしろ、逆に亀井静香元建設相ら「反対派」の方が、よほど「孤独な集団」であるとも言える。自民党が正常に機能していれば、反対派を懐柔するのは難しくはないだろう。だが、感情がここまでこじれれば、反対派は、自民党総裁に叛旗を翻した「大罪人」として首を洗って、斬首されるのを待つか、自民党を脱走して、新党を結成して戦うしか道はない。
 幸い、投票日が9月11日であれば、お盆休暇のときでもあり、この「クソ暑さ」のなかで、国民の大半が、海水浴に出かけたり、涼しい外国に旅行したり、あるいは、昼寝を楽しんだりしている時期でもあり、この時期の選挙戦によって、国政に空白が生ずることはない。この点では、絶好の時期である。衆議院議員や候補者には御苦労なことではあるけれど、宮沢賢治の詩の言葉通りに「夏の暑さ」にも負けずに頑張ってもらいたい。
 一国民の立場からは、宣伝カーから発せられる絶叫には、ホトホト参ってしまうとはいえ、蝉の鳴き声を聞きながら、これからの日本のあり方を改めてじっくりと考えてみるのも悪くはない。
 このままでは、蚊帳の外の「民主党」が、予想に反して、大敗するかも知れない。鵺(ヌエ)とも言われてきた化け物政党・自民党がむかしから得意としてきた「高等戦術」の一つである。
 「赤勝て」「白勝て」
 NHKの大河ドラマ「義経」も面白いが、真夏の「源平合戦」が見られる!
 「小泉首相勝て」「亀井新党勝て」

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勝負師・小泉首相の姿勢と態度に「快感」を覚える国民・有権者が多くいることを忘れるべきではない

2005年08月06日 22時53分51秒 | 政治
解散翻意迫る森氏、首相は耳貸さず 「おれの信念だ」 (朝日新聞) - goo ニュース
 プロとアマという区別がある。プロとは、プロフェッショナル、専門家のこと、アマとは、アマチュア、素人のことである。政治のプロを政治家といい、アマを一般有権者のことをという。
 新聞各社の社説は、読売新聞が、小泉首相が現出している「郵政政局」を「目的不明の解散に反対する」と述べて批判的なのに対して、外の全国紙は、概ね、「解散・総選挙」に好意的である。
 アマの立場での意見に耳を傾けると、これが面白い。「郵政民営化には反対だが、小泉首相の姿勢、態度を支持する。応援する」という声が、少なからずある。誠に不可思議な反応である。「反対だが、支持する」というのである。
 いまの国民の多くのなかにあるのは、「息苦しさをふっとばしたい」という心理状態である。村社会で仲良く、何事もなく、平々凡々とした空気のなかで、時間を空費するのは、息苦しいというまさに窒息しそうな気分に対する反発感がある。
 「自民党が崩壊しようと、政権から落ちようと知ったことではない。どうでもよい」という空気すら漂う。かといって、「民主党に政権を取らせよう」とは思っていない。
 自民党が分裂選挙に突入してもいいではないかという声が、次第に大きくなっている。だからと言って、民主党が勝つとは思っていない。亀井静香元建設相の一派が自民党を離脱して、新党を結成し分裂選挙になったとしても、自民党が大敗するとは思っていない。それどころか、従来の自民党と離脱した亀井新党が激突して、切磋琢磨することにより、むしろ、自民党が一生懸命になり、死闘を繰り返す結果、多数を確保する可能性もあり得る。亀井一派が抜けた分を民主党などから補うとか、かたや、亀井新党もがんばるので、ある程度の議席を確保する。
 そうなると、民主党は、折角のチャンスを掴みえないまま、事態の推移を虚しく過ごす結果にならないとも限らないのである。「郵政国会」において、何らの存在感を示せないでいる民主党は、議席を増やすどころか、減らす結果をも招きかねないのである。
 小泉首相に対する支持率は、解散含みで推移する政局にもかかわらず、意外にも高いのである。小泉首相に同情が集まれば、郵政民営化法案がボツになっても、「小泉政権」の命脈は健在となり、「1年残余」の期間を突破して、「もっとやってくれ」という世論さえ起き兼ねないのである。それほど、小泉首相以外の国会議員に対する国民の不評は、最悪を極めていねのである。亀井新党にしてもかけ声ばかりで、本気性が少しも感じられない。ひょっとしたら、「フリ」をしているだけなのかと疑いすら感じてしまう。もっと真剣の本気でやってもらわないと、信じられなくなる。
 国民の多くは、自民党が没落しようと、郵便局が民営化されようとどうなろうか、ほとんど感心がない。手紙や葉書をしっかりと届けてもらえさえすれば、それでよいのである。それよりも、郵政の民営化がどうなるかに関わらず、「一か八かの勝負に出ている小泉首相」の「勝負師の姿」に共感を抱いているのである。これほどの「博徒的宰相がいままでに出現したであろうか」と勝負の結果の如何にかかわらず、小泉首相の姿勢と態度に「快感」を覚え、期待を寄せているのである。「風呂のなかでオナラをして、シラッとしているような政治家はもういらない!」のだ。日本人は実は、むかしから「博打好きな民族」なのである。がんばれ小泉さん!

