昨日、雲仙諏訪の池ビジターセンターで、『昆虫と花の関係』をテーマに虫の観察会があり、参加してきました。
ちょうど、諏訪の池付近は、花の端境期だったようで、花に来る虫を観察するには少々残念な感じだったのですが、やはり「フィールドに出ると出会いがある」 まさに今回もそんな感じで、楽しく虫の観察をさせてもらいました。
私のカメラは接写ができないので、お見せできないのが残念なほど!
花粉をつけたコハナムグリや、オトシブミがクヌギの葉を切って卵のゆりかご作りをしている姿など・・・
大人も子供も、虫を追って走ったり、野イチゴや、ヤマザクラの実を食べたり、楽しい観察会でした。
講義では、少々大人向けの話だったのですが、花と虫との関係についてわかりやすくお話をしていただきました。
特に印象に残ったのは、植物同士が虫を介して複雑に絡み合っている生態系の話について・・・
かなりシンプルな例でいくと、この辺りではよく見かけるリョウブと言う木がありますが、この花の受粉を行うハナカミキリは、アカマツの倒木に卵を産み、幼虫期はこの倒木の中で過ごすそうです。
そう言われると、リョウブをよく目にする場所には、アカマツが多い場所だと思い出します。なるほど・・・
近くにアカマツ(モミノキでもいいそうですが)の倒木がない場所では、リョウブは育たないんですね。
特定の希少種だけを保護して、その周辺を開発してしまったために、受粉を助ける虫の生息域を壊してしまい、希少種そのものを危機に追い込んでいる場所もあるそうで、リョウブの例はかなりシンプルですが、実はもっと複雑に、虫を介して多くの植物が繋がっていると言うことがわかりました。
その繋がりはとても複雑で、解明してそこだけを保護しようとするのには大きな労力がかかりますし、そもそも、全てを解明すること自体、無理でしょう。 だからまず、周りの生態系も含めて保護しようと考える方が、早く確実なんですね。
1年前は、虫ってちょっと敬遠気味だったんですけど、ドンドン虫の魅力に引き込まれそう!
先生曰く、「虫は感情で見るのではなく、理性で見てください。虫が気持ち悪いと思っても、自然を守るためには必要な奴らなんですから」