平坂読「変人のサラダボウル」読了。
さすがの平坂読。
安定して面白かったです。
もう、文章が全部面白い。
何気ない描写もそれだけで面白いから無敵。
相変わらずキャラもよかった。
群像劇ということで色んなキャラが出てくるのですが、
みんな好感が持てる。
嫌な奴がいないからストレスがない。
ただ、これだけでは寂しいな。
というのも、1巻かけてのプロローグ、といった感が拭えないから。
登場人物が多いからあんまり深く掘り下げられないし、
まだ各キャラごとの絡みも少ない。
例えば、これを新人さんが書いたとしたら出版できただろうか。
面白くなるまで時間がかかるので、信用できる、
実績のあるベテランしか許されない作風な気がする。
極端に言えば、一番おいしいところを勿体ぶってるように感じられる。
ジャンプなら早期打ち切りにあってもおかしくない。
これから面白くなるのは間違いないだろうから今後も読むけど、
技量の上がった作者が陥りがちな失敗作にならないよう
願っています。