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中曽根弘文参院議員が「郵政民営化に反対」の態度を示し、いよいよ自民党は分裂・崩壊モードに突入へ

2005年08月05日 16時53分56秒 | 政治
郵政法案でぎりぎりの攻防 中曽根弘文氏が態度表明へ  (朝日新聞) - goo ニュース

 自民党亀井派の中曽根弘文参院議員(元文相)が、郵政民営化関連法案の「反対」することを明らかにした。亀井派の参院議員の会長を務めており、中曽根参院議員に4人が従う模様であり、このため、8日に予定されている参院本会議では、自民党から18人を超える反対者が出て、否決される公算が大となってきた。否決されれば、小泉首相が、衆議院の解散・総選挙を断行すると見られ、政局は、9月11日執行が予測される総選挙に向けて一気に走り出す。 小泉首相が進めようとしている郵政民営化に真正面切って反対し最高指揮官である「総裁」に叛旗を翻した衆院議員が自民党公認を得られないのは、当然である。同時に、「反対票」を投じ、否決の事態を招く中曽根参院議員らも「同罪」であり、「反対」を表明した以上、もはや自民党内にいることはできない。直ちに自民党を離党すべきであろう。
 中曽根参院議員の場合、郵政民営化関連法案の中身自体に原因があるというよりは、どちらかと言えば、「私怨」による「意趣返し」に近い。まず、小泉首相に対しては、前回総選挙において、実父・中曽根康弘元首相が、「比例代表73歳定年」の規定に従って、「引退」を強要された怨みを、長男が父に代わって晴らすという感情がミエミエである。中曽根元首相は、小渕恵三元首相との約束で「死ぬまで比例代表1位」を保証されていたという思いがあり、無理矢理引きずり下ろされた「怨み」は、「骨髄」に徹しているものと思われる。中曽根元首相が「これはテロだよ」と不満をあらわにしていたのが思い出される。
 次に、中曽根元首相は、中曽根派を受け継いだ渡辺美智雄元農相はもとより、その直系の子分である自民党の山崎拓元幹事長が、嫌いである。その山崎元幹事長が、小泉首相を支えているのも気に食わない。自分の派閥の流れを汲んでいるにもかかわらず、渡辺美智雄元農相が総理大臣になるのを邪魔し、渡辺美智雄元農相は「悔しいよ」と言い言葉を残して病死した。山崎元幹事長が将来、総理大臣に就任するのも阻止する構えを崩していない。だから、中曽根参院議員が、「賛否」を明確に示していない「中間派」と呼ばれていた段階から、「否決するのではないか」と観測されていた。
 さらに、中曽根参院議員は、実父の旗本的な国会議員であった江藤隆美元建設相が、亀井静香元建設相と合流し「江藤・亀井派」として一家を構えたときから、この派閥に所属してきたが、亀井元建設相が、「反小泉」の姿勢を強めて、「新党」を結成してでも、小泉首相に「敵対」しているのを見て、同調することを決意したようである。派閥を分裂させるのを躊躇ったとも言える。新党が結党された場合、当然、これに従うものと見られている。
 こうして自民党は、「小泉首相に殉ずるグループ」と「打倒・小泉」を旗印とする「アンチ小泉派」とが分裂して、総選挙を戦うことになる。小泉・自民党は、「反小泉」の立場を取って非公認となった現職の穴を埋めるべく、新人を続々と立候補させる戦術を取り、「反小泉派」の政治生命を絶つ戦術を駆使するだろう。
 総選挙の結果、過半数を獲得する政党がなければ、新たな「連立」が組まれる。公明党は、どんな形になろうとも、常に、「政権」に食い込む作戦を取るに決まっている。民主党の岡田克也代表や小沢一郎副代表、鳩山由紀夫元代表、菅直人前代表は、総選挙の臨戦態勢を組むに当り、「公明党」との連立を模索する方針を決めている。日本の政治は、12年前の自民党分裂以来、「騒乱状態」に入り、いよいよ面白い展開となってきた。国民はいつまでも政治に対して「無関心」あるいは「無関係」を決め込んではいられなくなったきた。
 (真夏の夜の悪夢ではあるが、亀井派が新党を結党して総選挙に突入する場合、まさか中曽根康弘元首相が北関東ブロックから比例代表として立候補するなどという野望を抱いているのではないかと思いがふと脳裏をよぎる…)
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燃料電池の開発に期待し、「石油・天然ガス文明の業」とも言うべき「戦争」からの解放を急ごう

2005年08月04日 23時59分52秒 | エネルギー問題
ホンダ・GM・BMW、燃料電池車で提携へ (読売新聞) - goo ニュース

 日本はいまこそ、国家安全保障政策(国防、資源エネルギー、食糧などの確保)を揺るぎないものに確立し、主に資源エネルギー、食糧に起因する「文明の業」とも言うべき戦争から地球人類を解放し、ひとり日本国民のみならず世界の人々の幸福及び社会保障(所得保障と健康維持)、社会福祉の増進に努める段階に入っている。 8月15日は、終戦60周年を迎え、「不戦の誓い」を新たにする必要がある。だが、「空念仏」にならないようにするには、現代の戦争の主な原因となっている「資源エネルギー」をめぐる「争奪戦」を回避する道筋を明らかにしていかなければならない。
 大東亜戦争における日本の責任をいかに問おうとも、この問題への明快な解答を持たない以上、反省そのものが、単なる虚しい議論に終始し、堂々めぐりするしかないからである。
 日本は、なぜ大東亜戦争に突入せざるを得なかったのか。一言で言えば、それは明治維新を境に「欧米流の文明社会」に入ったためである。「欧米流の文明社会」に入り、エネルギー源である「石炭」を確保せざるを得なくなった。「薪」や「炭」を使う社会に止まっている限り、「石炭」の確保に悩まされることはなかった。次のエネルギー革命により、今度は「石油」の確保が不可欠になった。その石油を欧米の財閥傘下の石油会社が独占し、日本やドイツ、イタリアなどのいわゆる「持てざる国」は、窮地に追い込まれた。そこから「石油の争奪戦」が始まったのである。
 この戦争に巻き込まれない方法は、「薪」や「炭」を使う社会に逆戻りするか、「持てる国」に挑戦して、独自に「石油」を確保していくか、あるいは、「持てる国」の軍門に下り、強国に服従して言いなりになるかという道しか考えられなかっただろう。
 アメリカを中心とする連合国軍に敗れた日本の国民の多くは、「負けてよかった」とホッとした。これに対して、いつまでも徹底抗戦を唱え続けた軍閥を厳しく指弾したものである。
 それならば、どうしてアメリカのハル国務長官が日本に突きつけた最後通牒を受け入れなかったのか。この意見は正しいが、戦争に負けてからやっと分かったことであり、これも「後講釈」にすぎない。後の祭といったも過言ではない。結果が出た後になれば、いろいろなことが言えるものなのである。
 「二度と過ちは繰り返しませんから」と言って、「主語」が曖昧な原爆記念碑の言葉も、なぜか虚しい。「過ち」を犯したのは、原爆を投下したアメリカであり、原爆を投下させるまで徹底抗戦しようとしたのは日本であった。どちらが悪いと咎めても、原爆を落とされて殺された被害者は、もはや抗議する声さえ上げられない。しかし、生き残った人や戦後生まれた国民は、アメリカに対しどうして抗議しないのか不思議である。非戦闘員を虐殺することは、国際戦時法上、禁止されているはずである。やっぱり、原爆を落としたアメリカは悪い。とくにトルーマン大統領は、極悪人である。
 しかし、死んだ子の年を数えてもムダであるから、これから将来のことを考えよう。それは、「石油」も「原子力」も使わないでも繁栄を謳歌できる「文明社会」のことである。          読売新聞が4日付朝刊で、「ホンダ・GM・BMM 燃料電池車で提携へ」「共同開発第一弾 水素注入技術」という見出しの記事を1面トップに掲載している。
 これまでの予測では、2005年には、燃料電池車が一斉に市場に出てくると言われてきたが、大幅に遅れているので、一刻も早く商品化されて売り出されることが期待される。
 燃料電池車とは、水素と酸素が化学反応すると「水」ができる。このときに電気が発生する。これを「ガソリン」に代わるエネルギー源にして走る自動車のことである。世界各国で「未来のエネルギーの本命」と言われている。中国は、モータリゼーションが急速に進めば、10年後には、石油の消費量が現在の何倍も必要となるので、石油確保に血道を上げているうえに、「エネルギー資源争奪戦争」に巻き込まれることを恐れている。すでにアメリカの石油会社「ユノカル社」の買収にかかろうとして、アメリカの石油メジャーから妨害されて、諦めている。また、石油や天然ガスの大量消費により発生する「環境汚染」に頭を痛めている。
 こうした「戦争」や「環境汚染」という「文明の業」から解放されるには、何と言っても「石油・天然ガス」、そして「ウラン」などを使わないでも、維持できる文明社会を築くことしかない。
 このための新しい道は、開かれている。その1つが「燃料電池」である。風車、地熱、潮流、海水の干満など多様な「クリーン・エネルギー源」の開発を急がねばならない。日本が、世界の先駆けになり得る国であることに誇りを持ちたい。技術者の皆さんに「声援」を送ろうではないか。


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個人情報保護法が公務員の不祥事を隠蔽するための「隠れ蓑」に悪用されている

2005年08月03日 22時30分36秒 | 社会
個人情報“過剰保護”、自治体で相次ぐ (読売新聞) - goo ニュース

読売新聞が3日付朝刊の1面トップで、「個人情報〃過剰保護〃」「自治体で相次ぐ法の趣旨逸脱」「懲戒教員匿名に 天下り先非公表」という見出しをつけて報じた。これに関連して、34・35面(社会面・対社会面)、関連特集11面で詳報を掲載している。 読売新聞は、4月の個人情報保護法全面施行を受けて、全国の総支局を通じ、5月末から6月初めと7月前半の2回、調査したという。
 この結果、「地方自治体が幹部の再就職先を本人の同意がなければ公表しないよう変更したり、懲戒免職にした教職員の実名発表をやめたりするなど、各地で過剰反応や個人情報とは言えない情報を提供しない事例が相次いでいることが分かった。同法の趣旨を取り違えた『匿名社会』が、広がりを見せている実態が浮かび上がった」という。日頃から「どうもおかしい」と感じていることが、ここまで詳しい調査結果が報道されて、「やっぱり」という思いであり読売新聞のこの調査を賞賛したい。
 基本的人権という「個人法益」を守るためには、個人の尊厳、個人の人格、プライバシー、あるいは肖像権などがしっかりと保護されるのは、当然である。
 だが、中央省庁、都道府県・市町村などの「公的機関」は、どうも「役人保護」のために、この個人情報保護法を利用している傾向が濃厚である。「個人の保護」を「公務員の保護」にすり替えているともいえる。公務員も国民の一員であるから、個人情報が保護されるのは、当たり前だが、「官職」に関連した情報まで保護の対象にして、都合の悪いことは、この法律を隠れ蓑にして何でも隠そうとするのは、言語道断である。
 身近なところでも、「おかしい」と感じられることが現実に起きている。たとえば、ある知人が、大分県医務課に県内のある医療法人の理事長、理事、監事の役員構成について問い合わせたところ、「公益法人の理事長以外の役員については、個人情報に当たるので公表できない」との理由が説明され、文書として開示されたのは医療法人となっている病院名と住所と理事長の名前で、理事などの役員の名前は、すべて黒く塗り潰されていたという。
 確かに医療法人は、「公益法人」の一つである。だが、「商品交換社会」という経済社会においては、「公益法人」も医薬品や医療機器などを購入するなど経済活動に関わっている。医療法人を代表している理事長しか取引に関われないということではない。理事が交渉事などに関与することがあるかもしれない。その場合、取引の相手から見て、本当にその医療法人の理事であるのかどうかを確かめられなければ、安心して取引の交渉に当たることはできないだろう。株式会社の謄本を法務局で取れるのは、ひとえに「取引の安全」を確保するためである。商品交換社会において、営利目的の株式会社と公益目的の医療法人との間に違いがあっていいはずはない。 この医療法人に関しては、理事本人が、「知らないうちに理事を外されているのではないか」と疑い、自分自身のことを確かめようと思って、大分県医務課に情報開示を求めたところ、拒否されたという話もある。ウソのような本当の話である。

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自殺した永岡洋治衆院議員は、「小選挙区比例代表制度」の犠牲者だったのではないか

2005年08月02日 22時50分46秒 | 政治
自殺の永岡議員、精神疾患で投薬…昨年末から体調不良 (読売新聞) - goo ニュース

 自民党亀井派の永岡洋治衆院議員が1日、東京都世田谷区の自宅で首吊り自殺した。精神的な理由で病院に通っていたといい、郵政民営化関連法案に賛成し亀井派内から「裏切り者」と罵声を浴びせられたり、強敵・中村喜四郎元建設相が次期総選挙で立候補するとの情報が入っていたりと、憂鬱な頭痛のタネが重なり、堪え切れなかったらしい。小泉首相が、「伝家の宝刀」の柄を握り、5日の参議院本会議で法案が否決された場合、直ぐにでも解散・総選挙に打ってでる構えを崩していないため、心理的に追い詰められたようである。
 総選挙に2回落選し、中村喜四郎元建設相が収監されて辞任したため補欠選挙となり、3度目の正直で、やっと当選を果たしたのも束の間だった。相手は、拘置所に入っていても、刑務所にブチ込まれていても、堂々と当選できる強者である。次の総選挙で自民党公認を得て、無所属の中村喜四郎元建設相と戦っても勝ち目はないと前途を悲観したのかも知れない。亀井静香元建設相が、平沼赳夫前経済産業相とともに自民党から離党し、「新党」を結党する動きを見せていただけに、万が一、そうなったとき、自分も離党して亀井元建設相らに従ってついていけるか、その背後関係を思い切ってどうかも、容易に決断することができなかったとも考えられる。
 政界というのは、「猿は木から落ちても猿だが、政治家は落選すれば、タダの人」と言われる世界である。折角、苦労して獲得した「議員バッチ」を外すことになる恐れは、多分にあった。
 しかし、見方を変えてみると、永岡衆院議員は、「小選挙区比例代表制度」といういまの選挙制度の犠牲者とも言える。
 永岡衆院議員は、自らを称して「自民党の社員」と言っている。この言葉こそ、「小選挙区比例代表制度」の欠陥を象徴している。元来、「自由民主主義」という政治体制を採用している日本では、「民主主義」の意味が正しく理解されず、「団体主義」「集団主義」に変質している。
 「民主主義」とは、「個人主義」を基本としている。「個人主義」は、個々人の「意志」を尊重する思想に立脚している。「個人の意志」の集まりをベースに「多数決の原理」を駆使して「民主制の論理」を貫徹していくのが、民主政治である。
 だが、選挙区において「1人」しか当選できない「小選挙区比例代表制度」を採用し、「政党本位」の政治を行おうとすると、どうしても「個人の意志」を圧殺し、行動を誓約する弊害が生じてしまう。政党が公認できるのは、「1人」であり、同じ選挙区で有力な政治家がいる場合、どちらかを非公認にするしかない。
 これが、中選挙区制度であったときは、同じ選挙区で複数当選できるので、複数の候補者を公認できる。個々の政治家は、政党の締めつけをそれほど受けなくても、場合によっては、無所属でも当選の可能性が大となるのである。
 政策においても、政党は、大体の方向を示しておけばよく、細かなところは、個々の政治家の思想・信条や支持母体の違い、あるいは選挙区事情によって、バラエティの豊かな政策をそれぞれの候補者が組み立てられるのである。
 ところが、「小選挙区比例代表制度」の下では、最近流行りの「マニフェスト」(党綱領)というような統一した個別具体的な政策に、個々の政治家が縛られてしまう。この結果、「個人の意志」、あるいは「志」が、無視されるという事態を招くことになる。
 政治家は、所属する政党の単なる「駒」の一つに過ぎず、代替可能な「政治労働者」に堕してしまう。もっと品よく言うならば、「サラリーマン政治家」と言ってもよかろう。自民党が最近よく用いている「候補者の公募」となると、もはやどうしようもない。新入社員の採用試験と変わりがなくなっているのである。本来、個々の政治家がそれぞれの思想・信条によって政治家を志しているはずなのに、それを一々、審査員にチェックされ、気に入られなければ、「公認」も得られず、政治家にもなれないということになってしまっている。永岡衆院議員が奇しくも「自民党社員」と言った言葉はまさしく、このことを皮肉を込め、自嘲的に言い放っていたのである。
 一昔前までの政治家のなかには、「一騎当千」の極めて「個性豊かな政治家」が、キラ星の如くいた。
 田中角栄しかり、福田赳夫しかり、三木武夫しかり、春日一幸しかり、石橋正嗣しかり、いずれも面白い政治家だった。
 いまの政治家のほとんどが、「金太郎飴」のようにみな、同じように見えるのは、情ない。与野党ともに若手議員の多くが、「スマートで立派」そうに見える半面、「リクルート・スーツ」に身を包んだ無表情な「ロボット」のように見えてしまう。これはやはり各政党の「社員」にすぎないからなのだろう。
 永岡衆院議員のような犠牲者を再び出さないために、選挙制度を元の「中選挙区制度」に戻すのがよいのではなかろうか。
 (*ちなみに、「中選挙区制度」は、古代の「風土記」の時代以来、日本列島の山河や湖沼など自然を境にして成り立っていた地域共同体を基本にして選挙区が設定されていたという)


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金正日総書記には、資産に恵まれた国土、国民などを保有していることに早く気づいて欲しい

2005年08月01日 23時24分40秒 | 北朝鮮問題
6か国協議、核放棄と見返り同時並行で…共同文書草案 (読売新聞) - goo ニュース 

 北朝鮮の金正日総書記は、これからの国造りをどのように進めようとしているのか。議長国である中国は、共同文書案に日本やアメリカが要求している「人権・人道問題」や「ミサイル問題」という言葉すら盛り込んでいない。「人権・人道問題」が軽んじられている中国共産党一党独裁の北京政府のことであるから仕方がないとも言えるが、こんな文書なら、日本の外交官は、絶対に調印すべきではない。
 図々しいのには、呆れ果ててしまうが、北朝鮮は「エネルギー支援」を要求して譲らないのだという。それどころか、韓国から電力の供給を受けたうえに、中断している軽水炉の建設再開や火力発電所の建設まで要求しているというから、ますます開いた口が塞がらない。
 6か国協議もよいけれど、共同文書づくりに専念する前に、北朝鮮の代表団に、少なくとも今後10年から20年間の国家建設計画案を示すように要求すべきである。いまのままでは、いつまで「支援」してよいのか全く検討がつかないだろう。まさか、いつまでも「支援」し続けるということなのであろうか。だれが、その費用を支払うのか。中国、ロシア、韓国は、この点をはっきりさせてから共同文書を作成するのが筋である。
 「北朝鮮国家建設10年計画」と仮に名づけよう。国家建設には何といっても、「教育」が最も大事である。国は人が造る。口に入れる とのできない兵器ではない。人が育てば、生産力が向上し、すべての国民に食を与えることができる。
 「国家有用の人材」をどのように養成していくつもりか。まず、このことを金正日総書記に聞きたい。「先軍政治」とか言って、下らない政策をいつまで続けていくつももりか。それよりも、「生産に勤しむことを考えなさい」と言いたい。消耗戦ばかりに専念し、国民に衣食を足りさせる政治に踏み切らない限り、北朝鮮は、「乞食」から脱することはできない。
 「北朝鮮国家建設10年計画」を立案するのは、その大前提として、「国家資産」を洗い浚い棚卸ししてみることである。案外と資産が豊富にあるかも知れない。
 人口2000万人のうち、1500万人が労働者として働けるとすれば、これは「労働力人口」として立派な資産である。日本海側の日本の企業の経営者が見れば、「安い労働力」は宝の山と映るに違いない。おそらくは、小躍りするだろう。効率のよい、生産力に役立つ労働力があるのに、何もさせないで放置しておくのは、もったいない話である。
 北朝鮮は、道路も橋も、ダムも河川も、それこそあらゆるライフラインを基礎から整備しなければならないはずである。鹿島建設などのゼネコンから見れば、「仕事の山」である。日本がアジア開発銀行などから資金を調達するとして、「国土開発計画」をつくれば壮大な事業を展開できる。
 北朝鮮の北には、中国東北部の穀倉地帯や地下資源地帯が広がっている。フランスとドイツを合わせたくらいの広さである。北朝鮮の北部山地には「ウラン鉱山」があると言われている。
 世界最大の穀物商社であるカーギル社は、中国の次に北朝鮮に目をつけている。それは、「牧場」としてである。北朝鮮の国民に肉牛を育てさせる。食糧は、アメリカ産のトウモロコシなどの穀物物である。
 これらばかりではないが、ことほど左様に、北朝鮮は、国土と国民をはじめ豊富な資産を保有していることに気づくであろう。これらを無駄にしてはならない。
 このことに気づき、目覚めて、国土建設を進めていけば、日本をはじめ各国の企業が競って北朝鮮を目指し、どんどん投資を進めていくであろう。金正日総書記には、「国家国民のために死んだつもり」で、大決心をして欲しい。

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